加納忠幸のワイン飲もうよ 新進女性醸造家始動! [その2]

(2008.12.02)

畑を案内していただいた後は、中央葡萄酒 ミサワワイナリーへ移動。
ワイナリーの中を案内していただきます。

中央葡萄酒は、衛生管理に大変気を使っており、
ワイナリーに入ると最初に靴を用意された長靴に履き替えます。
 
入るとすぐ、このワイナリーができた直後に見学した時にはなかった、
直径50〜60cmのバスケット・プレス(搾汁器)

や選果台

があり、
良いワインを造るための設備の充実が進んでいることが感じられます。
特に手間隙とコストがかかる選果台があるワイナリーは
日本ではあまり多くないのではないでしょうか。

今年の仕込みはすべて終わっており、
醸造途中のワインを見せていただきました。

こちらは開放の木桶で醸造中のカベルネ・ソーヴィニヨン。
香りを嗅がせていただきました。
すでに将来が楽しみな香りがあがってきます。
なお、この桶の周りのダンボールは保温用の壁。

シャルドネは樽発酵を終えたところ。

畑のブロックごとに別々に仕込んでいるそうで
それぞれの樽を試飲させていただきました。
北の畑のシャルドネは酸がきれい、
南の畑のシャルドネは、よりボディーがある。
仕込んだばかりのワインとは思えないほどの完成度の高さでした。

その他、スパークリングワインを造るために
実験的に仕込んでいる白仕立てのピノ・ノワールや
ストーブ暖房している部屋にある樽熟成中のメルロー、
試験醸造中のワインなど
ありとあらゆるワインを試飲させていただきました。

彩奈さんの「自分で仕込んだものを全部見てもらいたい」
という気持ちが伝わってきます。

見学の後はいよいよ試飲。

当初いただいたワインリストでは、辛口白4本、赤3本、
そして甘口白1本の予定でしたが、
後から後から、「これも試飲してください」と試飲することになり、
結果としては発売していない秘蔵のワインも含め、
予定の2倍近くのワインを試飲することに。

中央葡萄酒のすべてを知ってほしいという、
彩奈さんの気持ちが、十分伝わってきた試飲でした。

休日の日曜に訪問することには躊躇していたのですが、
彩奈さんは今年はほとんど休みを取っていないとのこと。
ワインづくりが楽しくてしょうがないといった印象を受けました。

私が28歳の頃といえば、サラリーマン生活で、
有給休暇をいかに消化して遊ぼうかということばかり
考えていたような気がして、ずいぶんな違いを感じます。

彩奈さんは髪を後ろにまとめて、化粧っ気もなく、
右小指にはタンクから落ちて怪我をしたので絆創膏を巻いて、
ワインについて話すときには大変活き活きしている。

これからの中央葡萄酒 ミサワワイナリーが大変楽しみです。

 

中央葡萄酒 ミサワワイナリー
山梨県北杜市明野町上手11984-1
Tel: 0551-25-4485

 

中央葡萄酒
中央葡萄酒には、本社ワイナリー、ミサワワイナリー、千歳ワイナリーがあります。

 

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