仲原かおるの3ステップ英語勉強法 『ポーラー・エクスプレス』で
3ステップ 英語読み聞かせ!

(2011.11.25)

「仲原式3ステップ英語絵本読み聞かせ」メゾットは
同時通訳訓練法でも使われるシャドーイングやディクテーション法を利用します。
今月はクリスマスにぴったりな絵本『ポーラー・エクスプレス』で、3ステップ!
今月のおすすめ英語絵本:

”Polar-Express”
Written and Illustrated by Chris Van Allsburg / ANDERSEN PRESS

『ポーラー・エクスプレス』
作・絵 クリス・ヴァン・オールズバーグ

あらすじ:クリスマスイブの夜、少年の家の前に北極行きの急行列車が止まった!少年はサンタの町へと旅立つ。そこで少年が手に入れたものとは?

絵本の選び方他3ステップ英語勉強法詳細については前回のコラムを参考にしてください。

Chris Van Allsburg ”Polar-Express” / ANDERSEN PRESS 村上春樹による日本語版『急行「北極号」』も話題になりました。


お薦めポイント:
信じる事の素晴らしさを伝えるクリスマスにぴったりの絵本。

子供は列車が大好き! うちの子もそうです……黒い大迫力の蒸気機関車の表紙に舞い上がってしまうでしょう。この話は夜の機関車が描かれている事もあり子供向け絵本には珍しく全体に暗い色調です。夜の暗さの中、吹雪の寒さの中でこそ、希望の灯りは暖かく輝きを増すものですね。

あなたは子供に何を信じ続けて欲しいですか?どういう絵本を選ぶかに親の価値観が反映されますね。この本を読んでいると自分が信じたいのは何なのか? 他の人に信じてもらいたいのは何なのか? と考えてしまいます。

物語には普段は雑務に追われて考えないような根本的な事を考えさせる力があります。絵本の読み聞かせは脳の感情の部分に働きかけるそうです。まだ実体験があまりない子供達。実体験には危険が伴う場合も多いですが、絵本なら想像の世界で冒険する事ができます。寒い冬に温かいココアを飲みながら、お父さんのひざの上で守られている実感を持たせてあげつつ、冒険物語を読んであげるのもいいですね。

絵が素晴らしくて購入したという方も多い本。作家のクリス・ヴァン・オールズバーグはもともと彫刻作家だったらしいのですが、趣味で絵本を描いた所、『The Polar Express』(邦題『急行「北極号」』)で1986年に絵本世界の優秀作品におくられるコルデコット賞を受賞。その他の絵本でも数々の賞を受賞しています。日本語訳は村上春樹さんなんですね。

オバマ大統領も読み聞かせた絵本。

こちらはeuronews.comに掲載されたオバマ大統領がクリスマスに地域の子供たちを訪問して読み聞かせした時の模様です。

President Obama reads Christmas books to children at youth centre

大統領は 「元気?」と子供達に呼びかけたあと、「これは真面目な本だから、上着を脱いで読むぞ!」みたいな事を言いながら子供達の気分を盛り上げてますね。サンタ風に読んだセリフの部分がちょっと気恥ずかしかったのか、途中でちょっと舌を出しながら読んでる所がなんだかお茶目であります!ヨッ、大統領! そう! あのオバマ大統領だって、かつては子供だったし、家に帰れば父親なんだなあ……ってビデオを見ると何だか当たり前の事にほのぼのしてしまいます。

信じる事の素晴らしさを伝えるのに、クリスマスはピッタリの季節です。数あるクリスマス関連絵本からオバマ大統領がこの一冊を選んだのは、「自分を信じて、ついてきて来て欲しい」という国民へのメッセージなのかもしれませんね。リーダーの重要な仕事は進むべき方向を示し希望の光に向かって皆に前進するよう鼓舞すること。細かい施策は官僚の仕事ですから……そして、日本全体が沈んている時代だからこそ父親には家族のリーダーとして頑張って欲しいものです。

 
 

ステップ1:インプット 英語絵本を読みます。
小さい子は読み聞かせで受動的読書を!もしくは朗読CDを一緒に聴いてページをめくりましょう。

本の冒頭の一文です。
“On Christmas Eve, many years ago, I lay quietly in my bed. I did not rustle the sheets. I breathed slowly and silently. I was listening for a sound — a sound a friend had told me I’d never hear — ”

続きは読み聞かせてあげてください! 英語が得意でない方はCDを一緒にききましょう。

 

ステップ2:アクティビティー 言語定着の為に子供と絵本の内容に沿った遊びをする。

子供は教えなくても絵本を読んだりすると、その内容を「ごっこ遊び」します。
絵本を読んだあとは、親子で『ポーラー・エクスプレス』遊びをしてみましょう。絵本やDVDの中に出てきセンテンスを一つでいいので使ってみましょう。それが定着につながります。

例えば、最初のページの“I lay quietly in my bed. I did not rustle the sheets, I breathed slowly and silently.”を映画の冒頭を参考に真似してみてください。

lay quietly in bed 静かにベットに横たわる……という言葉を実体験させます。

did not rustle the sheetsやbreathed slowly and silently……を理解させるためのその逆もやって見せたりしても良いでしょう。
特にまだ小さい子にとって言語理解の為に反対語を利用するのはとても有効な手段です。

物語に登場するホット・ココアを親子で飲んでみるだけでもいいですね!

ステップ3:アウトプットと発展学習 セリフを親子でシャドーイング。

トム・ハンクス主演で映画にもなった『ポーラー・エクスプレス』。トムは父親になったので子供の為にこの作品に出たかったのだそうです。

ある一定上の年齢のお子様には絵本を読んだ後のDVD鑑賞もお勧めです。動きがあるので絵本で読んだ言葉の意味が一目瞭然だからです。映画のセリフを親子でシャドーイング(輪唱のようにあとについて口に出してみる)してみましょう。

英語予告編

大人の為の発展学習:作者の自己紹介ムービー。

こちらは作者、クリス・ヴァン・オールズバーグの自己紹介ビデオ! 絵本を書き始めた経緯について話しています。作者の卒業したアートスクールThe Rhode Island School of Design (RISD)のプロモーションの一環として卒業生が学校生活やその後の創作活動について語るという内容で作られた動画のようです。

英語力のある方はこちらも見てシャドーイングで英語練習してみましょう。TOEIC700点台の人なら完全ではなくてもできるはずです。文法、聴く力、発音、単語全てを総合的に一度で鍛えるのにシャドーイングはぴったりです。さらに力のある方はディクテーション(書き取り)をしてみてください。ただ聞き流すよりも確実に力が付きます。分からない単語は調べて覚えてください。

公的な場所で、見知らぬ第三者の前でも、
臆せず英語を話せるように。

世界の共通語を学ぶのは世界とコミュニケーションする為。日本人に一番欠けているのは言語以前の問題。必要なのは必要以上に文法的間違いや日本人訛りを気にせず「話そう」とする意志だと思います。

発表力を伴った世界の共通語の運用能力を高める為に「世界の絵本読み聞かせ会」のような異文化交流イベントに参加してみましょう。広尾のヨーロッパ連合ビルで『ヨーロッパ絵本クリスマス・パーティー』を開催します。ヨーロッパ各国の絵本をEU各国の代表が読み聞かせ、各国のクリスマス文化について学べます。詳細はホームページで
http://worldreadsforchildren.jimdo.com/