ボンジュール、ムッシュ エ マダム。
ご機嫌よろしくって？

ゴールデンウイークは楽しめた？
5月って、ほんとに気持ちのいい季節よね!?
新芽が出てきて、緑が深くなっていって、
風が爽やかで、日差しが柔らかくて、
アタシの一番好きな季節なのよ！

鳥の声を聞きながら、窓を開け放したテラスで、
レースを揺らす風に撫でてもらいながらの昼寝は贅沢よね～。

ウトウトしているまぶたの裏で、
木漏れ日の影が遊ぶさまを感じるのは、
もう最高の幸せ!!

あらやだ、考えてただけで、パソコンの指が止まって、
ぜんぜん先へ進んでないじゃないのよ!?
あ～ん、やっぱり現実は目をつぶっていたら出来ないのよね～。(笑)

さてさて今回は、そんな理想と現実の話じゃないけど、
物事には表と裏、陰と陽があって、
どちらから一方向から見るだけが事実じゃなくて、
角度を変えるだけで、まったく違う世界がそこにあるって、
そう教えてくれる絵本を紹介するわね。

絵本『光の旅 かげの旅』 評論社刊

アン・ジョナスさんの『光の旅 かげの旅』がそうよ。

お話はね、明け方に車で家を出て、いろんな景色の中を走り、
街までやって来て、日が沈みましたとさってだけなんだけど……。

でも、今度は本を逆さまにして、ページを戻っていくと、
さっきとはまったく違った風景のなかを家まで帰って行くという、
白と黒だけの絵で展開される、不思議な絵本なの。

はっきり言って、絵本としては面白くないのよ。(笑)
でも、この絵本の世界を違った角度から味わってみると、深いのよ～。

もしかしたら、アタシたちの人生もいっしょで、反対側から見たら、
また違った人生が隠れているかもって思わせてくれるのよ。

だって、同じ絵を逆さまから見るだけで、
まったく違う世界がそこに現れるんですもの。

うん？　待って、待って、逆さまって表現は正しくないわね。
「逆さ」って言うことは、
こっちが「正しい」っていう前提があるんですものね。
考えてみたらそれは変よね？

だって、だって、知ってる？
アタシたちの使っている世界地図は北極が上になっているわよね？
でもね、南半球の国では、南極が上の地図が当たり前なのよ！

どう？ どっちが正しいなんて言えないわよね？
だって、宇宙には上も下も、右も左もないんですもの！
都合のいいように人間がルールを作ってるだけですもの。

つまり、このルールや決まりごと、常識ってやつに、
必要以上に囚われたりしたらだめってことよね。

便利だけど、それこそ絶対的なものじゃないものね。

極端な言い方だけど、一人殺したら「殺人者」だけど、
戦争で多くの人を殺したら「英雄」っていう時代もあったのよ。

まあ、その戦争ですら、平和の大切さ、命の尊さを、
世界中の人々に深く深く伝えてくれたのかも知れないし、
マザーテレサさん、ガンジーさん、キング牧師さんたちも、
多くの不幸や仕打ちの中から、立ち上がった人たちですものね。

何でもそうなのよ。
表があれば裏もある。
プラスがあればマイナスもある。
光があれば陰がある。
どちらか片方だけで存在しているものってないのよ。

世界は、必ず同じ量の正反対なものと一対でしか成立できないのよ。

あなただって、メイクばっちりにブランド物着て外出するときと、
家で一人のジャージ姿は違うでしょ？

酔って騒いで、出入り禁止の店があるかと思えば、
中島みゆきを聞きながら膝を抱える夜もあるんでしょ？

まあ例えがどうかと思うけど(笑)、
どっちが本当のあなたなの？って言われてもって感じでしょ？
結局、どっちもあなたなのよ。

いろんな面を持ち合わせて、あなたなのよ。
地球と一緒で、たまたま昼間の国が表に見えているだけなのよ。

そう、大切なことは、どこに陽をあてるかだけよ。

だから心配しないで、あなたの人に言えないあんなことも、こんなことも、
きっとどこかで何かの役に立ってるのよ。そうよ、きっとそうよ……。
ってか、役に立てなさいよ！(笑)

ダメだと感じてることも、直したいって思ってることも、
その裏側に、その奥底に隠れている、あなたらしさ、あなたならではの、
そんな入口になってたりするものよ。
だから気になっちゃうのよ、目についてしょうがないのよ。

だとしたら、今度からは歓迎しましょうよ。
いやな事が起こったり、良からぬことを思ったりしたら、
あらっ、いい事が起こる前兆？  成長するチャンス？ ってね。

アタシは、これを「ポストカードの裏表」って呼んでいるのよ。

だって、ポストカードって、片面だけじゃ物理的に成立しないでしょ？
必ずその反対側に同じ大きさの面が必要じゃない！

だから私は知っているのよ。
不幸せなことを並べさせたらきりがない……そんなあんたが、
無関心、無感動、無気力……そんなあなたでも、
その裏に、その奥に、大きな大きな、「幸せ」と「愛」を秘めていることを。

じゃ、次回も「幸せ」の面でお会いしましょうね。