加納忠幸のワイン飲もうよ リーデルに関するちょっとマニアックなお話

(2009.04.09)

リーデルといえば、ワインをおいしく飲むことだけを目的にデザインされたワイングラスとして、確たる地位を築いていることは、このコラムの読者の方もご存知のことと思います。

そしてグラスがリーデルの製品であることの証としてワイングラスのベース(ワインを入れる部分をball、足の部分を stem、足の下の丸い部分をbaseといいます)の部分にリーデル社の刻印がついています。

最近ワイングラスを見るとこのベースの部分にメーカーの名前が刻印されているものを見る機会が多くなりましたが、私が知っている限り、このベースの部分に刻印を始めたのはリーデルが最初なのではないかと思います。

さて、実はその刻印に仕掛けがあります。現在では上の写真のように「RIEDEL」
という文字が刻まれていますが、10年ほど前までは刻印の形が、グラスを作った年によって微妙に異なっていたのです。

以前のリーデルグラスにつけられていた刻印はこちら。

実はこの刻印がつくられた年によって異なるのです。

1995年まで、すべてのグラスにこのタイプのマークがついていました。

1996年、ソムリエシリーズやほかのハンドメイド製品が筆記体になりました。

2001年、マシンメイド製品のマークの横にRIEDELという文字が入りました。

 そして、下記刻印をご覧ください。年によって微妙に異なっていますね。
ちなみに、上の写真のグラスは96年製だということがわかります。

リーデルのちょっと古いグラスをお持ちの方はすぐチェック、お持ちでない方
も外でワインを飲まれるときにちょっとチェックしてみませんか。

ところで、この年によって異なるグラスの刻印も、刻印を変えるのが大変になったのか、そこまで変える意味がなくなったのか、最近では普通に「RIEDEL」の文字だけになってしまっているようです。