加納忠幸のワイン飲もうよ 外務省のワイン(その1)。

(2009.02.13)

以前、私が会社を辞めて独立してから間もない頃、情報公開制度を使っていろいろな省庁から興味のある情報を暇に任せて集めた時期があります。

古いお話で恐縮ですが、その話を書かせていただきます。

今回は外務省が買い集めているワインのお話。外務省では、いろいろな外務省主催のイベントを行うときのために予算を使ってワインを買い集めています。

そこでどんなワインをどのくらいの量買っているのか調べてみました。

情報公開制度というのはその存在そのものは知っていましたがどのようにすると情報公開をしてもらえるのか事前の知識はありませんでした。そこで、体当たりで外務省へ乗り込んでみました。

今回はそのリストを入手するまでのことを書いてみます。

1.外務省情報公開のホームページにアクセス
情報公開のホームページで「開示請求書等の情報公開関連標準書式」を入手。(申請書は外務省へ足を運ばなくても、ホームページからダウンロードできます。)

2.申請書に必要事項を記入
情報公開を申請する場合、各年度につき1枚の申請書が必要。当時の申請では、平成8年度から平成13年度まで、年度ごとに「ワインの購入に関して金額と銘柄が確認できる文書」ということで、5通申請書を作成しました。

3.申請手続き
外務省に赴き、申請書を提出。申請当時の外務省はプール金問題や公金流用問題の最中で、厳重に警備中。敷地内に入るためには正門入口で氏名のわかるものの提出を求められました。なお、駐車場にはNHKの中継車がエンジンをかけたまま停まっていたのが印象的でした。

申請したものがすべて受け付けられるわけではなく、申請書を提出すると審査があり、それが認められて初めて申請書が受け付けられます。なお、申請料は1件に付き300円。5件申請したので1,500円支払いました。受付が認められた申請に対しては「開示請求の受付について」という文書が発行されます。

4.行政文書開示決定通知
申請書を提出して1ヶ月ほどたつと「行政文書開示決定等通知書」が郵送され
てきます。5件申請しましたが、平成12年度と8年度はワインの購入実績がないため、開示できるのは平成9、10、11年度の文書との回答でした。
この通知を受けてから、閲覧を希望するか、郵送による写しの交付を求めるかを添付されている「開示請求対象行政文書一覧表」に記入の上、郵送します。私は郵送による写しの交付を申請。閲覧、または写しの交付を依頼することができるのは、この決定通知の日付から更に12日後でした。
なお、この決定通知の発行者が田中眞紀子外務大臣で、外務大臣の印が押してあったのにはちょっとミーハー心がくすぐられました。

5.開示文書入手
開示が決定され、交付を依頼してから待つこと約2週間、外務省の封筒に「情報公開関連文書在中」とスタンプを押した郵便物が配達されました。
はやる気持ちを抑えて開封してみると出てきた書類は外務省がワインを購入したときの請求書のコピー。ただのコピーと異なるのは写真のように部分部分が黒く塗りつぶされていること。何が塗りつぶされているか推測すると、ワインショップの電話番号、振込先銀行等、外務省の担当者名でした。
それでもワインショップ名が消えていないので、電話番号を消した意味がどこにあるのかは不明。あまりにも生々しい書類を手にして、これらの書類をどのように扱うべきか悩んでしまったというのが実情です。

なお、開示請求から開示文書の入手まで、40日を要しました。