北原徹のバカ買い! Smells Like Teen Spirit - 47 - 『田中宏和さん』『あらゆる病気は治らない』『THIS IS IT』『断捨離』

(2010.03.04)

“邂逅(カイコウ)”。

思いがけなく出会うこと。めぐりあい。

と「明鏡モバイル国語」辞書にある。
誰もが一度はやったことがあると思うが自分の名前をYAHOO! なり Googleなりで検索するというアホな行為。我ながら“何てつまらないことを……”と思うはずである。同姓同名の他人の活躍なんて、見ていて寂しくなるだけだし、殺人犯だったりしたら、もちろん暗くなる。

が、この『田中宏和さん』は違った。

何が面白いかって、香道そのものが面白いのだ。同姓同名を探す旅。どこか修行にも似ているが、逢うときの感動。

作曲家の田中宏和さんが作曲し、ほぼ幹事の田中宏和さんが作詞、PVは映像の田中宏和さんが製作。11人の田中宏和さんで歌ったのだそうだ。(著者は14人の田中宏和さん)。この本をぼくの部署のアルバイトTさんに見せたら“私の友人の名前”と奇声が!

邂逅は続き、運動は永久エネルギーのようである。

しかし、人類のエネルギーは永遠ではないのである。人は病気とも邂逅してしまうのである。この事実は心にキツい何かを残す。

『あらゆる病気は治らない』

名医・堀正男に集う患者!? 4人組。

この患者の中に、ぼくの大好きな秋山道男さんもいた(というより、秋山さんにこの本をいただいたのである)。

何と言えばよいのだろうか。病気とも出会いがあって、なかなか“いい出会い”はない、と思うが、時々は“悪くない出会いがあるのかもしれない、と思ってみたり。

母を癌で失っているから、軽くは言えない。だけれど、自分の中にもおそらく様々な病気があって、きっとぼくらは病気たちを憎むよより一緒に暮らすことや、すぐ隣に病気があるってことを意識していたほうが、たぶん生きていいくのも楽なんじゃないか!? と思ったり。

邂逅の末にあるのが、もし“死”だとしたら……。悲しいけれど、人は病気であれ、事故であれ、いつかは“死”に巡り合うことになってしまう。

不老不死が人にとって、いいものなのか、悪いものなのかはわからないけれど、そんなことさえ考える脳をほんの少しもっていなかった大学浪人のころのぼく。

ダメな人間は心底腐っているのである。貧乏を身にまとったような親からもらった小使いパチンコする日々。

偶然訪れた777で買った(交換した)のがマイケル・ジャクソンの「スリラー」だったのである。ベスト・ヒットUSAから抜け出したマイケルの記憶がぼくの脳の中で膨らんでいく。27年前くらいだっけ?

いまもぼくのポップアイドル、マイケル・ジャクソン。キング・オブ・ポップ。

『THIS IS IT』

あまりに切ない響きの遺言に聴こえる。

邂逅はいったい何を運んでくれるのだろう。

“恋”はいつも巡り合いつむいで!?

出会いがあれば、別れもある。男のロマンティシズム、センチメンタルな心が生む“未練”。この、どこにも行く宛のない心模様をどうすればいいのか!?

この『断捨離』は家や部屋をはじめ空間を片付ける術(すべ)なんだけど、ちょっと思ってみる。

“断捨離屋”

「あなたの未練、断捨離しマス」
リリー・フランキーさんのコラムに“あずかり屋”という話があるけので、それのパクリっちゃー、そうなんだけど、上手に未練を片付けられる人がいたら、それはそれで素敵な商売になる!

なるのだけれど、世の中はつまらなくなるかもしれない。演歌もなくなるかもしれないし、若女将が切り盛りする小料理屋が不景気になったり、まあ、厚みがなくなる。

邂逅とは何なのか、を考えた一夜であった。

「お金がない~」「買い物あんまりしてない~」とボヤッキーな編集・北原。しかしデスクには続々と春夏アイテムの予約品が到着。バカ買いしてるじゃないですか!

さっき届いた『A BATHING APE®』のソックスはレッド&ブルー、パープル&ブルーのボーダー。本日の足元は同じく『Ape』のソックス。イエロー&パープルの『ロサンゼルス・レイカーズ』カラー。
その前は『Mountain Reserch』のストールが届いてました。アメリカの国旗柄。
買い物だけじゃなくて飲みにもすごーく行っていて、今週のおすすめは新宿の『T』。熱燗にこだわったお店で、おでんもおいしいしとってもかわいいおじいちゃんとおばあちゃんがやっているんですって!