北原徹のバカ買い! Smells Like Teen Spirit - 28 - 基礎が人間を成長させる。<ナンバーナイン>のボクサーパンツ。宮下貴裕さんの哲学……その3。ーー中途半端な状態の君に贈ります。

(2009.10.08)

一道に秀でる者、すべての道に通ず。
何の書物だったかは、すっかり忘却の彼方。それは多分、古典文学の中にあって、國學院大学文学部文学科国文学専攻のぼくの記憶に妙に焼き付いて、今もコゲのようにこびり着き、残っている。

今、ぼくはつくづくこの言葉を大切にしなければいけない時代なのではないか、と思っているのだ。

それは、まさしく“基礎”を作る時代でもあるのではなかろうか?

人は、本当にいろんなことや、所謂“壁”にぶち当たったり、急に会社が潰れたり、突然給料が減ったり、仕事にくすぶってみたり、もちろん学校でもいろんな軋轢を感じたり、将来に対して先が見えなくなったり、恋に破れて自暴自棄になったり、くすぶったり、甘酸っぱい想いや切ない想いに胸が押しつぶされそうになったり……その他の人たちだってくすぶってみたり、未来が儚く見えてきたりして、それでも踏ん張って生きて……。

不安という“闇”の中で、一筋の光明を見つけようと、必死にもがきながらも、結局のところ、さ迷うしかないのも確かなことだ。

その不安を少しでもなくすもの。不安との闘いに持っている武器が基礎なのではないだろうか?

そして、先達が言うように“一道に秀でる”ことこそが基礎なのだと思う。

音楽で言えばベース。建築で言えば基礎工事。人間ならば魂とでも言うのだろうか? 

矢沢永吉さんは、11月21日に公開される映画『E・YAZAWA ROCK』の中で、“一つ、強力に熱いものがあったら、それは、それでもう充分なんだという事が、一年やめてみて思いましたね。……ぼくには何があるんだ? そう、音楽があるんだ”とおっしゃっている。

『E・YAZAWA ROCK』11月21日(土) 新宿バルト9 ほか全国ロードショー Ⓒ2009 映画「ROCK」製作委員会

ロックの神様が、古典と同じことを、もっと熱く、ぼくらにわかりやすい言葉に代えて言ってくれている。

若き大学生やそのちょっと上の人たちと話していて、“何かできると思うんです!”と言う。それは“何もできない“と同意義なのだ。“いろんなこと、マルチにできるんです、ぼくは”と言う。それも“何もできない”と言っているも同然なのだ。

矢沢さんは、映画の中でこんなことも言っていた。

“20代でさ、本当にやらなきゃパスポートもらえないんだよ、30代の”。

シビレる。そして、言葉にもの凄い重みがあるではないか!

若いから何でもやる、のでは、結局何も残らないのだ。

まずは選べ! 何をすべきなのか、を。

“選ぶ”という“力”は、必ずきみの役に立つのだ。その行為が自分の中途半端を少しでも拭ってくれるだろう。

恋愛だって、そうなのだ。

選べないから、と何人もの男をキープする女。保険男が携帯のアドレス帳を賑わせる。男にもいるだろう。

だが、そんなもの、人生の何の役にも立たない。肉体も、精神も消耗し、ささくれ立った心になってしまうだけなのだ。

人を好きになって、狂うほど惚れて、相手を心底信じる。ただ、それだけが、恋愛においての“一道に秀でる者”なのだ。

それがまた基礎なのだ。

基礎、ベース、ファンデーション、とくれば下着であろう。ん? 強引? そんなことはないと思う。それは<ナンバーナイン>のショーの話を聞いて、つくづく思った。

<ナンバーナイン>の宮下貴裕さんは、ショーに出演してもらうモデルたちに、まず<ナンバーナイン>のボクサーパンツに履き替えてもらう。

これが大事なんだ。

着る、という行為における基礎は“下着”なのだと。

だが、下着に妙に金をかけるのも何だかなあ、と思う。

特に勝負下着とか、勝負パンツ。

バッカじゃねえの? と言いたい。

デザインだ、何だかんだいう前に、自分にいかにフィットし、自分の体を心地よくしてくれ、人に見せなくても、自分に勇気と自信を与えてくれる下着を身につけていれば、それでサイコー! なんではないのか?

何も、安くて、何でもいい、と言っている訳ではもちろん、ない。

ユーミンの曲ではないが、“今日に限って“ということがないようにいつも、自分に合った下着をはいていれば、それでいいのだ。

自分に合った下着が見つかれば、自づと人生も、自分に合った生き方が見つかる気がしてならない。

<カルバン・クライン><ヒステリック・グラマー><ラッド・ミュージシャン><コム デ ギャルソン・シャツ>あたりが、ぼくのそんなフェイバリットパンツ。ジャストフィットパンツなのだが、なかでも<ナンバーナイン>はかなりぼくの体にフィット!

もう買えなくなるので、4色各3枚、バカ買いしました。

若いうちに、ひとつのことに熱中して、闇雲に走ってみると、それがいつの間にか、“身についている”。

若いからいろんなことに目移りしてしまうのもわかるけれど、プロのアスリートみたいに“体がわかっている”的なこと、つまり基礎体力みたいなものを身につけるためにも、20代、ひとつのことをやり遂げ、かぶれてみるのだ。

14、5年やり抜いてみると、何でもできる気がしてくれるはずだ。ぜんぜん、遅くない。

そして、その時からが自分を拓く扉を開けるチャンスなのだ。

今回、ちょっとエラそうな文章になってますが、本人はいまだくすぶっています。中途半端です、本人がイチバン中途半端……。原稿はクリックで拡大します。
昨晩は都内某所にて、本気で男飲み。
気の置けない仲間で鼎談。話題は写真、洋服、思想、映画……
そして「カラダ」について。
最近頚椎と背骨の噛み合わせが悪いんですよね、でも整骨院とかには行ったりしません
ただひたすら姿勢をよくする、胸を張って……。
目指すは「オードリー」の春日氏の姿勢です。