北原徹のバカ買い! Smells Like Teen Spirit - 13 - 心機一転 新たな気持ちで白いシャツ。
(2009.06.26)最近、ビートルズの「The Long and Winding road」が脳の中を駆け巡り、耳ではなく体に聴こえてくる。
思えば、長く曲がりくねった道だったと思う。九年と数ヶ月の間、お世話になった、そして走り続けた場所、『ポパイ』編集部を離れることになった。
なので、このコラムのタイトルも変更しなければならないだろう。”マガジンハウス書籍部の…”とか、“元・ポパイ副編集長”とかなのか!? しかし“元”はいやだなぁ。なのでこのWebダカーポの編集長……(ん? 誰なんでしょうか?)に相談して、次回からはタイトル……変わっています。
あ、読者の方々からのタイトル案も募集しますよ!
で、移動なのです。
新しい部署に行く、なんてこと? 行事? は実に九年振り。その前の部署も九ねぐらいいたので、まあ、慣れてないないわけですよ。
村上春樹さんではないけれど、オリが溜まるように、『ポパイ』でのいろんなものがぼくの中に積もっていった。そんなこんなを一度クリアにして、身を軽くしてみるのも悪くないことだと思っている。
新天地がどんな場所なのか、期待と不安が入り混じるところだけれど、すでに頭を切り換えて、企画を出したりもしている。
また、長く曲がりくねった道を歩き始めると思うと、身が引き締まる。
例えば、新入学とか新入社員とか、誰かの人生のターニングポイントに、ぼくはときどき白いシャツを差し上げたりしている。
結婚式の花嫁ではないけれど、新しい空気には白いシャツ、という思い込みにも似た感覚かもしれない。
一枚は<ナンバーナイン>。ナチュラルな色みが美しい。ヴィクトリアンなディテールや、プルオーバーというスタイルも格好よく、わりとよく袖を通している。
もう1枚は<Nハリウッド>。アーミッシュのパッチワークをモチーフにしたポケットのディテールがとてもきれいだ。
こちらは、それこそ何か結婚式でもあったら着て行きたいものだと思う。
ぼくは、白いシャツというのは、とても好きで精神的な清々しさや、一枚着るだけで爽やかな気分になれるのが好きだ。
ワンシーズンに一枚。
白いシャツを買うのは、きっと人生を楽しくしてくれる気がする。
おしゃれ、という意味より、なんかこう“生活”とでも言えばいいのだろうか?
肩の力を抜いて、白いシャツを着るのが、いいと思う。