一瀬恵のパンクなドイツ ワインと楽しむ 魔法のチョコレート

(2008.07.22)
ワインと一緒に楽しむために造られた、大人向けのチョコレートがある。 
ドイツのChoaXa(ショアクサ)というブランドだ。

このChoaxaというチョコレート、甘みも少なくそのまま口に含むとどこか不思議で物足りない味わいだ。
しかし、ワインと共に頂くと、魔法をかけたかのように素晴らしいハーモニーを醸す。

というのも、このチョコレートはワインの原料となるぶどう品種にみられるアロマや、ワインの個性に合うスパイスなどを使用しており、まさにワインと共に楽しむべく計算されて作られている。

例えば、Umami Neu Guinea(ウマミ ニューギニア)と名づけられたチョコレートには、シトラスや海塩などのアロマやスパイスが使用されている。そのまま頂くと、爽やか過ぎる印象だが、リースリングというぶどう品種の辛口白ワインと共に楽しむと、共通したシトラスのアロマと、海塩及びワインのミネラリティが調和し、濃縮感と芳醇さが相互に増し、驚くほどにパーフェクト・マッチ。

さらに、Chamois Safran(シャモワ サフラン)と名づけられたチョコレートには、サフランやカレーなどのスパイスが使用されているため、単独で頂くとやや辛くアクセントが際立つ。しかし甘口のデザートワインと共に頂くと、がらりと印象が変化し、ワインの極上の甘みと調和し、クリーミーでこっくりした上品な味わいを創る。

またシナモンの花やコショウのスパイスが効いたVitis Noir(ヴィティ ノワール)というチョコレートには、ピノ・ノワールという品種の赤ワインに素晴らしく合う。こちらもチョコレートだけだと、スモーキーな印象だが、ワインと共に楽しむと、ワインの渋みとチョコレートの苦味、そして多様なアロマとスパイスが重なり合い、複雑でほろ苦い大人のバカンスのような味わいだ。

この他にも、コーヒー豆、バニラ、オリーブなどを使用したユニークなチョコレートが種類豊富に揃っており、 ワインとの楽しみを広げてくれそうだ。

ワインとチョコレートがセットになって紹介されている場合もあるが、個別に購入する際も各チョコレートのパッケージ後ろに、お勧めワインのアドバイスがぶどう品種や個性ごと詳細に記載してあるため、組み合わせに迷うことも少ない。

ワインとチョコレートをこよなく愛すヨーロッパ人には夢のようなチョコレートだ。まさに遊び感覚で楽しめる。
また相互の味わいの調和や変化、ハーモニーといったいわゆるマリアージュという面白い体験を、たった1粒のチョコレートが可能にするという事実も興味深い。

日本上陸はまだのようだが、ヨーロッパ訪問時は是非味わってみてはいかが?☆

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ワインと楽しむために創られた大人のチョコレート ChoaXa (ショアクサ)

ワインの個性やぶどう品種にあわせて種類豊富なチョコレートが揃う

リースリングというぶどう品種の辛口ワインにベストマッチなUmami Neuguineaというチョコレート。ワインと同じシトラスのアロマとミネラル豊富な海塩をスパイスに使用している。

ワインの個性にあったチョコレートがセットで紹介されている。