島下泰久の世界の車道から – 今週はコレに乗った - 2010年5月30日〜6月5日編 『ポルシェ911カレラRSクラブスポーツ』

(2010.09.14)

この週は仕事のタイミングと諸々の事情で新しいクルマにはまったく乗れず。代わりにと言ってはナンだが、前週にイベント参加のために乗った、普段は出る機会のないウチのクルマを1台、紹介しておこうかと。ま、親バカみたいなもんだと思っていただければ……。
今回は2010年5月30日〜6月5日編です。
 

ポルシェ911カレラRSクラブスポーツ 1995年式 5月26日 富士スピードウェイ

カレラRSとは、一般的なカレラをベースに軽量化や硬めの足まわりなどで、よりスポーティに仕立てたモデル。前後の大きなウイングも後づけではなく標準装備だ。
で、更にそのクラブスポーツになると内装材はほとんど取り払われて足元も天井も鉄板むき出し。室内には横転などの際にボディの変形を防ぐロールケージと呼ばれる筋交いが縦横に入れられている。要するに「走るのは是非、サーキットでどうぞ」という本気入ったモデルである。

普段乗りには適さないこのクルマで参加したのはポルシェジャパン主催の「ポルシェ・ドライビング・エクスペリエンス」。公道ではなかなか発揮できないポルシェの高性能を、サーキットなど安全な場所で、インストラクターの教えを受けつつ試すことのできる人気イベントである。参加したのは初心者向け、経験者向けなどいくつもコースがある中でも人気が高い「G-フォース・トレーニング」。ざっくり言えば、ドリフト練習コースだ。

広い駐車場にパイロンを置いてコースをつくり、はみ出してもスピンしてもぶつかる心配の無い中で走らせたり、水を撒いた広場でタイヤを痛めることなく低い速度でクルマのコントロールの技を磨いたりと、1日たっぷりポルシェを滑らせて走らせることを満喫できるのが、このコース。せっかくの舞台に、せっかくのクルマ。取材と言いつつ、たっぷり楽しんで帰ってしまった。そうそう、参加はすべて自分のポルシェで行なう。「自分のクルマってこんなに走るんだ!」という公道ではなかなかできない体験は目からウロコに違いない。

モータージャーナリストと言っても、実はクルマが大好きで買って売って走ってを繰り返しているような人は、決して多数派ではなかったりする。でもね……大して思い入れの無いものを人に勧められないし、自分は買わないのに「コレは買い!」と言うのも、ちょっと。そんなわけで私はどんどん買って(その分、売って(そして損して))、どんどん走るのだ……と、散財の言い訳でした。