山本貴代の“女の欲望グツグツ” 疲れた時はマッサージ店に行きますか?

(2008.10.01)

家の近所に、中国人がやっているマッサージ屋さんがあります。
私は、整体の資格をもっているので(たいていの整体師は認定式です)カラダのツボには、結構うるさくて、いつもどこかに、腕のいいマッサージ師はいないかと、嗅覚を尖らせているのですが、そのマッサージ屋さんには、なんとなく入ってしまう引力が働いています。

ちなみに、私の師匠は、自宅からは少し遠いところで開業しているので、肩が凝ったからといって、そう簡単にはいけないのが哀しいところ。すご腕なので、最終的には頼るのですが、日常のボディケアには、自宅の徒歩圏内にひとりホームドクターとも呼べる、ホーム整体師を置いておくのは、大事なことです。

で、なぜ、その中国人がやっているマッサージ屋に、私が度々吸い込まれていくかということですが、最初のきっかけは、特別キャンペーン中とやらで、半額セールをやっていたからというのが始まりでした。

なんだか、引き込まれる理由が所帯じみていていやだなー、と自分でも思うのですが、
半額には、結構ひかれます。60分6000円のところが、3000円ってかなりお得だわっ、へたくそでも、まあいいやってことで、いってみたら、意外と上手い。ということで、しばらく肩が凝って我慢できなくなると通いました。すっごく上手いってわけではないのですが、なんか、いくと、マッサージ以外のことでも癒されることに、ある日気づいたのです。それは、室内でかかっているローカルな中国の音楽と、マッサージ師とのたどたどしい会話です。

そうです、その時間だけ、上海か台湾のマッサージ店までワープしている気分になれるのです。最近は、そのマッサージ師は国へ帰ってしまい、中国の女の子とその従兄弟のお兄ちゃんという人がふたりで経営しているのですが、それもまたいい。女の子(結構美人)は、行くと従兄弟のお兄ちゃんの怠けた態度について愚痴ります(悪口というほどのことでもないのですが)。ちょっと気の強いその女の子は、指圧も強いので、たまにもみ返しがきたりするので、頻繁には通いたくないのですが、しばらくすると、なぜか恋しくなる。

私は、マッサージ以外に、異国情緒みたいなものも同時に消費しているのかな、なんて思っています。売り手本来の目的以外のモノが、買い手に思いもかけず響き、癒し、消費に向かわせる。薄暗いビルの一角でやっている中国マッサージ店。狙ってやっていないところが、新鮮でいいんでしょうね。

         

★都会の30代独身「晩嬢データ」より
・「ストレスがたまっているほう」という晩嬢は、67.6%(2007年)。ちなみに2000年は、55.9%。
・「疲れるとマッサージ店に行く」という晩嬢は、39.4%(2007年)。ちなみに2000年は、23.5%。世の中、みなさんお疲れのようです。