ピエールのハッピーハンティング ピエール様が行く! こまどりの「こ」の字も知らなくても、『こまどり姉妹がやって来る ヤア! ヤア! ヤア!』
(2009.12.14)クリックしてピエール様の声を聞くべし。
ボンジュール、ムッシュ エ マダム。
ご機嫌よろしくって?
めっきり寒くなってきたわね~。
秋の芸術シリーズも 3回にわたって、
音楽・料理・文学とお届けしてきたけど……
「えっ、そんなシリーズだったの?」っていうツッコミは却下よ!
いい? 嘘だと思うなら、読み返してみて!
ああぁ、ひろ~い意味でね、って気がつくわよ。(笑)
そんなことより、そのシリーズの締めくくりとして、
今回は、映像芸術の「映画」を紹介するわね。
しかも、そんじょそこらの映画じゃないのよ。
知ってる人がいたら、そうとうの映画通ね!
うん? ちょっと待って、逆に「通」なら絶対に見ないかも。(笑)
だって、タイトル聞いて驚かないでよ。
『こまどり姉妹がやって来る ヤア! ヤア! ヤア!』
どう、 参ったでしょ?
もう、ほとんど「タイトルおち」っていう反則技よね~。(笑)
だいたいにして、「こまどり姉妹」を知らないでしょう?
昭和34年にデビューした演歌歌手なんだけど……、
分かってるわよ、聞くまでもなく、カスリもしてないんでしょう?
いいのよいいのよ。 ……負けない!
で、この映画は10月末からやってたんだけど、「テアトル新宿」だけで、
10時からの、1日1回だけの上映だったのよ。
そんな、昔のファンしか見ないようなマイナーな映画をよ、
ある人が、この映画は「下手な自己啓発セミナーより何倍も役にたつ~!」って
言ったもんだから、それからが凄いことになっちゃったのよ~。
あれよ、あれよと口コミで広がって、
こまどりの「こ」の字も知らない若い人たちで、連日超満員になっちゃって、
昔からのファンの方が肩身が狭くなって、映画関係者も目を白黒よ。(笑)
でもね、好評なのに気をよくして、11月末からは、
「ヒューマントラストシネマ有楽町」(元シネカノン有楽町2丁目)で
1日3回も上映してくれてるみたいなのよ。
でね、たまに劇場に本人たちも様子を見に来るらしいんだけど、
アタシが観に行った時も来てくれててね、
文字通り「ハッピーハンティング」って思っちゃった!(喜)
あらやだ、こんなミーハーな話をするとこじゃなかったわね。
なぜこの映画をおススメするのかってことよね?
ふふっ、観たらわかるけど、
最後には、二人に「ごめんなさい!」って謝っている自分がいるわよ。
もう二度と愚痴は言いません! 貧乏なんかじゃありません!
辛いなんて感じません! まして不幸だなんて思いません! ってね。
ただ、淡々と生い立ち、生き様を、記録映像とともに語るだけの映画なんだけど、
凄いのは、それが作りものではなく、すべて実話だったってことなのよ。
駆け出しの脚本家だって絶対に書かないくらいの、
嘘のように次から次へと襲ってくる、不幸な出来事の連続が、
すべて真実だっていう説得力に、圧倒されちゃうのよ~。
自分が抱えている、重たいと思い込んでいた荷物を、
笑いと涙といっしょに、座席にすべて置いて来れる映画なのよ。
やくざ映画じゃないけど、帰りには胸を張って、風を切って歩きながら、
希望や勇気が湧いてきて、感謝が溢れてきて、
自分の甘さが恥ずかしくなる、そんな映画なのよ。
本当は、こっちが励まさなくっちゃいけないのかもしれないけど、
握手してもらった、ちっちゃくて、ふっくらした手が、
「ね、大丈夫でしょ、がんばれるでしょ?」って言ってくれた気がして、
感極まっちゃったわよ~。(涙)
で、思ったの。
アタシの半生は映画になるのかしら?
誰かに希望を与えてるのかしら?
毎日の出来事を、チャンスに繋げているのかしら?ってね。
あなたも考えてみて。
もし、あなたの人生を映画にしたとしたら、
いくら払って、誰と観に行く?
評論家になったつもりで、コメントしてみて。
ちゃんとあなたの人生は「作品」になっているのかしら?
平凡で、普通で、波風立たたないことは、
安全で、安心で、生き方としては、正解の一つなのかもしれないのよ。
でも、人生という「物語」としてはどうなのかしらね?
冒険もチャレンジも、変化も何ひとつなく、、
ワクワクもドキドキもない、同じような毎日が繰り返される、
そんな映画って、本当に「面白い」のかしら?
何も苦労しろ!って言ってるんじゃないのよ。
波乱万丈がステキ!ってことでもないのよ。
ただ、二枚目の俳優さんには、バーのカウンターで独り言のように、
「俺もいろいろあってな……」っていうのがカッコいいじゃないのよ~。
アタシも人生というステージで、そんな主役を演じてみたいって思ってるのよ。
いろんなことが起こるのが、主役の役目みたいなもんですもんね。
だから高いギャラがもらえるのよね。
ちゃんと、つじつまが合っているのよ。(笑)
そして、アタシのラストのセルフはこうよ。
「 死ぬこと以外は、カスリ傷だぜ ベイビー 」
いや~ん、カッコいいーっ!
じゃあ、次回も「幸せ」で会おうぜ ベイビー。
『こまどり姉妹がやって来る ヤア! ヤア! ヤア!』
ヒューマントラストシネマ有楽町で絶賛上映中。新年1月8日(金)からは吉祥寺ハウスシアターにて上映。
監督:片岡英子
撮影監督:長田勇市
録音:郡弘道
タイトルデザイン:赤松陽構造
協力:こまどり音楽事務所 コロムビアミュージックエンタテインメント
製作・配給:アルタミラピクチャーズ
http://www.komadorishimai.com/