島下泰久の世界の車道から – 今週はコレに乗った - 2010年6月27日〜7月3日編 『レクサスLF-A』『ロータス エキシージ』

(2010.10.05)

週末はフランクフルト市内で、というかホテルの部屋でひきこもりのように過ごした。いや、夜はさすがに街まで食事に出たのだが、この時はドイツがサッカーワールドカップで勝ち進んでいたものだから、街はもう異様なノリで…。ま、面白かったけど。というわけで、ようやくドイツ取材も後半戦に。
今回は2010年6月27日〜7月3日編です。

 

レクサスLF-A 6月28日 ドイツ ニュルブルクリンクサーキット

実は乗ったわけではなく、たまたま走行しているのを見ただけ。しかしながら、まさにドイツに来ている最中に、LF-Aの開発を指揮していたトヨタ自動車マスターテストドライバーの成瀬弘氏の、ここニュルブルクリンク近郊での訃報があったところだったので偶然の巡り合わせには感慨があった。あとで事故現場に行き、手を合わせることもできた。
夜はホテル近くのレストランでバーベキュー。ドイツ人はバーベキュー大好き。夏になると、食事時にはそこら中からモクモク煙が上がっている。CO2削減のためにはクルマ云々より前にバーベキュー規制だろ? なんて冗談も…。

 
ヨコハマタイヤ アドバンスポーツ 6月29日 ドイツ ニュルブルクリンクサーキット

この日の取材の主役は、自動車ではなくタイヤ。ヨコハマタイヤのフラッグシップ「アドバンスポーツ」を、ニュルブルクリンクサーキットのグランプリコースで試した。履いていた車両はポルシェ カイエンS、アウディQ7 4.2FSIクワトロ、そしてメルセデス・ベンツC63AMGである。
ヨーロッパのプレミアムブランドにこぞって採用されているこのタイヤ、300km/hオーバーまで見据えたタイヤとしては乗り心地が異例によく、それでいてサーキットを半日走り込んでも熱ダレもないという、なるほど良く出来たタイヤなのだ。

更におまけとしてアメリカ製EV(=電気自動車)スポーツカーのテスラロードスターにも乗った。走りはなかなか面白い。けれど熱い中ではバッテリーがすぐにタレてしまうのが残念。何しろ一番速いのがピットロードを加速している時で…。こちらのタイヤはアドバンA038である。

 
ロータス エキシージ 6月29日 ドイツ ニュルブルクリンクサーキット

夕方には、ニュルブルクリンク北コース、通称ノルドシュライフェを初体験した。全長22.140km、激しいアップダウンの中、先の見通せないコーナーが連続するこのコースは自動車の開発テストの舞台としても有名なところ。もちろんドライバーにとってもシビレるコースだ。
今回は初めてということで、隣に近くのレーシングスクールの先生を乗せての走行となった。いやあ、楽しかった。また来たい!

 
ブラバス 6月30日 ドイツ ボットロップ

この日は朝から移動。昼食を、鉄道の廃止になった駅を利用したレストランで取る。写真で食事をしている場所は、実は元プラットホームだ。
そして午後からは、メルセデス・ベンツをベースにしたコンプリートカーで名を馳せるブラバスの本社を見学し、更に試乗を行なった。
CGI250はE250CGIブルーエフィシェンシーをベースに最高出力を26ps増しの230psに高めたモデル。本来エコ指向のモデルをチューニングするなんて…と思ったが、聞けばパワーは上がっているけれど燃費は変わらないとのこと。なるほど、それならアリだろう。
その夜はデュッセルドルフに移動。ここでも街はおそろしく賑わっていた。サッカーは関係無いのかも。

 
ボルボV70 T6 R-Design 7月2〜12日 都内〜筑波周辺など

帰国して、すぐに借りに行ったのはボルボの主力V70に追加されたスポーティ仕立てのT6 R-Design。ボルボとしては硬めの乗り心地は最初は正直どうかな…と思ったが、走らせているうちに身体にしっくり馴染んでいった。穏やかで質の高い走行フィーリング、高い安全性に環境性能など、日常をともにするクルマとしての資質は相当に高いレベルにあることを改めて確認。サイズの大きさが敬遠材料となっている感はあるが、価格も攻めているし、もっともっと売れていいクルマだと思う。

長い旅だったけれど、色々な街に行き人に触れ、そして色々なクルマに乗ることができて、とても充実していた。この季節のドイツは気候もいいし。
しかし実は旅はまだまだ終わっていないのだった。