Book of the Year
2011-2012 今年最高の本 !

(2011.12.12)

「今年最高の本!」は、常に新刊に目配りしている新聞・雑誌の書評担当者の投票で、本当に面白かった本を決める企画。もともと雑誌『ダカーポ』の人気企画だったものですが、今年は、デジタル・メディアとして再出発したWEB版『dacapo』に舞台を移して、復活です。本当に面白い本はなにか?

震災の年に生き方を見つめ直す本がブレイク。

A みなさん、おひさしぶりです!「今年最高の本!」、新装なった『dacapo』で復活です。時代の転換期になるかもしれない2011年の「今年最高の本!」、新聞・雑誌の書評担当の方にそれぞれ5冊ずつ高評価の本を1位から5位までアンケート形式で挙げてもらいました。

A、B、C お忙しい中、ご協力いただいた皆様、ありがとうございました!

B 3月11日に東日本大震災、原発事故も発生した今年は、どんな本が目立ったのでしょうか。

A 挙がったタイトルは結構バラバラで、媒体によってだいぶ違うけど、「震災」「東北」「原発」「生と死」など東日本大震災をイメージさせる本がやっぱり多かったね。

B では、早速始めましょう。2011年、栄えある第1位は……。ジャンジャカジャーン! 各メディアで注目され続けた闘病エッセイでした!

C 今年の1位は、大野更紗さんの『困ってるひと』です! 6月に発売して、11月末までの売上は15万部に達しています。内容は、突然原因不明の難病になってしまった女子大学院生のエッセイ。現代の日本社会に対する不満を描きながらも、難病にめげずに生き抜く明るさも備えた作品となっています。

B この作品は、糸井重里さんも推薦していて、著者の大野更紗さんとの対談も行われたそう。新聞やテレビでもかなり紹介されていますね。

A 『読売新聞』の村田さんは、「著者のバランス感覚に驚かされる。所々に笑いやユーモアがある。読者は、楽しんで読みながら、いつしか社会のあるべき姿を考えさせられている」とコメントしています。

C 『北海道新聞』の大口さんも、「単なる闘病記ではない。難病の進行に伴う苦痛はもとより、患者同士の恋も。一般には実感されにくい、患者目線の世界をリアルに見せながら、一人の女性の懸命な『生』を率直に告白している。ユーモアあふれる文章も読者の間口を広げ、共感を呼んだ」と絶賛です。

A この作品は、『週刊SPA!』の藤田さんや『婦人公論』の三浦さんも評価しています。難病という深刻な「生と死」の問題に向き合いながらも、明るく生きる著者の素直なメッセージに心を打たれた読者が多いようです。

C 日本の社会では、難病患者は、難民のように生き辛い。また、今年は震災の影響もあって、医療難民も多いと聞きました。著者の大野さんは原発事故のあった福島県出身でもあります。震災についても語られていて、闘病と震災という二重の意味で注目を集めた一冊でした。
 

『困ってるひと』 大野更紗/ポプラ社/1,470円
発表! 新聞・雑誌の書評担当者が選んだ
2011年 最高の本 ランキング!
1位 困ってるひと
大野更紗/ポプラ社/1,470円
2位 笑い三年、泣き三月。
木内昇/文藝春秋/1,680円
3位 スティーブ・ジョブズ』(I・II)
ウォルター・アイザックソン、 井口耕二(訳)/講談社/各1,995円
4位 地雷を踏む勇気〜人生のとるにたらない警句
小田嶋隆/生きる技術!叢書 技術評論社/1,554円
4位 下町ロケット
池井戸潤/小学館/1,785円
6位 ラブレス
桜木紫乃/新潮社/1,680円
6位 「フクシマ」論 原子力ムラはなぜ生まれたのか
開沼博/青土社/2,310円
8位 マザーズ
金原ひとみ/新潮社/1,995円
8位 木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか
増田俊也/新潮社/2,730円
10位 未来ちゃん
川島小鳥/ナナロク社/2,100円

