島下泰久の世界の車道から – 今週はコレに乗った -  2010年5月16日〜5月22日編『シトロエンDS3 Sport Chic』『フォルクスワーゲン ポロTSIハイライン』

(2010.08.31)

素晴らしい天気だったドイツから帰ったら、日本はそろそろ梅雨の気配。すぐに引き返したくなる気持ちを抑えつつ、翌日から早速仕事だった。

今回は2010年5月16日〜5月22日編です。

 

シトロエンDS3 Sport Chic & シトロエンC3 5月19 静岡県 裾野周辺

フランスはシトロエンの新しいコンパクトカー。C3はいわゆる実用車で、DS3は内外装に凝ったプレミアムコンパクトカーだ。

先代も一時は日本に導入されていたC3(奥)。新型はデザインが洗練されただけでなく機械的なつくりこみ、クオリティも高まっている。塗装は美しいし内装も立派。単なる実用車という域を超えている。フランス車らしい、ふんわりした乗り味にも好感。動力性能は今ひとつだけど、独自の世界をもっている。

DS3(手前)は、端的に言えばミニの対抗モデル。キャッチフレーズに「ANTI RETRO」「DON’T LOOK BACK」などと掲げて、ミニとはまったく違った魅力をアピールしている。基本のボディ色にルーフやミラーなどの色、ホイールのデザインや色など様々な組み合わせを楽しめるのも特徴。フランス車らしい思い切った組み合わせもあって見ていて楽しい1台。

 

フォルクスワーゲン ポロTSIハイライン 5月19 日静岡県 裾野周辺

大人気のポロのエンジンが、従来の1.4ℓからTSIと呼ばれる1.2ℓ直噴ターボへと置き換えられた。排気量は小さいけれどターボの力で出力は逆に向上。しかも燃費も劇的に改善されている。

しかし、そんな数値を見なくても走れば誰もがその進化を感じるはず。とても走らせやすく、とてもスポーティなのだ。そしてガソリンスタンドに行けば、燃費の良さにまたびっくりという次第である。
ハッキリ言って日本のコンパクトカーと較べると、走りの質、内外装のつくり込みの良さなど、すべての次元が違う。雨の中、短時間の走行でもそれはひしひしと伝わってきた。感心して言葉をなくす。そんな1台。

前週のポロGTIに続いて、この週もコンパクトカーの試乗となった。日本のコンパクトカーは燃費と経済性ばかり考えて無味無臭なものが多いが、ヨーロッパのそれは見た目、走りなどに個性と味わいがしっかりある。

もちろん、どっちも実用車であることに変わりはない。要するに普段の生活をどんなものにしたいかという意識の違いが表れている。そう言っていいのではないだろうか?