Information TOTO グリーンストーリー - 5 - 冷めないお風呂「魔法びん浴槽」が、お風呂の常識を変えた。

(2011.01.13)

2004年にTOTOから発売された「魔法びん浴槽」は
2重断熱構造で長時間お風呂の湯が冷めない
業界でも大きな話題になった革新的な新商品でした。
いまではフォロワーが次々に登場して
冷めないお風呂はTOTOだけのものではなくなりました。
eco意識を先取りした環境配慮商品として
いま、改めて注目されています。
お風呂に対する世の中の常識を鮮やかに変えた
開発者の北角俊実さんが語ります。

 

生活を変える力がないと冷めないお風呂は意味がない。

「カラリ床」が予想外にヒットしたので
さあ、次はどんな風呂を作る、どんな切り口にする?
いろんな人に聞かれるようになりました。
そう簡単にアイデアが浮かぶものではなく、
答えられないから逃げてばかり(笑)。
これじゃいかんと自宅のお風呂につかりながら
快適なお風呂の条件を考えてみました。
まずは充分な広さと清潔な環境。
これはTOTOですでに取り組んでいて成果も出ています。
じゃあったかいお湯、これはどうだ?
とても大事なポイントのはずなのに
当時、保温性をうたった浴槽はなかった。
調べてみたら、過去にあることはあったのですが
なぜかどれも消えてしまっている。
それは性能がいまひとつだったからではないか。
たとえば20%保温性がアップ。
10度冷めるものを8度まで改善したからといっても
追い焚きが必要なことには変わりない。
これでは開発者の自己満足で終わってしまいます。
「冷めないお風呂」なら追い焚きが必要ないレベルにしないと。
だってお風呂の湯が冷めないうちに入らなきゃいけない。
この強迫観念ってすごいストレスじゃないですか。
子供の頃、ドラえもんを見ているのに
「冷めちゃうから早く入って~」と母親に追い立てられていた。
あのときの悔しい思いが忘れられない(笑)。
人がイニシアチブを取れるお風呂なら生活が変わる。
いつでも入れる「冷めないお風呂」を作ろうと決めました。(続きを読む)

 

北角 俊実(きたかど としみ)浴室開発部 開発企画グループ/主席技師1990年TOTO株式会社に入社。入社以来20年間、ユニットバスひとすじ。2000年には「カラリ床」を開発し大ヒット。2004年発売の「魔法びん浴槽」は省エネ大賞を受賞。
「冷めないお風呂」は悔しい思い出へのリベンジだった。

『TOTOグリーンストーリー』

快適な暮らしとエコロジーを同時に追求するTOTOのグリーンへの想いを紹介します。