 

戦後の復興の物語に共感する、いまという時代。

B 続いて第2位は……木内昇さんの『笑い三年、泣き三月。』。これは「復興」を描いた小説です。

A この作品は、太平洋戦争終戦直後の日本が舞台。旅まわりの芸人、映画監督志望だった復員兵、活字中毒の戦災孤児の3人が、「エロ」に燃え、「お笑い」に悩み、「写真」にはまる……。焼け野原の浅草で奮闘する男たちの物語です。

C 「生と死」に続いて「復興」というのも、2011年らしい顔ぶれだなぁ。

B 『週刊ポスト』編集部から「他人に言えない過去を持つ者どうしが一緒に暮らすけれど、全てを打ち明けることはしないし詮索もしない。それでもお互いを思いやる中で絆は生まれていく。戦後上野の描写も丁寧」とのコメントをいただいています。戦後の上野の匂いが伝わる作品です。

C この『笑い三年、泣き三月。』を挙げられた方々のコメントには共通した感想があって、それは「卵かけごはんが美味しそう」というもの(笑)。

A つい数年前から卵かけごはんはブームになりましたね。居酒屋などでもメジャーなメニューになりつつあるようです。

B 書籍でも映像でも、名作と呼ばれる作品には、「食事のシーンが美味しそう」というのがあるよね。

A 確かに食事が美味しそうな作品にハズレは少ないね。

『笑い三年、泣き三月。』木内昇/文藝春秋/1,680円

 

巨星落つ。読み応えありの伝記。
A 第3位は……ウォルター・アイザックソン、 井口耕二(訳)の『スティーブ・ジョブズ 』I・II、です。

B 時代を切り拓き、2011年に亡くなった世紀のアントレプレナー、スティーブ・ジョブズ。アップル創設の経緯から、iPhone、iPadの誕生秘話や経営哲学など、ビジネス書、経営書としても読みごたえアリ。ライバルのマイクロソフトの経営者ビル・ゲイツをはじめ、アル・ゴアなどなど世界的に著名な関係者百数十名へのインタビューもありボリュームも満点。

C 『日本経済新聞』の干場さんは「天才ジョブズの複雑極まりない内面に迫る筆致はスリリング。カリスマ経営者の単なる評伝というだけでなく、アメリカ現代史として抜群に面白い。アップル信者でない人も読んでほしい」。『クーリエ・ジャポン』の編集部からは「良い素材を良い書き手が料理するとこうなる、という良い例。しっかりした取材、魅力的な細部の描写、そして読みやすさ。英米伝記文学の良い伝統がつまっている」とコメントをいただきました。

B 取材嫌いで有名なジョブズでしたからね。ここまでボリューム満点にできたのは、ジョブズ本人が特別に長時間の取材を受けたからなんですね。IT関連の書籍らしく、電子書籍での売り上げも1位です。

C この作品、発売10日で100万部突破と、大ベストセラーになりました。この本、上巻の発売が10月24日、下巻が11月2日ということで、アンケートの回収までに読めなかった人もいたんじゃないかな。時期が少し違えばランキングも変わっていたかもしれない。

『スティーブ・ジョブズ 』(Ⅰ・Ⅱ)ウォルター・アイザックソン、 井口耕二(訳)/講談社/各1,995円

 

震災後の日本をどう捉えるか。

A では、第4位……小田嶋隆さんの『地雷を踏む勇気~人生のとるにたらない警句』。日経ビジネスオンラインで連載されていたコラムをまとめた一冊です。

B コラムニストの小田嶋隆さんが、地雷やタブーを恐れず3.11以降の日本を切る。「東電」、「保安院」、「復興会議」などを、毒舌や嫌味というよりは痛快に語っています。

C 『宝島』の高岡さんは「思慮深く謙虚な語り口で、淡々と王様が裸であることを指摘。何よりユーモアが利いている。震災後の日本でもっとも面白くクールな知性だと思います」とコメント。他にも『週刊SPA!』の藤田さんは「小田嶋氏の時事コラムは、どう捉えればよいのかわからない事象に直面したときの心細さに対する、またとない処方箋」とも。

