加納忠幸のワイン飲もうよ リーデル・ヴィノム・モンラッシェ

(2009.01.21)

このコラムを読んで下さっている方でしたらご存知の通り、
リーデルはワインに合わせたグラスを作って成功した
グラスメーカーです。

リーデル社がその名声を不動のものとしたのは、
vinum(ヴィノム)シリーズ。
それが日本で発売されたのは1980年代後半、
当初は10種類にも満たなかったのですが、
今年のカタログを見ると26種類に増えています。

グラスにはそれぞれ品番がつけられており、
ヴィノムシリーズは「416/XX」と、
416がヴィノムの品番でここのグラスには「XX」のところに、
それぞれの番号が入ります。

例えば「416/0」は、リーデルのグラスの中でも
最も売れているのではないかと思われる、「ボルドー」。

そして、今回話題にしたいのが「416/5」の「シャルドネ」。

形はボルドーと似ていますが、
大きさが2まわりほど小さくなっています。

この2種類のグラスは品番を見てもわかるとおり、
ヴィノムシリーズが発売された時に同時に発売されたもの。
その後、色々研究が進んで新しいグラスが開発されていきます。

ということで、シャルドネを飲むグラスは
20年近くの間、この「416/5」で決まりでした。
私はお客さんにもそのように説明してきました。

ところが、現在発売されているヴィノムシリーズ26種類のうち、
品番の番号が一番大きい「416/97」、モンラッシェ。
最も後に発売されたグラスです。

このグラスは正直あまり気に留めていなかったのですが、
実際にワインを飲んでみてびっくり。

シャルドネでも、乳酸発酵したシャルドネは、
「416/5」のシャルドネグラスで飲むと、
酸がきつくて、香りもあまり感じられないものが、
「416/97」で飲むと、香り、味ともに申し分ない。

今まで、20年近くにわたって、
シャルドネを「416/5」で飲んできたのはなんだったのか。
損した気分は拭いきれません。

ちなみに、甲州を飲むときは、普通は「416/5」が一番おいしいのですが、

2006年の「機山」を飲んだら、
このモンラッシェグラスの方がおいしく感じました。

もしリーデルを揃えていらっしゃるのでしたら、
このモンラッシェグラスもぜひ揃えることをお勧めします。