遠藤伸雄のAgenda Musicale 『オフィーリアの歌を辿って』 ~ユニークなコンサートへのお誘い~

(2009.03.18)

今年2009年は様々な音楽家のアニバーサリー・イヤーに当たります。
ハイドンの没後200周年(『遠藤伸雄のAgenda Musicale』2009/01/29up分参照)、アルベニスの没後100周年 (同 2008/11/06up分参照)、メンデルスゾーンの生誕200周年、ビル・エバンス生誕80周年などなど(ちなみにコラム子の生誕60周年ですが、関係ないですね?!)。

又イギリス関係では、ヘンリー・パーセルの生誕350周年、ゲオルク・フリードリヒ・ヘンデルの没後250周年となっています(ブライアン・ジョーンズ[R.ストーンズの初代リーダー]の没後40周年でもある)。

そのパーセルとヘンデルの曲を中心とした、興味深い演奏会が4月に東京・名古屋・大阪(高槻)で行われます。
『オフィーリアの歌を辿って……イギリスバロック狂乱歌の歴史』と題されたコンサートは、『雑歌屋1789』のメンバーによるもので、パリ在住の戸田昭子さんのソプラノと広島在住・長崎美穂子さんのチェンバロの演奏に、ロンドン在住の音楽学者松本直美さんのお話があります(『雑歌屋1789』や出演者詳細については、後記の戸田さんのサイトを参照願います)。

テーマは、シェークスピアの『ハムレット』でオフィーリアが歌うシーンが嚆矢ともされ、その後の演劇史や音楽史に大きな影響を与えた『狂乱歌』の歴史を辿るもので、オペラやカンタータのアリア(日本初演の楽曲もあり)とともに、イギリスにのみ現存する関連史料や絵画のスライド映写を用い、最新の学術的研究も生かした解説がつき、イギリスバロック期の文化のアンソロジーを構成していく、というものです。

『狂乱歌』と言っても、筆者は浅学ながら、ドニゼッティの『ランメルモールのルチア』の中の『狂乱の場』のアリアや歌舞伎の『お夏狂乱』ぐらいしか、馴染みがないので、今回の公演をとても楽しみにしています。興味をお持ちの方は、是非戸田さんのサイトにアクセスしてみて下さい。

因みに、戸田昭子さんは、声楽教授フランス国家資格を取得されている声楽家で、長年フランスを中心にヨーロッパで活躍中。各地でのバロック・オペラ出演の他、古楽アンサンブル“ル・コンセール・スピリチュエル“(エルヴェ・ニケ指揮) のメンバーとして、CD録音にも参加。シャルパンティエのレクイエム(NAXOS 8.553173)では、第二ソロもとっている素晴らしいソプラノです。又、オペラやバロック曲にとどまらず、シャンソンやジャズまで、とても広いレパートリーをお持ちです。
筆者は、大昔所属していた名古屋の声楽アンサブル『コール・コラーレ』繋がりで、存知あげています。

『雑歌屋1789』コンサート・スケジュール:
4月16日(木)7:00pm 東京/オペラシティ近江楽堂
4月18日(土)2:00pm 名古屋/電気文化会館イベントホール
4月20日(月)7:00pm 大阪(高槻)/高槻現代劇場レセプションルーム

戸田昭子さんのサイト 『雑歌家パリ便り』

尚、『雑歌屋1789』さんの御好意で、上記三公演にそれぞれペア3組様をご招待いただける、との
ことです。ダカーポのプレゼントページをご覧下さい。

 

『雑歌屋1789』のメンバーによる『オフィーリアの歌を辿って……イギリスバロック狂乱歌の歴史』と題されたコンサート。
『雑歌屋1789』のソプラノはパリ在住の戸田昭子さん。
同じくチェンバロの演奏は広島在住・長崎美穂子さん。
お話はロンドン在住の音楽学者松本直美さん。