A 小田嶋さんのコラムって、軽快で小気味いいよね。毒舌がブームの昨今だけど、彼の批評って毒舌ってわけではないけど、それでいて鋭い。読者をハッとさせ、震災後の日本人の生き方のヒントになりそうなコラムが4位にランクインしました。
 

『地雷を踏む勇気~人生のとるにたらない警句 (生きる技術!叢書)』小田嶋隆/技術評論社/1,554円

 

勇気が出る。今年最高の文芸作品。

C 4位は同率でもう1作品がランクインしましたね。池井戸潤さんの『下町ロケット』。11年上半期の直木賞作品だね。まさに胸を熱くする小説です。

B 下町の小さな町工場が、ライバルの大手企業、日本を代表する大企業と熱いバトルを繰り広げる現代小説です。取引先大企業からは圧力がかかり、メインバンクからの資金援助も難航。それでもロケットエンジンに夢をかける。夢と現実を見つめ、社員と家族を背負った町工場の明日はどうなる……。

C あらすじだけでも、かなり熱い話だということが伝わってくるね。『読売新聞』の村田さんは「今夏の直木賞受賞作の本作は、町工場の人々の奮闘を熱く熱く描写し、働くこと、夢を持つことの大切さを改めて教えてくれる。抜群のリーダビリティーで、誰もが『小説って面白い』と感じられるはず。元気が足りないな、と感じている人にお勧め」とのこと。現代人の心のカンフル剤のような本ということでしょう。

B 『AERA』の伊藤さんからも「エンターテインメントの傑作として、最近の最高峰といえるでしょう。登場人物はだれもが魅力的。泣ける1冊です」。読んでいて胸が熱くなり、泣ける。エンターテインメントの王道ということですね。さっすが文学賞作品!

『下町ロケット』池井戸潤/小学館 1,785円

 

2011年は「原発本」を避けて通れない。

A 「震災」というテーマでは、第6位に開沼博さんの『フクシマ論』も挙がっています。

B 『フクシマ論』は、東京大学大学院に在籍している著者が今年の初めに書き上げた論文をもとにつくられた一冊。この本は3.11以前にまとめられている本なのですが、サブタイトルの原子力ムラがいかに作られたのかをデータをもとに緻密に論じています。福島県いわき市出身の著者の地元愛があふれている一冊。

C 日本経済新聞の干場さんは「最大の被害者である立地自治体の構造問題を撃つ問題作。原発推進・反対の2極対立に陥らず、中央と地方の関係のありようを冷静に分析している。読みやすい1冊」と。

『週刊文春』の編集部からは「震災後それでもなお強固に原発支持にまわる地方の体質。その内部のメカニズムと懐柔の歴史の鋭い分析は、表面的なきれい事や政治スローガンだけでは解決できないこの問題に重要な示唆を与えている」とのことです。原発問題を考えさせる重厚な一冊ですね。

A 原発問題を考えるということでは、『AERA』編集部の伊藤さんが山本義隆さんの『福島の原発事故をめぐって』をオススメしています。他にも『創』の宮田さんが佐野眞一さんの『津波と原発』、宮台真司さんと飯田哲也さんの対談『原発社会からの離脱』を挙げています。

『「フクシマ」論 原子力ムラはなぜ生まれたのか』 開沼博/青土社/2,310円
女の幸福はどこに? 迷える生き様を描く2作。

A さてランキングにもどりましょう。第6位も同率で2タイトルが挙がりました。もう一方のタイトルは、「女」をキーワードにした作品です。桜木紫乃さんの『ラブレス』。

B 北海道の極貧で愛のない家に生まれた百合江が主人公。1951年、百合江は儚い夢を信じ、奉公先から逃げ出して旅の一座に飛び込む。「愛」に裏切られ続けた「女」は何に幸せを感じて生きていたのか。辛く壮絶な女の一代記を描いた小説です。

