新岡淳のトラディショナル・コスチューム 雨を楽しむ。

(2010.06.15)

昔むかし、新しい長靴や新しい靴を買って貰った時に早く雨が降らないかな〜と心待ちにした記憶がございませんか?

子供心に鬱陶しく面倒な雨は嫌い(何より昔は外に遊びに出られない雨はまさに天敵でした)なのだけれど、新しい長靴を履いて外に出たくて堪らない思いだったことを私は思い出します。

きものが自分で着られるようになられた皆さんは、帯、きもの、長襦袢と揃えていって、羽織やコートまで手に入れた後は、雨対策の準備を始めたりします。

何しろ梅雨という季節は、きもの屋さんにとって、ある意味で商売のチャンスでそこは抜かりなく皆さんにお勧めするので、大切な帯やきものを雨から守るという大義に打ち負かされ、ご購入! という運びになります。

また、比較的価格が手頃なところに設定してあることも、揃える皆さんの気持ちを後押ししてくれるものです。雨用の対策品ですから、濡れても大丈夫設定の商品はそれほど高いものは必要ないという前提の上での品選びですものね。

傘、雨コート、雨用の草履……。実際にはこの程度なのですが、揃ってくると結構皆さん、天気予報を気にしたりされます。

傘は和傘など今の時代にお持ちになる方は勿論いませんが、洋傘でも骨の多いものがきものに似合うようです。確かに傘の中を走る骨の色合いが、着ているものを引き立てる効果があり、きもの姿に拘わらず、きもの用に揃えた傘を

洋服の時にも重宝されたりしているようです。

晴雨兼用草履 裏側には滑り止めが付いているので滑りにくいので安心。

雨用の草履、となると、昔は結構チャチな造りが多かったようで、それこそ2〜3回使用すると飽きてしまうデザインでした。雨で濡れても、抜かるんだところを歩いても というコンセプトが先ですからデザインのバリエーション

まで生産者も手が回らなかった様です。雨の日に集まりがあると帰りの玄関でどの草履が誰のものか分からなくなる という現象が多かった と聞いた事があります。

今は結構な進化を遂げ、普通の草履にもある程度の水耐性が付帯するようになりそれは撥水加工であったり、本体に皮膜を付けたものだったりと、従来のデザインのまま、ある程度の雨に対応できるようになっています。程度の

問題ですが……。面倒な方用には晴雨兼用も出来ていますが、一番の進化は制作側の考え方。雨のためだけの草履を造るようになってくれたのです。

沢山の色柄やデザインから、雨の日の草履を選べるようになったこと。これは雨が待ち遠しいだろう と思わせるような。雨兼用草履(全てご本人の足に合わせて別誂えです。つまりオーダー草履。写真はMサイズ(23〜23.5cm) 24,150円(税込)Lサイズ(24cm〜26cm)とSサイズ(21〜22.5cm)は、同価格 26,560円、いずれも悦文カルチャーサービスでサイズを測ってお作りします。
 

アップルコート紫 このコートがひとつあれば雨の日の心配が半減します。
アップルコートグレー 留めのリボンがとても可愛いでしょ。

そして雨コート。

あめこーとでなく、あまこーと。蓑でもなく、合羽でもなく。

ジャブジャブ洗濯できるものまで揃っています。

雨用のコートはご本人のサイズに合わせて仕立てをします。コートの下になるきものが濡れない様に少し大きめのサイズで仕立てをして、製品には強力な撥水加工をかけますので雨に濡れても大丈夫です。

写真はアップルコートという雨コートで、洗えるタイプのプレタポルテです。サイズはSサイズからLLサイズまで揃っており、悦文カルチャーサービスでもちろん買えます。(20,790円・税込み)

色は紫、黄、黒、ピンク、薄緑の5色あります。この時期は注文が多く欠品が良く出ますのでお早めに!

アップルコート黒 畳んだ時には非常にコンパクト。下の本と比べると極めて小さいことが分かります。

最後に傘。

きものによく似合うものは、骨の多いタイプ。

和傘と呼ばれる専用の傘もありますが、洋傘でも骨が多く大きめなものであればきものに充分似合います。

傘に関しては、本当に色々な価格帯があり、3千円から8万円までを見てきました。

どこが違うのか……実は説明を聞いたのだけれど、私には理解できず取り扱わないことに……いや、ブランドだったりするのですが、私の知らないブランド名を言われても ねぇ。

これだけ揃えば、雨もまた愉し。

ワクワクしながら雨を一緒に待ってみませんか。