グー先生、今日も料理三昧 鱧三昧。

(2008.09.23)

鱧三昧。

いや〜、食べた食べた。何を? って、鱧よ、鱧、ハモ。

関西人の私にとって、夏の魚と言えばやっぱり、鱧。

その鱧をこの夏はトータルで3尾は食べたね。

なんちゅう贅沢。なんちゅうシアワセ〜。

 
子供の頃、汁物と言えばやたらとお吸い物(つまり、清まし汁)だった。お味噌汁が出てくるのは朝だけ。夜にお味噌汁が出てくると「夜やのになんでお味噌 汁やのん?」と思うことが普通だったぐらいお吸い物が浸透していた。
で、お吸い物の具は、と言えばそんな凝ったものはなく、冬はかき玉だったり 春雨だったり、春になるとちょっと凝って鯛や蛤の潮汁だったり。そして夏にな ると登場するのが、鱧の落としだった。「贅沢ねぇ〜」とよく言われるがなんの ことはない。

骨切りして湯引きした鱧を近所の魚屋で買ってくるだけで済む、そして春先の 鯛同様のごちそう感がある、手間のかからないちょっと張り込んだ具だから使っ てただけなのである。

仕出しや出前の寿司をとるとお吸い物の具は必ずと言っていいほど鱧(&ジュ ンサイ)なんだから、家庭でもそれを真似ると料理屋気分になれるよね。そんな こともあってほんとよく登場してたなー。

ところがこの鱧、嫌いだったんだわ。私。

口の中で骨がザラザラと触る。それが何よりも不快で、皮は皮でクニクニした 食感が気持ち悪くて、鱧が出てくるたびに気持ちが萎えていた。

子供の口に合わない食材なのかというと、そうでもないようで、兄は鱧のお吸 い物をとても喜んでいた。

そして、鱧に好印象を持たないのは社会人になるまで続いたのよ。

社会人になって、当時、細くてちっちゃくて、ま、そこそこ可愛かった私は (あ、ツッコミ入れたいんでしょ。その気持ちはわかる。わかるけど、まぁ言わ せやってちょうだいな)、よくいろんなお店に連れて行ってもらった。ゴチッ ス! はわかっていたので、どれも有り難く美味しくいただいてたが、ある時ご馳 走してくれたのが鱧。落としが山盛り。「うげっ!」である。

貧血で倒れてみる? つまみ損ねて落とす? それとも「持病のシャクが」とか言いながら帯の上から脇腹押さえる?(って、ワンピースやろっ!)
 いやいや、美味しそうに嬉しそうに食べる顔を肴に飲もうとしているオジサマ 達を悲しませるわけにはいかないワ。などと、長考すること3秒。(短っ!)

「いっただっきまぁ〜〜っす」と、捨て身で挑んだゴチ鱧

ところがところが「あれれっっ?」である。口に入れたとたん、ホロホロと溶 けていくのだ。皮が固くないのだ。

そしてこの時初めてわかった。鱧が美味しいことを。鱧にも色々あることを。骨切りがとても重要だと言うことを。目からウロコだった。

鱧さんごめんなさい、オジサマありがとう、である。

そして、鱧が高いと言うことだけわからなかった私は、なんと美味しいから と、おかわり! したのである。(確かウニも箱食いしたような…。キャー!)

オジサマのおかげで鱧の美味しさがわかった私は、その後、楽しく美味しく鱧 をいただける、ちょっと大人になったとさ。

って、おいおい。これで終わりじゃイカンでしょ!
あ、そやったね。ごめんごめん。今年食べた鱧の話やったね。 じゃ、続きは来週に。(おい!)