加納忠幸のワイン飲もうよ 月山ワイン@山形県鶴岡市(その2)

(2010.06.03)

月山ワインのワイナリーは
鶴岡市と山形市を結ぶ国道112号線沿い、
道の駅月山にあります。

今回は鶴岡市方面から向かいましたが、
途中道沿いに地元の食材を使ったイタリアンで有名な、
『アル・ケッチャーノ』を発見。

実は、事前にお昼の予約を入れようと思ったところ、
この日は貸切となっており予約が出来ずに断念。

『アル・ケッチャーノ』を通り過ぎて平野部から山間部に入り、
かなり走ったところに道の駅月山がありました。

さて、前回の続きで畑を見た後、今回はワイナリーを見学。

ワイナリーは渓谷沿いに建っており、
ワイナリーの前の国道が出来る前は、
渓谷を渡った反対側のトンネルが国道だったとのこと。
そのトンネルがワインの貯蔵所になっているとのことで、
トンネルをまず見学。

ワイナリーからこのつり橋を渡ってトンネルへ向かいます。

つり橋の真ん中に、こんな看板が。
なんと、このつり橋「ふれあい橋」が
日本のバンジージャンプ発祥の地なのだそうです。

ただ5年ほど前に、
下で飛び降りた人を受けるボート係の人がなくなる事故があり
現在は行われていないとのこと。

トンネルの中では、樽や

瓶が熟成の時を刻んでいました。
温度は年間を通じてあまり変わらず、
ワインの保存に最適とのこと。

こちらはワイナリーの中の醸造施設。
一村一品運動の一環で地元にたくさんある山ぶどうからワインを造ろうと、
農協が主体となって昭和54年に製造開始したワイナリーということで、
醸造設備はちょっと古め。

このちょっと古めの醸造設備を駆使して
阿部さんは美味しいワインを作り出しているのです。

特に発酵のときの温度管理には
自作のジャケットをタンクに巻いて
コントロールをすることも。

また、白ワインについては酸化に気を使い
絞った果汁については炭酸ガスでふたをして
酸化を防いでいるとのこと。

見学の後はいよいよ試飲。
試飲場所は、なんと、社長室でした。
窓から渓谷を望むことができ、
大変明るい部屋です。

試飲したワインはこの4種類。
右から、

・ソレイユ・ルバン甲州シュール・リー 2009
・ソレイユ・ルバン Seibel 9110 シュール・リー 2009
・月のささやき 山ソービニオン 2008
・ソレイユ・ルバン ルージュ 2008

甲州は、まだつくり方が決まっておらず、
毎年少しずつ違っているとのこと。
2008は補糖を少し多めにして厚みを出したのだそうですが、
試飲した2009はそれよりも繊細さを強調するため補糖も少なめ。

数日前に瓶詰めしたばかりという甲州ですが、
りんごやみかんのようなフレッシュな香りで、酸が非常にきれい、
勝沼の甲州にはない、爽やかなタイプの甲州です。
(ちなみに、ボルドー液もずいぶん前から使っていないとのことです。)

セイベルも爽やかなのですが、
後味にちょっと違和感有。

月のささやきは、山葡萄とカベルネを掛け合わせた
山ソーヴィニヨンからできたワインですが、
柔らかな味わいの赤。

糖度も上がり酸もしっかりしているぶどうなのだそうですが、
MLFをかけて酸をやわらかくしているとのこと。

ソレイユ・ルバン赤は、山ぶどうにカベルネをブレンドしたワイン。
カベルネをブレンドすることによって味に深みが出ています。
ジビエとの相性が良さそう。

それにしても日曜にもかかわらず
ゆっくりご案内いただき、
阿部さんのワインづくりに対する真摯な姿勢を
大変強く感じることができました。

これからどんどん良くなっていくワイナリーだと確信しています。

 

月山ワイン山ぶどう研究所

http://www.gassan-wine.com/
住所:山形県鶴岡市越中山字名平3-1
Tel: 0235-53-2789