ジェニファーの こんにちは vs Bonjour ボジョレー・ヌーヴォーのマラソン。

(2008.11.25)

フランスのボルドーでは「メドックのマラソン」があります。
9月にメドック地方で参加者はワインを飲みながらマラソンを走るマラソンですね。
知らない方々はその話を始めて聞く時にすごくびっくりし、「やっぱりフランス人はタフだから飲みながら走れるんだ~」と言われるのですが、日本人も結構参加していますよ~。
たぶん本格的にこのマラソンを走る参加者はあまり飲まないと思うけど、お祭りのようなイベントでとても楽しいです。

そこで語りたいのは今年の11月19,20日の話です。
皆様はご存知ように毎年11月の第3木曜日は今年11月20日にボジョレー・ヌーヴォーの解禁の日です。日本では元々その習慣がないのに、現在どこでもボジョレー・ヌーヴォーが知られ毎年話題になっています。フランスでは1951年にこの「ボジョレー・ヌーヴォー」のアペラシオン(原産地統制銘柄)は作られボジョレーの生産者がいつでもワインのリリースが出来るようになりました。

実はその時までボジョレー地方(ブルゴーニュ地方の一部です)のワイン作りやリリース時期が法律の上細かく決まっていました。ポイントは軍隊のワイン供給が切れないようにワインのリリースが分割りされていました。

第二次世界大戦後こういったニーズがなくなっていたので、1951年の新しい法律のお陰で生産者が自由にワインのリリースが出来るようになり、ヌーヴォーが生まれました。
その時にまだヌーヴォーの解禁日が決まっていなかったのですが(収穫時期によって早めになったり遅めになったりしていました)、1985年に11月の第3の木曜日になり、それから毎年フランス人も外国人もヌーヴォーのリリースを楽しみにしています。

フランスでは基本的にその一日だけ皆盛り上がります。日本では解禁日の後もあちこちボジョレー・ヌーヴォーに関わる活動が続きますね。実はボルドレーズ(bordelaise = ボルドー人)である私は日本に来るまでボジョレー・ヌーヴォーを飲んだことがなかったんです。

そう、びっくりするでしょう? でもフランスでは日本ほどボジョレー・ヌーヴォーに関わるパーティーやイベントが長く続かないので、11月の第3木曜日にボルドーのバーでわざわざ飲みに行ってなかったのです。

そして日本に来て一年目の時に皆はボジョレー・ヌーヴォーのリリースに興味津々で、フランス人である私はもうちょっと自分の国のワインの文化に興味を持った方がいいと思い日本人のお友達に案内してもらって(!)初めて飲みました。恥ずかしいですね……私はフランス人なのに、日本のお友達にボジョレー・ヌーヴォーの楽しみ方を教わるなんて……

で、今年の東京のボジョレー・ヌーヴォーの発見は私にとってマラソンのようでした。
なぜかというと一日で回ったパーティーやイベントが多かったのです! やっぱりフランス人はどこかに行くとゆっくりと過ごしたいので、一晩で何軒も回らないのですね。
でも私は今年友達と同行しあちこち連れて行ってもらいました。

まず初めて楽しんだのは20日の朝一のボジョレー・ヌーヴォーの解禁です。「SOPEXA(フランス食品振興会)」のパーティーでカウント・ダウンし家に帰ったのは……遅い時間でした。その朝一から仕事をし、夜またボジョレー・ヌーボのパーティーに行きました。

まずメルシャンのパーティー。大勢が来てて、いろいろなワインを試飲が出来てとてもよかったです。そこから日本の「日本ヌーヴォーを楽しむ会」のパーティーへ。いや~、びっくりしましたね。あそこも大勢が集まっていて有名人もいっぱいいて、やっぱり皆ワイン好きで「ヌーヴォー」に嵌っていますね。

そこで、私はやっぱりなぜ日本人は「ボジョレー・ヌーヴォー」、「ヌーヴォー」のワインが好きかとずっと思っていました。「ヌーヴォー」ってフランス語でnouveau=新しいの意味です。答えはここにありました。

日本の方々って新しい物(それは最近の傾向かもしれないけど)と「旬」の物が好きじゃないですか。冬になると温泉に行くとか春になると花見するとか夏になると祭りを楽しむとか。決まった時期に楽しむことがフランスよりもあると思います。日本人というのはもうちょっと季節の変化と共に生活していると気がするのですね。

そういうわけで旬の物である今しか楽しめないボジョレー・ヌーヴォーは日本で受けられる確立が高かったかもしれません。

まあ、皆様のお陰で私もボジョレー・ヌーヴォーを楽しめるようになりました。
Merci beaucoup !

 

ではでは、à bientôt♪

ボジョレー・ヌーヴォー、今年の解禁日は11月20日でした。

「SOPEXA」のボジョレー・ヌーヴォーのパーティにて。

メルシャンのボジョレー・ヌーヴォーのパーティ。

そして「日本ヌーヴォーを楽しむ会」のパーティーへ。