山本貴代の“女の欲望グツグツ” 人は、何分くらいからイライラし始めるか? イライラ定点観測隊!

(2008.09.22)

毎朝、満員電車に乗っていると、なんだか自分がモノになったような気がしてきます。
朝の一番のラッシュ時などに乗り合わせてしまうと、しかもそれが急行だったりすると、駅員さんたちも、遠慮することなく乗客を車両に押し込んでいきます。これでもか、これでもか、と。その光景は、タイムサービス時の、スーパーのつめ放題をしている主婦の姿にも重なります。ビニールをのばして、のばして、破れないように……。私たち乗客ソーセージは、柔らかな物体となり、車両というビニール袋へ詰め込まれていきます。ビニール袋の中では、無言の壮絶な戦いが繰り広げられていることも知らず(こういうとき、人間の本性が垣間見られます)、駅員たちは、これまた無言で押し込みます。

それにしても、日本人とは、なんと穏やかな生き物でしょう。と皆さんも思いませんか。誰一人、文句を言うこともなく、静かに押し込まれていくのですから。イライラしたりしないのかしら……。

さて、イライラつながりで、今日は、そんな都会人たちの「イライラ時間」というものを紹介しましょう。博報堂生活総研では、いろんなことに対して、人は、何分くらいからイライラし始めるか、という定点調査を長年続けています。

たとえば、「スーパーのレジで並んで待っている時間」。これは、平均すると、みなさん、6.57分からイライラし始めるようです。「結婚式などでスピーチを聞いている時間」は、12.13分からイライラ、「電車がくるのを待っている時間」は、11.17分からイライラし始めます。「約束の時間を過ぎて友人を待っている時間」は、20.12分からイライラです。この中では、待ち合わせが一番耐えられるようですね。携帯電話の普及により、一定の場所で待ち合わせるということが少なくなってきてはいますが、それでも、20分が限界です。気をつけたいものです。ちなみに、男性より、女性のが、それぞれ平均1分以上はイライラが遅くやってきます。やはり女性は忍耐強いのです。その昔、あみんが歌った「わたし、ま~つ~わっ」のメロディーが脳裏をよぎりますが、あれは、何分まったのでしょうか。まさか、20分以内ではないでしょうね。
※文中のデータは、「生活定点2006」より

スーパーのレジでは平均6.57分からイライラし始めるようです。

スーパーのレジでは平均6.57分からイライラし始めるようです。

イラスト/ちば えん