向後千里のArt Life 食を通じたコミュニケーション、食空間の提案『よい食フォーラムin SWU』

(2010.07.23)

あと数日で、『よい食フォーラムin SWU』の開催当日となる。食べて身体の栄養になるだけでなく、心の栄養を得るために私たちはどうすればいいのか?

そういう自問自答の中で得た答えが、7月25日(日)に開催されるシンポジウムで各専門分野の先生や農業生産者の方によってデスカッションされる。冒頭では、「女性の品格」で有名な昭和女子大学学長 坂東眞理子教授の講演も行われる。

そして、話だけでなく実際に体験を行い、少しでも食べ物に対する興味や関心が深くなるよう、子供たちと学生、先生方が参加して行われるワークショップも色々と開催されることになっている。

何を隠そう私も環境デザイン学科の友田研究室の面々と、この数カ月間ああでもない、こうでもないと議論を行ってきた。

食に対する思いは人それぞれではあるが、食の射程範囲は広い。農作物はそれだけでは食べ物とはならない。食べられる状態に洗ったり料理をする人がいて、そして料理を盛る器、食べる道具である箸がなければ食べることもできない。またそれを運ぶ人の存在も重要だ。また食べる場所とその場所の雰囲気も大切である。このテーマについては「言語」2008年1月号のコラムでも少し書かせていただいた。

さて、久しぶりのワークショップ。どんな食卓を皆さんと作れるか楽しみである。

そして、日本に育った私たちにとって、日本の食とはどういうものだろう? そんなことを一人一人が考える力になってくれればと思う。今回、食のコミュニケーターとして、坂東学長、各分野の先生、運営スタッフの方々と作り上げてきたこのプロジェクトに対する思いは様々である。

私がいつも自問する問いの1つである「日本の食」。これからも様々な形の実験的な試みを行って、ワークショップに参加していただく皆さんと一緒に考えていこうと思っている。

よい食フォーラムin SWU http://www.yoi-shoku.jp/event/2010-07/251_detail.php