池田美樹のLOVE♥ CITY WALK 夏だから。オープンエアで楽しもう!

(2008.08.05)
 狭い我が家に閉じこもって、エアコンでほどよく冷えた空気の中でしっとり、親しい人と食卓に向かい合うのも好きなのだけれど、夏の醍醐味を感じるのはやはり戸外でしょう、ということで、ガーデンパーティに誘われることも珍しくなくなった。

 先日行ったのは、山あいに広い邸宅を持つ知人の家。庭に白いテーブルクロスのかかったテーブルが置かれている。グラスと食器がセットされ、それを見ただけでワクワクしてくる。

 夏になると戸外で食事をしたくなるのは、子どもの頃にキャンプの楽しさを知ったからなのだろうか。年に一度だけ許されるぜいたくを、全身全霊で満喫したものだ。あの頃は一日がやけに長かった。

 学生になって初めて出かけた外国でオープンカフェを知り、衝撃を受けたことも今は昔。日本にもオープン席を備えたカフェが次々に登場し、今では当たり前の風景になった。

 デパートの屋上がお決まりだと思っていたビアガーデンも、昨年初めて行った、東京・神宮外苑の「森のビアガーデン」でイメージを覆された。ここは、樹齢100年以上の木々に囲まれながらビールを飲むことのできる、希少な場所。都会のど真ん中で森の中にいる気分を味わえるので気に入っている(今年はまだ行けていないけれど)。

 そうだ、季節は夏なのだ。庭もテラスもない都会の狭いマンションだからと、エアコンをかけて引きこもっている場合ではない。そこで、自宅でもオープンエア気分を味わおうと、窓という窓、普段は空けない裏口と玄関も開け放して、食卓をセットしてみた。

 テレビも消して、音楽もかけない。生ぬるい風が吹き抜けていく。先日、風鈴市で買った風鈴が時折小さな音を立てる。体じゅうから汗がにじみだしてくる。暑い。そして、だんだん慣れてくる。

 なんだか、体が空気とつながった気がした。そして飲んだビールのおいしかったこと! 目を閉じると、自分がどこにいるのか一瞬、忘れそうになる。

 なかなかゆっくり出かけるのもままならないけれど、たまにはこんな工夫で、暑い夏を乗り切ってみるのも楽しい。もちろん、誘われればまたガーデンパーティにもビアガーデンにも出かけるつもりだけどね!

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広い庭の一角にしつらえられた食卓。これだけでぜいたくな気分になれる。

招いてくれたのはスウェーデン出身の知人。伝統的な料理をふるまってくれた。これは前菜。

ニシンの酢漬けとクリームチーズ。これを、クネッケという堅いパンと一緒にいただく。

庭には季節の花やハーブがたくさん。これは食卓を囲んでいた満開のバラ。

(2008年8月5日 anan編集部 池田美樹)