北原徹のバカ買い! Smells Like Teen Spirit - 41- HOLGA。
(2010.01.22)男という生き物は、強引に突き詰めていくと、”物が好き”ということでくくれてしまうのではないか、と思ってみたり。
ただ、厄介なのが、物が好き、という単純な想いが人それぞれあまりにも違うのである。
それは質とも言えるし、量とも言えるし、頭の構造かもしれないし、心の持ちようかもしれない。
ぼくは物が好きであるけれど、そしてすべからく男がそうであるように、物を集める種類の輩ではあるけれども、その内容に対してあまり深入りしないようにしている。
デジタルカメラを購入した時もそうだった、おそらく昔ながらのやり方で買ってしまった。まず店に行く→何となく店員におすすめを尋ねる→カタログを数社、手当たり次第抜いてくる→家で眺めるも、読みやしない→また店に行く→何となく店員に(少しだけテーマを決めて)おすすめを尋く→「最終的にはお客さんがどういう使い方をするかなんですよね」と言われる→しばらく悩む→結局、悩めど大した考えもなく、ぼぉぉぉ〜とする→というよりは呆然としている→今まで見たり、聞いたり、カタログを眺めたことのなど無視して、店頭に並ぶ機種を再び見る→値段とデザインに注目する→デザインコストパフォーマンスのいいものを探す。
そして、買う。
えらい長い原稿を書いた訳だけれど、あれこれ悩んだり、考えたり、カタログ集めたり、ハナクソほじったりする時間はとても無駄だということが判明する。
最初から、デザインコストパフォーマンスのいいものを探して、とっとと買えばいいのである。
大体、デジタルカメラでもひとつ買ってみるか、と思った時から、ほぼ結論は決まっているようなものである。そして、最初に店に行って、店員に話かける前に並んでいるデジタルカメラの品定めをしている、その時にだいたい“コレ”買う気がする。なんてことを思っているのである。
まぁ、どうでもいいような時間を、おそらく1日、2日は無駄にしている。
無駄にしているんだけれども、これがいいんだ。”あれもいいかも” “これもいいかも”と思い悩んでいる時間に、不思議にも”男という生き物”であることを感じてしまうのだ。
そんな訳で「HOLGA」である。
トイカメラブームがあって、10年くらい前だったであろうか、宿命的に買った。
ロモブームでもあったけれど、何でかわからんが「HOLGA」しかいいと思えなかった。
デザインコストパフォーマンス。
何気なく書いてしまったけれど、あらゆるスペックを凌駕するぼくの価値観なんだと思う。そもそも、カメラといてはかなりいい加減なものなのだから、悩む必要だってないんだと思っている。
とは言え、いつの間にか、インスタントフィルムが撮れるタイプも出たりして、何度か買ってみたり、壊してみたりしながらも「HOLGA」を買っている。
ライカやハッセル、またローライフレックスといった名機と呼ばれるものとはまったく違った良さがある。
今回はハッセルで「HOLGA」を撮ってみた。デザインパフォーマンス(コスト抜き)は、みんなの目にどう映っているのだろうか?