島下泰久の世界の車道から – 今週はコレに乗った - 2010年8月1日〜8月8日編『アバルト チンクェチェント』『アルファ・ロメオ MiTo』『ミニ クーパーS 』

(2011.01.20)

帰ってきた日本は相変わらずの暑さ。けれど楽しいクルマに乗っている時だけは、それを忘れていられる。エアコンが付いているから、ではないので念のため。
今回は2010年8月1日〜8月8日編です。

 

アバルト チンクェチェント8月3-4 御殿場周辺

復活したアバルトの目玉車種が、このチンクェチェント。ちっちゃいボディにパワフルなエンジンを積み込んで、格上のスポーツカーをうっちゃってみせるというこのブランドの伝統を、しっかり受け継いだ走りは痛快で文句無しに楽しい。速いだけでなくヤル気にさせるというか駆り立てるというか……イタリア人はホント、こういうのを作らせると天才的な閃きを見せるのだ。

 
ルノー・ルーテシア・ルノースポール、プジョー207GT8月3~4日 御殿場周辺

フランス製のパワフルなハッチバック2台。ルーテシアRSは最高出力202psの2ℓエンジンを搭載。回して楽しいエンジン、そしてフットワークが最高の操り甲斐を提供してくれる。今、もっとも走らせて気持ち良いクルマ。
207GTは最高出力156psの1.6ℓターボエンジンを積む。こちらはスポーティというより上質なグランドツアラーという感じ。しかしトータルバランスは物凄く良く、乗るほどに沁み入ってくる。フランス車はやはりそれぞれ個性があり、そしてとっても味が濃い。

 
アルファ・ロメオ MiTo 8月3〜4日 御殿場周辺

ラインナップを続々拡張しているミニの最新モデルが、このカントリーマン。全長4m級まで成長したボディは“ミニ”とは言い難いところもあるが、大人5人と荷物を乗せられるミニへのニーズは大きく、ヒットは間違いなさそう。大柄になってもミニらしい走りの楽しさ、ドレスアップの余白があるのも嬉しい。
ちなみに日本では商標などの関係からミニ クロスオーバーの名で売られる。ストレートなネーミングは、解りやすくてそれはそれでいいかも。

 
ミニ クーパーS 8月3~4日 御殿場周辺

いわゆるニューミニとなって2世代目の今のモデル、最初に出た時は妙に洗練されちゃった感じがあまり好きになれなかった。初代ニューミニは、エンジンはうるさく乗り心地は始終跳ねまくるようだったけれど、それがクラシックミニへの愛情を感じさせもして、とてもアツかったから。
でもニューミニ、どんどん熟成されてきた結果、走りっぷりは凄まじく完成度の高いものに仕上がった。ここまで来ると説得力あるなあ…というのが率直な印象。脱帽の1台だ。

 
ボルボXC60 T-5 SE8月6 日 御殿場

新鮮なデザイン、ボルボらしからぬ気持ち良い走り、そして追突被害を軽減または回避してくれる自動ブレーキ機構「シティセーフティ」の採用といったトピックが響き、インポーターの予想以上のヒットとなったXC60の追加モデルは、2ℓ直噴ターボエンジンに6速デュアルクラッチギアボックスを組み合わせ、前輪を駆動するT-5 SE。6気筒エンジンで6速AT、フルタイム4WDのT-6 SEに対して、よりエコフレンドリーな存在と言える。しかしながら動力性能は十分以上。4WDではなくても地上高はあるので、悪路や雪道での走破性もフツウのワゴンなどよりはある。乗るのは主に都市部という人なら、これで十分。いや、こちらがオススメだ。

 
ポルシェ911ターボ カブリオレ8月4〜6 日 都内〜御殿場周辺

最新の911ターボにようやく試乗。完全に生まれ変わった最高出力480psを発生する3.6ℓ直噴ターボエンジンにPDKと呼ばれる高効率ギアボックスを組み合わせた、そのパフォーマンスは、日常域でのスムーズさが増している一方で、いざ踏み込めば凄まじい速さを、やはりきわめてナチュラルに味わわせてくれるものに仕上がっている。とは言え、ここまでパワフルになるとオープンボディではすべてを受け止め切れないという感もアリ。ま、速さを余裕として味わえるオトナ向けの、アガリの911と言えるかもしれない。

 

気付けばこの週は、毎日のように御殿場周辺に居た。夏の暑い季節、都内を離れられるのは嬉しいけれど、こうなるとまるで通勤しているかのような気にも…。ま、こんな楽しい通勤だったら、文句言ってちゃ怒られますね。