島下泰久の世界の車道から – 今週はコレに乗った - 2010年5月9日〜5月15日編『フォルクスワーゲン フェートン』『フォルクスワーゲン ポロGTI』

(2010.08.19)

5月9日は日中、雑誌『ル・ボラン』の400号記念イベントのため横浜の赤レンガ倉庫へ。ここでトークショー的なことをやらせていただいた後、空港に向かって深夜便に乗り、ヨーロッパを目指した。パリを経由してシュトゥットガルトへ。いつもより長めの旅の始まりだ。

今回は2010年5月9日〜5月15日編です。
 

フォルクスワーゲン フェートン 5月11〜12日 オーストリア クラーゲンフルト周辺

シュトゥットガルトではメルセデス・ベンツの先進技術に関するワークショップに出席する。終了後、ウィーン経由でクラーゲンフルトへ向かい、フォルクスワーゲンのファンイベント“GTIミーティング”を見学した。

空港で待っていたのは、フォルクスワーゲンの旗艦にして日本未導入のフェートン。メルセデス・ベンツ、BMW、アウディの3強の前に、販売的には成功とは言えなかったフェートンだが、個人的には好きな1台だ。控えめなルックスも、質の高いつくり込みも、もっと売れてもいいのに…と思う。このクラスはやはりバッヂの重みが大きいということだろう。

避暑地の湖、ヴァルターゼーで行なわれたイベントには、何とヨーロッパ中から3万台の車両、15万人の人が訪れた。軽井沢銀座より狭いくらいの道に、思い思いのドレスアップを施したフォルクスワーゲンがひしめく様は圧巻。こういう熱いファンが成功した時には、きっとフェートンを…?

 
フォルクスワーゲン ポロGTI 5月14日 ドイツ フランクフルト〜ニュルブルクリンク

再びクラーゲンフルト空港からケルンへ飛び、そこからICEにてフランクフルトへ。ここでピックアップしたのが日本にも近日導入予定の新型ポロGTI。現在、大人気のポロのホットバージョンである。

ゴルフよりも軽量コンパクトな車体に、最高出力170psのエンジンとF1マシンのようなパドルシフトが可能なDSGの組み合わせで、走りは軽快。それでいて1.8ℓから1.4ℓへのダウンサイジング化などによって、燃費は約16.9km/ℓと、先代より3割以上も向上しているのだから恐れ入る。走りの楽しさを犠牲にせず、高効率を追求するのが、ドイツの自動車メーカーに共通の戦略なのだ。
実はポロGTIは、世界の中でも日本での販売比率が非常に高い1台である。サイズ、ブランド性、価格等々の色々な要素が、ニーズにぴたりと合っているのだろう。新型もきっと人気となるに違いない。

ポロGTIでフランクフルトを出て、向かった先はニュルブルクリンクサーキット。この週末は、ニュルブルクリンク24時間耐久レース観戦である。勉強して、イベントに行って、試乗して、レース観戦。クルマを様々な方向から満喫した1週間だった。気候が良くなると、ヨーロッパでは毎週何かしらのクルマ絡みのイベントがある。

レースの後、フランクフルトに戻り翌日帰国。しかしフランクフルトから日本便には直接乗れず、行きと同様、パリ経由で帰国したのだった。