福島原発 池田香代子ブログから “嘘と真のこのくにのメルヒェン”
続・福島原発で作業している人々

(2011.04.25)

続 福島原発で作業にあたっている人々の状況は

きのうの記事の映像は見ていただけましたでしょうか。FNNの記事は読んでいただけましたでしょうか。見て、あるいは読んで、あなたはどうお感じになりましたか。私は愕然とし、沈痛になり、そして凶暴な怒りに駆られています。

事態が長期化するだろうことは、現場にいればごく早い段階でわかったはずです。だったらなぜ、すぐにちゃんとしたベッドを人数分、調達しなかったのでしょう。なぜ何日も何週間も、人を固い床だか畳だかに毛布を敷いた上に寝かせて平然としているのでしょう。それどころか、さいしょは床や椅子での仮眠だったそうです。神経を使う長時間の労働のあとです。言語道断です。またなぜ、自衛隊が持っているような調理のできる車輌を入れ、専門の調理師や栄養士を配さないのでしょう。簡易風呂など、被災地の避難所ではボランティア団体が1日で設置しています。なぜそれが、電力会社にできないのでしょう。

それにしても、なぜ作業にあたっている方がたが寒さしのぎに防護服のまま眠らざるをえないようなことになっているのか、しろうとの私にはまったく理解できません。防護服とは、放射線から身を守るものではなく、放射性物質の粒子がくっつきにくい素材でできているだけのものだったと記憶します。作業の時には、あの白い防護服の上にさらになにかを着るのでしょうか。だったらまだいいのですが、もしもそうでない場合、放射性の物質がくっつきにくいとはいえ、絶対にくっつかないとは断言できません。そんな服を着たまま、食事をし、眠る。服にくっついていた危険な粒子が口から鼻から、絶対に入らないなどということがあるでしょうか。しろうと考えですので、まったくとんちんかんかも知れませんが、私は戦慄しました。

作業時は手首も足首もガムテープ様のもので密閉すると言います。顔もゴーグルなどで覆います。それで、放射性物質がすきまから入りこみ、体に取りこまれる可能性は絶対にゼロになるでしょうか。ゼロではないことを前提に、作業時以外は防護服は脱ぐべきです。脱いでから、居住区に入るべきです。そして、お風呂に入って汗だくになった体を洗い流し、汗をかき、万が一にも取りこんでしまった放射性物質のできるだけ早い排出につとめるべきです。そして、代謝を高める食事をとるべきです。新鮮な野菜や果物もとるべきです。なのに、初めのうちは1日2食、朝はカロリーメイトと野菜ジュース、夜はレトルト食品だなんて。今は3食になっているなど、改善でもなんでもありません。あたりまえのことです。

体育館に寝ていただくしかないのなら、展示会のブースに使われるようなボードで仕切り、プライバシーを確保すべきです。それでも、近くに「いびき」をかく人がいれば、いかんともしがたいでしょうが、産業医の谷川先生が「いびき」対策を講じたそうです。でも、そもそも谷川先生をなぜもっと早く招聘しなかったのでしょう。現地には医療スタッフがいたそうですが、谷川先生が来て初めて、原発作業員の自己末梢血幹細胞採取もおこなわれることになりました。まさかの被爆の時、自分の末梢血の幹細胞を戻す治療のためです。これなど、いのいちばんにすべきだったでしょう。

そして医療や心理のカウンセリングも常時不可欠です。作業員の8割は被災者でもあるそうです。東京新聞によると、今はたまには 帰宅できるとのことですが、家族が避難所に身を寄せている場合、「東電」と冷たい目が注がれるという、なんともやりきれないことが起きているそうです。ご家族は、どんな思いで過ごしておられるでしょう。そして作業員ご本人は。

ようやく半分書きました。あした、また続けます。
(2011年4月21日00:06)

 

池田香代子ブログ