仲原かおるのスローキャリアのすすめ 世界の子育て文化&絵本を尋ねて〜
イスラエル『5つの風船のおはなし』

(2011.07.18)


 
 
子供の頃から本が大好きだった私。アメリカの大学では映画学科で神話学をかじり、いつか世界のお話を聞いてみたいと思っていました。世界の子育て文化や絵本について、噂ではなく、その国を代表する方に直接聞きたくて各国駐日大使館巡りをしています。
 
 
 

イスラエル大使館 広報官ミハル・タルさん宅へ
今回はイスラエル大使館の広報官ミハル・タルさんのご自宅に家族でご招待頂きました。これまで、子供時代を一時過ごしたアメリカ、外交官として赴任したインド、韓国などなど各国で生活した経験のあるミハルさんに、イスラエルのお話『5つのふうせんのおはなし』を読み聞かせいただき、その後たっぷり子育て話を伺いました。

イスラエル 基礎情報

国名:イスラエル国 (מדינת ישראלメディナット・イスラエル)通称イスラエル
首都:エルサレム 
人口: 7,170,000人(2008年)
言語:ヘブライ語、 アラビア語
通貨: 1 イスラエル 新シェケル = 24.06円(2011年4月25日現在)
トリビア: 北にレバノン、北東にシリア、東にヨルダン、南西にエジプトと接する。西側は 地中海である。ヨルダンとの国境付近に、世界的にも高濃度の塩湖である 死海がある。

国土も狭く天然資源も豊富ではない(最近ガス田が発見されました)、政治的にも難問を抱えるイスラエル。国民全体が危機意識を持って教育に力を入れてきた。現在では世界の優良企業の研究開発施設等が集中するハイテク国家に発展した。

参考:Wikipedia イスラエル国 

おはなし

おはなしのタイトル:『5つのふうせんのおはなし』(Ma’ase Bechamisha Balonim マアセ ベハミシャ バロニィム』(カタカナ発音表記&日本)

本を読んでくれる人:ミハル・タルさん 3人の子どもの母親でもあるミハルさんご覧の通り、顔がとってもちっちゃくてスタイル抜群、美人ママ広報官。

あらすじ:5つの風船をもらった五人の子供達、赤い風船は猫に引っかかれて、黄色い風船は風に飛ばされて、紫の風船は空気を入れすぎて、黄色い風船は大切するあまりきつく抱きしめすぎて……それぞれわれてしまう。でも人生ってそういうもの……。なんだか子供ではなく大人に向けた寓話のようなお話でした。

子育てあれこれ談義
イスラエルは早期教育が盛ん!?

「早期教育にも熱心な国」と評されている事が多いイスラエル。早速ミハルさんに確認してみました。

ミハルさん:「お勉強を教えるのではなく、幼児の場合は五感を適度に刺激する事を重要視しています。それによって発達が促されるのです。近所の母親たちが乳幼児をつれて集まるコミュニティーセンターで、フィンガーペインティングなどを親子で楽しみます。読み聞かせや語りかけは当然ですし、子供達同士で遊ばせたり、童謡もたっぷり歌ってあげます」

子供には冒険をさせる。
「過保護になるのが一番良くないですね。大怪我や事故にならないように見守りつつも、最大限子供の意思や自発的欲求を尊重する。失敗も成功も、子ども自身が学ぶのを邪魔しない」というのがミハルさんの子育てスタンス。

子供に「転ばぬ先の杖」は要らない。知識より実体験から学んだ智恵をつけさせよう。

教育を重視しているというイスラエルですが、「大学を含め殆どの学校は公立で親の負担は軽い」そうです。「イスラエルでは高卒後兵役につき、その後一年ほどのギャップイヤーで世界旅行に出て見聞を広めてから大学入学する人が多い」という事でした。そういう経験もイスラエル人の独立・企業家精神を培っているのかも知れません。イスラエルの子育てとは、早期教育や受験に拘らず、成長過程全般におけるチャレンジ精神や自立心を育てることを重要視している印象を受けました。


参加者募集中!
The World Reads for Childrenでは毎月、各国外交官が絵本を読み聞かせたり、子育て文化について話してくれる会を開催しています。親子や教育関係者が参加しています。大人限定「世界の書籍朗読会」も企画中。詳細は『世界の絵本読み聞かせ会』ホームページでどうぞ!