ワガママおやじの面白三昧 歴史×遊び×ノスタルジー。『HOBO』の靴は一度お試しあれ。

(2010.02.25)

今年のピッティ・ウォモで、よく見かけたスタイルが細身のボトムにレッドウィングのアイリッシュセッターを合わせるというコーディネートだったそうだ。中にはタイトスーツに合わせた猛者もいたらしい。で、日本でもアウトドア系、ワーク系が注目を浴びているのはご存知の通り。時代は繰り返すというけれど、明らかにそのスパンが短くなってきているのは間違いない事実かもしれない。だって、猫も杓子もホワイトソールのアイリッシュセッターを履いていたのはつい先日のことだ。そういう話を聞いて街を歩いてみると、たしかにお洒落さんの足を件のワークブーツが飾っているというスタイルが目に付く。

一見どころか、じっくり見てもウイングチップです、これ。ちゃんとウイングだし、メダリオンもしっかり開けられてるし。ちょいと違うのはその形。「オデコ靴」ですよ、オデコ靴。最近はトンガリ系のアイロントゥなんてのまで出てるシューズ界だけど、これってまさしく昔流行ったオデコ靴シルエット。でも、ノスタルジーは感じさせるものの、ワークな感じも今っぽい感じもあってなかなかのおススメモノ。カジュアルにもスーツアップにもいけるスタイルです。38,850円(HOBO / GMT Tel. 03.5453-0033)

 
で、そういったワークブーツがキてるんじゃないの? という話を踏まえて、先日シューズの目利きに関しては素晴しいセンスを持つ『GMT』の展示会で発見したドイツの『HOBO』というシューズメーカーの商品のお話。

これがなかなか素晴しい。「アメリカンカウボーイ」というコンセプトを持つここんちの製品はクラシカルな中にも遊び心満載の逸品が勢ぞろい。中でも「ヴィンテージコレクション」は、そのグッドイヤーウェルト製法と相まって最高の仕上がりを見せる。マルチカラーあり、オデコ靴ありという画期的スタイルに加え、やはりヨーロッパが考えるアメリカ靴という感じで、トゥの長さが絶妙だったり、ゴツの中に柔らかさを感じさせたりと、アメリカンブランドでは成し得ないくすぐりを持っているのだ。言ってみれば、一見なんとはなしにノスタルジーを感じさせてるのだけれど、よくよく見れば今っぽくて楽しくなってくる、とまぁ、そんな感じのシューズである。

で、このブランド、最近のウケねらいブランドかと思いきや、創業はなんと1852年とかなり歴史のあるメーカー。それだけの歴史を持つとことは、その技術、製品のクオリティに関してはなんの問題もないだろう。歴史に裏打ちされた技術と遊び心が同居する『HOBO』のシューズ、是非とも一度お試しする価値ありなのは間違いない。当然、価格もリーズナブルなのでご心配なく。

8アイレットで3つはフックアイレット、キルト・タンにつま先の飾りステッチ、レースもレザー。というすべてにおいて本格派なウエスタンワークを表す逸品がこれ。が、一見してわかるようにマルチカラー、よくよく見るとラバーソールと、これこそノスタルジーと今を融合させたスタイル。昔懐かしのデティールを今風にアレンジするとこうなるというのを具現化してくれた逸品です。36,750円(HOBO/GMT)