一瀬恵のパンクなドイツ ドイツに学ぶ、プレゼントを印象的にする方法

(2008.07.15)
前回のコラムで、ドイツで本を購入した際に時折ついてくる「詩」は広告の一環かそれとも文化かというテーマについて書きました。

詩を「贈る」、「発する」、「演出に使用する」ことは、受け取り側に、大きな印象を与え、記憶に残します。

この効果を利用してか、ドイツ人は詩の「使い方」や「演出」が非常に上手で、TPOに合わせて巧みに使い分けています。

先日は大人向けのチョコレート ChoaXa(ショアクサ)にJanine Weger (ヤニン・ウェーガー)作による次のような詩が添えられていました。

“Schöne Errinerung sind wie Schokolade:
Man kann zwar nicht von ihnen leben,weil sie nicht nahrhaft sind, doch sie versüssen das bittere Leben”

(美しい思いではチョコレートのよう。それだけでは生きられないが、苦い人生を甘くする。)

またドイツの古都 トリアーにあるデザインホテル&レストラン BECKER‘S (ベッカース)では、レセプションに、写真のように地域に関する詩が掲示されてありました。

さて、この詩を使って、印象を良くし記憶にとどめる効果を、私達も個人レベルで応用してみてはいかがでしょうか。

例えば、誰かにプレゼントを贈る際に、詩を添えてみる。

通常ある、感謝の気持ちや自分の気持ちなどをカードに書くのではなく、あくまでも「贈り物の品に関する詩」であることが重要です。良い例が上のチョコレートの詩です。

受け取り側はきっとこの意外性に驚きと喜びに満ち、印象と記憶が鮮明に残るはずです。

詩は、贈り物の品に関する著名人の詩を借用するのも良いですが、自分で創作するのも楽しいと思います。
真面目な詩でなくとも、キャッチーで面白い詩やロマンティックな詩など、TPOと贈り物の内容に応じて変化させると印象深いでしょう。

日本の神社でおみくじをひくと、運が和歌で表現されていることがありますが、日本的に和歌を添えても素敵かもしれません。

この夏は、贈り物をする際に詩や和歌を添えてみましょう! きっと喜ばれるはずです☆

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ChoaXaのチョコレートについていた詩。

トリアー・デザインホテルのレセプションにあった地域の詩。