島下泰久の世界の車道から – 今週はコレに乗った - アウディA8国際試乗会 編

(2010.05.19)

2月15日に出発して向かったのはスペインはマラガ。日本には来年導入予定の新型アウディA8の国際試乗会でした。ところで国際試乗会って、どんな場なんでしょうか。どうしてマラガのようなリゾート地で行なわれるのでしょう。説明を兼ねて、ちょっと紹介してみたいと思います。

成田を発ってミュンヘンで一泊。翌日、更にバルセロナを経由して午後にマラガ空港に到着すると、空港の敷地内にアウディの試乗ステーションが用意されていました。試乗コース、見えるでしょうか。初日はマラガ空港から地中海に沿ってさらに西へと向かい、この日の宿泊先であるゴルフリゾートまで向かいます。
申告してクルマのキーを受け取り、出発。1台の試乗車に2名が乗り込みます。

せっかくマラガまで来たのに天候は今ひとつ。今ひとつどころか実は前日まで豪雨だったらしく、高速道路から外れて一般道に入ると、路肩の土が崩れて路面に流れ出していました。おかげでクルマはドロドロ。これでは撮影にならないということで、取り敢えず一直線に宿に向かい、まずはチェックインを済ませることに。

「Finca Cortesin Hotel Golf Spa」はゴルフリゾート。お部屋はこんな感じでした。しかし、いつものことながら部屋でのんびりできる時間はほとんど無く…。

ホテルは試乗会のために貸し切りになっており、ラウンジはこんなことになっていました。ぶら下がっている骨組みのようなものはアウディA8の特徴である軽量・高剛性のオールアルミ製ボディ。フロアに置かれているのはナビゲーションシステムなどの操作にタッチパッドを採り入れた新機軸「MMI Touch」のデモ用のマシンです。
ここでのカクテルの後、別室でのプレゼンテーションへ。新型車の概要の説明、並びに質疑応答などが行なわれます。

翌日の天気は上々。絶好の試乗&撮影びよりでした。たとえば現行モデルと較べてどこか、どのように進化したか、新しい機能の使い勝手はどうか等々を、経験と照らし合わせて探っていく試乗という作業は、新鮮な驚きの連続で楽しい一方で、実は結構疲れるものでもあります。

試乗の途中、いいロケーションが見つかったら、こんな風に走行シーンの撮影も。海外経験豊富な望月カメラマン。いつでもどこでも、すぐに絶好のポイントを見つけてくれます。

小雨がぱらついたと思ったらカラッと晴れる。そんな繰り返しの天気は撮影にも試乗にも厄介でしたが、一方でこんなよろこびももたらしてくれました。そう、虹です。スペインの風景に映えています。
試乗を終えてマラガから、今度はマドリッド経由でミュンヘンへ。そうしたら何とミュンヘン空港にA8がずらりと…。実はアウディの本拠、インゴルシュタットはミュンヘンからすぐ近くということで、セールス向けの研修が行なわれていたようです。うーん、せっかくマラガまで行ったのにと、複雑な気分になったりして。

その新型車の進化のほどを知るための試乗の舞台として、望ましいのは色々なシチュエーションが設定されていること。高速道路も街中も、曲がりくねった山道も荒れた路面もまんべんなく試すことができるのがベターです。一方、撮影のためにも背景は美しいに超したことは無い。そう考えると試乗の舞台は、自ずとこうした郊外の、風光明媚な土地になっていくということでしょうか。

ただし、あくまでこれは試乗&撮影=仕事の舞台。いつも、せっかくの宿や景色や諸々を満喫できることは無いのです。嗚呼。