加納忠幸のワイン飲もうよ 国産ワインコンクール公開テイスティング&表彰式。

(2010.09.03)

ここ10年弱、加納家の年中行事と化している
国産ワインコンクールの公開テイスティングへ今年も行ってきました。

私は飲んだ後、東京まで帰るのが辛いので、
去年までは毎年石和温泉に宿を取って石和温泉まで車、
石和温泉から甲府まで電車に乗ってテイスティング会場へ
という方法を取っていました。

ただ、石和温泉の定宿にちょっと飽きたのと
車と電車を併用するのが面倒になってきたという理由で
今年はテイスティング会場の甲府富士屋ホテルを予約して
飲んだらすぐに寝られる体制をとって出発。

夏休み最後の土曜ということで中央高速の渋滞にもつかまりましたが
7:30頃府中を出発して、宿にはテイスティングが始まる10:00の
20分前くらいに到着することができました。

実は今回で私にとって7回目となる公開テイスティングですが、
テイスティングが始まる前に会場に到着したのは初めて。
ここのところ人気が上昇して入場券もプラチナチケット。
会場に到着したときに驚いたのは
なんと、10:00前から会場に入場待ちの列ができていたこと。

私も列に並んで、間もなく入場。
このところの人気上昇で、壁際に並んでいる銅賞のワインは、
試飲分が2本しかなく、人気のあるものからなくなってしまうので
特に人気が高いスパークリングワインから試飲を開始。

最初はハイペースで試飲をしていても、
色々知り合いの方に会うのでだんだん試飲のペースが落ちていきます。

そしてある程度試飲が進んだ12:00に、表彰式が始まります。

壇上には今年金賞受賞のワインが
うやうやしく金屏風の前に並んでいます。

銀賞受賞までは代表者の方が
表彰状と楯を受け取ります。

そしてこちらが、金賞受賞者の方々。
金賞受賞者は一人一人受賞の挨拶があります。

挨拶は、毎年金賞受賞の常連ワイナリーと、
今年初めて金賞を受賞したワイナリーとで挨拶にも差があり、
初受賞ワイナリーの挨拶にはどちらも嬉しさがにじみ出ていて
大変ほほえましく感じました。

さて、試飲した印象を少し書きますと、

  1.全体的に品質レベルが高くなっている。
  2.壁際の銅賞ワインにも自分だったら金をつけたくなるものもある。
  3.酸がきれいで、すっきり系の甲州はあまり高評価が得られなかった。

といったところです。

私は、今回は審査会も取材しているので、
審査会の人選や審査の進め方が厳正なものであることは
自分の目で確かめました。

ただ思うのは、審査員の一つのグループは
6人のメンバーで構成されているので、
たとえば常連の審査員と、初めて審査をする人では、
発言のしやすさにも違いがあるのではないかと
今回の試飲や聞いた話から感じざるを得ませんでした。

かと言って、審査の人選や方法をこれ以上変更するのも
あまり現実的とは思えません。
メダルの色がどうなるかについては、
かなり時の運が作用してしまうということでしょう。

そこで思うのは、私たちがこのコンクールの賞を評価するに当たって、
金賞が一番えらいという先入観を取る必要があるのではないかと言うこと。
私たち流通も消費者も、そのようにこの賞を見て欲しいと思います。

もう一つ、問題と感じたのは、
金賞受賞ワイナリーに金賞ワインの在庫を訪ねたところ、
受賞発表と同時にほとんどなくなってしまったというところがほとんど。

普段あまり日本ワインを売っていないような酒販店が、
このときとばかりにこの金賞ワインに飛びつくのも、ちょっと問題です。
ちなみに、銀賞ワインは多少注文が多くなったとしても
すぐに在庫がなくなったりすることはないのですから。

会場はこんなに盛況。
午後になって、忘れた頃また壁際の試飲していないワインを飲もうとしたら、
既に人気ワイナリーのものはほとんど空になっていました。

国産ワインの品質向上に確実に貢献してきた国産ワインコンクール
私が感じたような疑問もありますが、
これからも国産ワインの品質向上のため進化を遂げて欲しいと思います。