ワガママおやじの面白三昧 「どぅるわかしー」と「めんどくさいの」。

(2009.01.05)

 沖縄が好きである。ゆるりと流れる時間、青い空、青い海、どこかとなく聞こえる三線の音、どうもそういった雰囲気にやられてしまっている。ご他聞にもれず外せないのが沖縄料理。スクガラス以外はなんでも美味いので始末が悪い。夏などは朝からのオリオンビールも手伝って、明らかに2~3キロはメタボ部分に栄養を補給してしまうのだ。

 そんななんでもんまい沖縄料理の中でも、ボクが最も愛してやまないメニューが「どぅるわかしー」という代物。どうやら「泥沸かし」という語源らしいのであるが、沖縄名産の田芋(ターンムと読みましょう)とその茎を煮てつぶし、そこにカステラかまぼこ、しいたけ、豚の三枚肉などなどをぶち込み、熱しながらネリネリしていくという、相当めんどくさい料理なのであるらしい。だが、これが絶品。とにかくんまい。友人と食べるときは必ず人数分注文する。そうしないと、いつの間にか自分の分がなくなってしまうという悲劇を生み出してしまう可能性があるからだ。

 で、この大好きなどぅるわかしーなのだが、メニューとして見る事は少ない。沖縄でもあまり見ないと言う話を聞くが、東京にいたってはほとんど見たことが無いのが現状である。ただ、行きつけの沖縄料理屋で「じつはどぅるわかしーが好きである」という話を切々と語ったら、店主が一言「ありますよ?」というではないか。「ナニナニアルノデアレバハヤクダサンカイ」とカタカナ風の焦りを見せつつ注文すると、これがちゃんとあるではないか。しかも相当に美味い。「ナニユエメニューニノセナイノカ。イカンイカン」とまたまたカタカナ交じりで店主にきつく問いただしたところ、「あ~めんどくさいんですよ、それ」。思わず全身の力が抜けましたね、わたしゃ。言うに事欠いて「めんどくさい」ですよ「めんどくさい」。まぁ、たしかに作り方等を調べると相当めんどくさいらしい。が、しかし・・・理由がめんどくさいからはないだろう。味は天下一品だし、絶対看板メニューになってもおかしくないとも思うのだが。

 その後、相当な回数その店を訪れているのだが、一向にメニューに載る気配は無く、ボクはいまだに「めんどくさいの2つ」と陰の符丁で人数分の注文を続けている。
 頑張って写真を撮ってみたのだが、どうもボケボケになってしまった。というか、このメニュー、ボクが知る限りでも相当フォトジェニックではないルックスなのだ。灰色でどろどろネバネバ。一見すると灰色の粘土、昔おばあちゃんが使っていた家で塗る膏薬、といった感じ。でも、食うと美味いのだなぁ、これが。是非一度ご賞味あれ。
 もし、どぅるわかしーをメニューで出しているお店をご存知の方は是非ともご一報を。どぅる天(どぅるわかしーを揚げたものですね)ではいかんのだよ。