加納忠幸のワイン飲もうよ 瀬戸内国際芸術祭2010へ。

(2010.10.08)

9月30日から10月2日まで2泊3日で瀬戸内国際芸術祭へ行って来ました。
瀬戸内国際芸術祭は、既に外人からアートの島として人気がある
直島(なおしま)を始めとする周辺の島々と高松市に
18カ国のアーティストがいろいろなアートを制作し、それを見て歩くというもの。

このイベントは7月19日の海の日から始まり、
10月いっぱいで終わってしまうため、
何とか終わる前にということでこの時期になりました。

ここ数年、旅行と言えば何かとワインがらみのものばかりで、
ワインと全く関係のない旅行は久しぶり。
3日間、ゆっくりとアートに触れて来ました。

会場は直島、豊島(てしま)、女木島(めぎじま)、男木島(おぎじま)、
小豆島、大島、犬島、高松港周辺の8箇所。
さすがに3日間では全部制覇するのは不可能です。

今回はまず高松に入り、1日目は豊島、
2日目に女木島、男木島と直島、
3日目に直島という順に見て回りました。

準備としてはまず、公式ガイドブックをアマゾンで購入。

と言っても、私はゆっくり調べる時間がなかったので、
どこへ行くかはすべて妻に決めてもらいます。

島へ行くルートは本州側と四国側とありますが、
今回は飛行機で行った方が楽なので、
四国側から行くことに決定。

早朝の便で高松へ飛び、
そこでいろいろな作品をこれ1枚で鑑賞できるパスポート(5,000円)

と、芸術祭フリー乗船2日券(3,500円)

を購入。これでいよいよ準備完了です。

それぞれの島や、鑑賞したアートについて語っていくと
どれだけ時間が掛かるかわからないので、
それぞれの島の一番印象に残ったものをご紹介。

まず最初に言った豊島(てしま)。
この島で印象的だったのは

塩田千春さんの作品で題名は「遠い記憶」。
公民館だった建物に穴を開けて解体した建物の窓や扉で
トンネル状の通路を作ったもの。
トンネルの向こう側に田んぼの稲穂が見えるのが印象的。

ひいたアングルで見るとこうなります。
このときは雨が降っていたので影が映っていないのですが、
晴れた日に来ると通路に窓枠等の影ができて
よりインパクトが強くなるようです。

女木島(めぎじま)は、桃太郎に出てくる鬼が島の舞台になった島だそうで、
実際山の上に鬼がすんでいたという洞窟があります。
そしてこの洞窟が自然にできたものではなく人間が掘ったものとのこと。
実際はその洞窟にすんでいたのは鬼ではなく海賊だったのだそうです。

その洞窟の中にアートが。

サンジャ・サソさんの「鬼合戦、あるいは裸の桃の勝利」。
真鍮のワイヤーでできた彫刻が上から吊り下げられています。
鬼にとらえられた人たちの魂と、その献身さを表現しているのだそうですが、
実際の彫刻より、照明で岩壁に映った影がなんとも魅力的。

男木島(おぎじま)では、

西堀隆史さんの「うちわの骨の家」。
香川の伝統的手工芸品である、うちわに着目。
駄菓子屋だったという、家の中を壁、窓、天井等、
すべてうちわの骨で覆っています。

そして最後の直島は、なんと言っても「地中美術館」。
安藤忠雄が作った建物に
クロード・モネ、ウォルター・デ・マリア、ジェームズ・タレルの作品を
恒久展示するという、特殊な美術館です。

いろいろな作家の作品をとっかえひっかえ展示するのと違い、
それぞれの展示する作品のために
それぞれ異なった空間がつくられており、
これ以上ないというシチュエーションで作品を見ることができ
大変インパクト大。

美術館内は写真撮影禁止でしたので残念ながら写真はなし。

代わりに直島を代表するアート作品の一つ
大竹伸朗さんの直島銭湯「I love 湯(「love」は実際はハート)」。

夜はこんな感じ。

そして、

湯船の中までアートされています。
入浴料500円。

3日間と大変急ぎ足でしたが、
ワインを忘れてアート漬けの毎日を送ることができ、
有意義な時を過ごすことができました。

この瀬戸内国際芸術祭は10月末まで。
興味をもたれた方は、もう残り時間わずかですよ。

 

瀬戸内国際芸術祭2010