北原徹のバカ買い! Smells Like Teen Spirit - 37 - 絵日記の天気と知恵比べ。『ソニアのショッピングマニュアルⅢ』。『手洗いせっけん バブルガード』。

(2009.12.10)

コンピューターが身近にあり、何か知りたい、何かを調べたい、と思うとインターネットはすぐに答えを与えてくれる。コンピューターなどなくても携帯で充分何でも調べることができる。

確かに便利で、スピードも早い。

アナログとかデジタルとか、そんな風に世代を分けるまでもなく、生活にインターネットがある。携帯で検索ができる、これが生まれた時から”ある”か”ない”かで、人間はまったく違う生き物になってしまったんじゃないか!? と思ってみたり。

夏休みの宿題で、もっとも”クリエイティブ”なのは、絵日記だったのではないか(怠け者限定)。

暑い日々を飽きもせず駆け回り、プールに行き、すいかを食って
気がつくともう8月も後半。ラストスパートも何も、ここからがスタートラインのデッドエンドジャンキーな小学生にとって、もっとも問題な宿題があった。それが絵日記。

内容なんて、どうにでもなった。捏造なんて言葉を知らなくても、事実は常にねじ曲げられ、歪んでいた。プールに入ってなくても7つのプールを股にかけ、金品、宝物を海賊し、流れるプールで流しそうめんをむさぼり喰ったと書いた。行ってもいない祖母の家に寝泊まりし、勝手におばあちゃんの喉にまんじゅうをつまらせて、びっくりしたと言葉だけ書いた。お盆には、親せきの家巡りをして、おおくわがたをもらってデパートでフリマをしたと書いた。
みんな捏造だし、この文章も捏の造だ〜。(笑)まあ、ここまでは捏造ができるわけだがハタと気がつく。

天気はどうだったんだ?

田舎に行っていた、バリのリリゾートホテルに泊まってフローズンダイキリを飲んだ小3の夏休みはすべて”晴れ”でよかろう、そこまで誰も知ろうとしないし、調べない。東京にいたぼくらは他の友達を比べればすぐわかってしまうから嘘だとバレる。
「一歩も家を出ていないから、天気がわからなかった」
と嘘を憑こうものなら「自転車で熱海日帰りした」日記が嘘になる、ピ〜〜ンチ。

ともだちのAやN、はたまたSに電話する。が、みんなの答えは同じ。
「今、おまえに電話して、聞こうと思ってたとこ。」
ピ〜~~~~~ンチ!!

で、頭を使うわけだ。初めて、ここで。

図書館に行って、新聞をチェック! はたまた、どっかの博物館だったか技術館で、夏休みの天気がわかると聞いて、行ってみたら大行列(みんな同じ怠け者!)。

今だったら、インターネットで一発じゃん! バカじゃないの!? と言われることだろう。が、ここで思うのだ。この”バカなこと”がぼくらに知恵を授けてくれたのではないか、と。

どうしたらいいのか? という状況に人は一生に何十回、何百回、何千回とブチ当たることだろう。そんな時、インターネットは助けてくれるのだろうか? Q&Aか? 一見早そうに見えたインターネットが、途端にウェイティングバー。待ちの体制でコール&レスポンス。

だけれど、夏休みの宿題の絵日記の天気で困った怠け者たちは違うのだ。知恵を使って判断する。足で稼ぐ。

ぼくが知っている素敵なカメラマン、スタイリストの面々は、この辺が(つまりどうしたらいいのか? 状況に陥った時の判断が早い)見事なのだ。これこそ、クリエイティブであり、いい仕事であり、一流の証し。(っていわれても、さぼった宿題のフォローに例えるなよ! って言われそうだけれど)


Ⅰ、Ⅱとじっくり読ませていただいたのだが、ソニア パークさんの本は面白い。

すべて彼女が見聞きしたエピソードが、素敵なアイテムに辿り着く。自分の足で稼いだ発見した”大切にしたい物”ばかりが並んでいる。

実は、この”バカ買い!”も、ソニアさんの『ソニアのショッピングマニュアル』みたいになればよいなぁ、と思って連載を始めたのだけれど、いつの間にやら、目論見は外れ、理想と現実は終に離れ離れになってしまったのであった。

それはさておき、ぼくは、元々好きだったり、持っている物がソニアさんとかぶることもあり、ⅠとⅡに載っている物もいろいろ買ったり、見に行ったりした。

”ローズバッド”というリップバームや”メイソンピアソン”のヘアブラシは実際買って使っているし”アスティエ ド ヴィラット”はパリに行ったとき、足を運んで見に行った。もちろんリーバイスの501やラコステのポロ、ニューバランスのスニーカー……。ぼくの好きなものはもちろん持っていいる。

ぼく自身は買わないけれども<マノロ ブラニク><アライア><クリスチャン ルブタン>はとても好きで、ソニアさんのエピソードも大好き。靴は靴のブランドでしか買わないけれど<アライア>は別ってのも納得。

考え方や、ものの見方、セレクションのイメージが近い人に勧められると、信用して買えるけれど、そんな感じ。実際<ナンバーナイン>のプレスルームでお目にかかったとき、つい1枚さらに追加して買ったのは、ソニアさんに言われてだった。

そんなわけで『ソニアのショッピングマニュアルⅢ』はお勧めです。

もうひとりの信用しているMさんに『手洗いせっけん バブルガード』を勧められ、即購入。4歳のアトピーの我が息子も「しみないよ」と喜んで、手を洗っています。これもお勧めですね。

先週は渋谷の『鳥升』で飲み会。帰りにはロック酒場『B.Y.G』。
20年ぶりかもしれない。ジャック・ダニエルをちょっと。
久しぶりに行ったといえば千駄ヶ谷の『ホープ軒』。撮影の帰りにスタッフ
みんなで行きました。相かわらずのこってり味。
若いプレスくんに「大盛」を食べてもらいました。スーパービッグ! 
洗面器大はありましたよ。気分はラーメン風呂。
ラーメンはいわゆるオーソドックスな東京ラーメンが好きなんです。
マガジンハウスのある銀座近辺でいうと『共楽』の味。
さてソニアさんの本のとなりの写真は、本日の北原のコーディネート。
このジーンズの細さを見てほしいのです。
<ナンバーナイン>の別ライン<n(n)>のスーパースリムジーンズ。
シャツ、パーカーも<ナンバーナイン>です。
ロングスリーブは軍モノのサーマル。アウターにベストをレイヤーしました。
それについてはまた来週!