島下泰久の世界の車道から ~今週はコレに乗った~ 2010年1月24日〜30日編。『トヨタ プリウス プラグインハイブリッド』、『スズキ キザシ』など。

(2010.02.22)

毎日クルマに乗るだけでは仕事にはならず、それを原稿というかたちにして禄を食んでいる私。しかも合間には雪の北海道にもスタッドレスタイヤの試走に出掛けたり、雪の北見でほっけをつついたりしていた。そんな1週間に乗った新しいクルマは3台。今回は2010年1月24日〜1月30日編です。

 

トヨタ プリウス プラグインハイブリッド 1月25日 水道橋〜お台場

2年以内の市販を目指して開発中のプラグインハイブリッド(以下PHV)。市販のプリウスとの一番の違いは家庭などのコンセントから充電した電気で走らせることができるということだ。リチウムイオン式の大容量バッテリーを積んでいて、時速100km、距離にして23.4kmまでエンジンを使わず走ることができる。夜間電力で充電すればランニングコストも抑えられるというわけである。

世間は昨今、電気自動車ブーム(以下EV)。けれどEVで長距離を走らせようとすると大量のバッテリーが必要で、クルマは重くなるし値段も上がる。PHVなら日常使う範囲はほぼ電気だけで走らせられ、それ以上の距離だと普通のハイブリッド車として使えるので、“電欠”の心配が要らず普段は安心してEVとして使えるし、長距離だってそのまま出掛けられる。エンジンとモーターを積むとは言っても沢山のバッテリーを積むよりコストも安い。

そんなわけで個人的には今後の本命はPHVかなと思う次第。最近ではブレーキ問題もあったプリウスだけど、取り敢えずそれも解決したので、今度はできるだけ早く、そして安い値段で、PHVの市販を実現してほしい。ちなみに予想は来年末くらいの発売で、価格は減税等々も使ってプリウスの50万円増しという辺りかと。

 

某ディーゼル乗用車 1月29日 都内近郊

まだ詳細は言えない、書けない某新型ディーゼル乗用車を味見。エコカーはハイブリッドやコンパクトカーばかりじゃないぞということで。

 
スズキ キザシ 1月29日〜2月1日 都内近郊

日本では軽自動車のイメージが強いスズキが送り出したコンパクトセダン。主市場はアメリカで、海外でも同じ名前で売られている。

悪いクルマではないけれど、特にプッシュする要素も無いというのが正直なところ。軽自動車や小型車なら必要な性能を満たしているだけで十分かもしれないけれど、このクラスになると「キザシじゃなくては」という部分が無いと厳しい。同じような値段でVWゴルフも買えるのに、それでもキザシを買いたくさせる何かが。個性的なデザインでも、艶っぽいインテリアでも、気持ちいいエンジンでも、なんでも…。それこそ,このサイズを日本の軽自動車のように使うアメリカではこれでいいのかもしれないけれど。

それにしても、なんでこの名前なんだろう…。兆しだけじゃ、ねぇ?

この週はハイブリッドとディーゼル、今後一層期待されるエコカー二大勢力の最新版に乗ることができた。最新エコカーは燃費がいい、環境にいいというだけでなく、走らせても面白いし、中身も興味深いところが満載。それだけに、その面白さをいかに噛み砕いて伝えていくか、試されますね。精進せねばと誓った1月の終わり。BGMは怒髪天の『ド真ん中節』で。