栗林知代のアイ・アム・ママ! 離乳食をきっかけに知った「木のスプーン」に癒されています。

(2009.10.27)

食欲旺盛な息子。相変わらずもりもり食べています。最近、ご飯を食べている時に「ぅばっ」と言うように。はじめは何を言っているのかわからなかったのですが、どうやら「うまい」と言っている様子。「私たちうまいって言ってる…?」と私と夫。確かに美味しいものを食べた時に「うまっ」と言っているのでした。「(子育ては)理想形でいかないといかんなぁ」と夫。この頃特に子どもは親のマネをして育つんだなぁと実感します。口で言って躾けるよりも親が良い行いをしてそれを模倣してくれた方がラクと私たちは考えているので、これからはもう少しお上品にいきましょう、と夫と改めたのでした。おほほ。問題の息子の「ぅばっ」ですが、私が恋焦がれているフィンランドでは「美味しい」を「HYVAA(ヒュヴァー)」と言うらしく、それに聞こえなくもありません。ということで息子はフィンランド語を話しているんだ、ってことにしました。おほほ。

 
キッカケはふたつの出来事が重なって。

その息子が食事の時に使っているのが「木のスプーン」。前回のコラムの写真にちらっと写っていたものです。今回は「木のスプーン」のことをご紹介しようと思います。息子が1歳くらいの時から木のスプーンを使うようになりました。キッカケですが妊娠している時に出合った本に自宅出産した女性が、ベビーを取り上げてくれた助産師さんからお祝いに「木のボウル」をいただいた。と書いてありました。私は読んだ時、木のぬくもりを感じながら食べるなんて素敵だなぁと思ったのですが、その時は実行に移さず、普通にベビー用のプラスチックのお皿と、スプーンで離乳食をあげていました。それからしばらくして息子が1歳ちかくなった頃、友だちとおしゃべりしていたら、彼女が木のスプーン好きという話になりました。私は知らなかったのですが、木のスプーンって結構人気があるんですね。彼女にも「一度使ったらやめられないよ~」と言われ、木のボウルのことも頭にあったので息子用のスプーンを木のスプーンにすることを思いつきました。

 
1本のスプーンでママ、舞い踊る。

で、実際手にしてみると使う前から木の優しい雰囲気にノックアウトされてしまった私。手にするだけで何だかここは日本じゃないみたい…。自然豊かな外国で生活をしているよう…。ここはどこ? そうフィンランド!!  とすっかり頭はやられてしまい、木のスプーンで息子にご飯をあげている、もうそれだけで幸せな気分でした。機能性も優秀で、口当たりもいいし、お皿にスプーンがあたる音がしないのはこれほど快適なものなのかと使ってみないとわからない発見でした。そのことをある日ママ友に話をしたところ彼女も木のスプーン愛用者で、「料理の温度がスプーンに伝わらないのがいいのよね」と言っていました。確かに。

 
ママ、夢から覚める。その結果は?

すっかり木のぬくもりに魅了された私は調子に乗って、息子のお皿も木製のものにすることにしました。いろいろまわって見つけたお皿は、カナダ産の楓を日本の職人さんがお皿に仕上げたもの。安くはなかったけれど、見た目は美しいし、口に入るものをのせるものだから、どこの国の木で加工した国はどこかがきちんとわかるものがいいと思ったので購入。想像した通り、そのお皿はとても肌触りがよく手に取る度に幸せを与えてくれました。そしてそのお皿で食べる息子を見ていると更に幸せ…と、私の頭のなかにフィンランドの大自然が広がっていたある日、「バリーン!!」と音を立ててお皿が割れてしまいました。食事を終えた後、そのままお皿で遊んでいた息子がそのお皿を床に投げ落としたのです。「ひぃ~っ」と私。その日は何だか忙しくて「息子がお皿で遊んでいるなぁ」とわかっていたのに、ひとりで遊んでいてほしかったので「木製だし割れないだろう…」と思いそのままにしていたのです。くぅ~、私が甘かった!

しかも購入して1ヶ月くらいしか経っていないのに! 割れたショックが呼び水となり、ベビーにはなるべく自然なものを与えたい、本物を与えたいと願う私の気持ちは勘違いな理想を追っているのだろうか…?という考えが頭を巡ってしまい、その日はやけに落ち込んでしまいました。夫にはうまくこの気持ちが伝えられず、こういう時は同じ女性だ! と思い母に電話。気持ちを伝えると「自分が楽しい、って思えることが一番なのよ」と母。くぅ~、さすが同じ血が流れてる。理想だろうが何だろうが自分がしていて気持ちいいと思えるものはしてもいいんだ、と割り切ることができました。息子にはまだ早かったかもしれませんが、もう少し経ったらまた木で作られた食器で食事をさせてみようと思います。え?  懲りてない?(笑) あ、今では夫も私も木のスプーン愛用者です♪
 

今まで集めてきた木のスプーンとフォーク。一番右が、夫と私が使っているサイズのもの。カレーやシチューを食べる時にピッタリ。最近は息子用もこのサイズを使うようになりました。木製品を上手に使うコツは、使い終わったらすぐ洗い乾かすこと。そうすると黒ずむことなく長く使えます。わかっていても忙しいとなかなかできないんですけれどねー。
木つながりということで、木のバターナイフ。これがまたすっごく使いやすい! 両親が北欧旅行に行った時のお土産で、所謂お土産屋さんで買ったものだと思いますが、その使い心地は感動もの。北欧製品は、何てことのないお店で買ったものでも機能性に優れていると思います。ちなみに描かれているのはフィンランドではなくスウェーデン国旗ですね。