C 『日刊ゲンダイ』の愛場さんによると、「ダメな男ばかり好きになり、苦労のすえ孤独死する主人公だが、必ずしも不幸には見えない。北海道を舞台に男と女の生きざまを艶やかに描く、昭和の香りたっぷりの渾身作」とのこと。『読売新聞』の村田さんは「貧しい北海道開拓民の子として生まれた女性の波乱万丈の一生をたどる物語。運命に弄ばれ、流された彼女はしかし、幸福な人生だったと振り返る。柳のようなしなやかさで悲しみを受け流し、その時々で人生に折り合いを付けてきたからだった。読めば、人はこうも生きられるのかと感嘆し、最後には静かな幸福感に包まれ、涙することだろう」とコメント。

B 不幸から不幸に渡り歩く主人公なのに、どこか明るく飄々と生きている主人公。幸せとは何かを深く考えさせられる作品です。

A 第8位も「女」がキーワードです。今回は、女は女でも「母」がテーマ。金原ひとみさんの『マザーズ』。03年に芥川賞を受賞した『蛇にピアス』でお馴染みの金原さんの作品。金原さんの描く「母」はとってもシリアス。

B 3人の若い母親たちの視点で物語は進みます。同じ無認可の保育園に子どもを預ける3人の母親。精神が不安定でクスリに手を出している作家のユカは、夫とは週末婚状態。夫が育児に参加せず、不満がたまっている専業主婦の涼子は、わが子を虐待している。そして夫に心を残しながら、不倫相手の子を妊娠するのがモデルの五月。3人の母親から見えてくるリアルな母親像とは。

C 『婦人公論』の三浦さんは「ひとたび子を産み落とすや、女としての時間は奪われ、夫との関係性は崩れる。個人のアイデンティティを揺さぶる『母になる』という体験、つまり出産によって女性の心と体に何が起こるのか、ぜひ男性たちにも知ってほしい」と、男性に推薦していますね。

A 『北海道新聞』の栗山さんは「密度の濃い筆致で、母親の孤独や葛藤、喜びをも描いた長編小説。息苦しくなるほどの迫力に満ちており、圧倒された。著者のこれまでの作品は、この小説を書くための序章だったとまで思えてしまうぐらいの傑作」。まさに、母の苦悩を理解するための一冊でしょう。

B 「親の心子知らず」なんて言いますが、人は誰しも母親のおかげで、この世に生まれます。親の苦労を知るにはいいかも。「女には母性愛がある」ことを強要されている母親たちの抱える孤独と焦燥、幸福を描きだしています。

『ラブレス』桜木紫乃/新潮社/1,680円
『マザーズ』金原ひとみ/新潮社/1,995円
昭和の時代に翻弄された柔道家。

A 同率で第8位はもう一冊あります。『木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか』です。

B 「木村政彦って誰?」って人もいると思うので説明します。「木村の前に木村なく、木村の後に木村なし」と讃えられた、史上最強の柔道家です。全日本選手権13年連続制覇、天覧試合優勝も含め、15年間不敗のまま引退した伝説の天才柔道家です。一日10時間を超すトレーニングを行い、「負けたら腹を切る」という考えで試合前夜には短刀で切腹の練習をしたという数々の仰天エピソードもあります。

A プロレスラーに転向後は、あの力道山とタッグを組む。しかし、力道山と仲違いし、「昭和の巌流島」と呼ばれる、木村VS力道山の試合につながります。

C 実は、その試合の直前、関係者同士の話し合いで、引き分けになる予定だったのだけど、力道山がまさかの裏切り。木村政彦はボコボコにされて、最後は失神してしまう。『木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか』は、著者の増田俊也さんが木村政彦の名誉回復のために「昭和の巌流島」の真相に迫るという作品です。

A 格闘技専門誌『ゴング格闘技』で4年も続いた長期連載が待望の書籍化。増田さんは執筆する時に感情移入をしていたため、木村政彦が攻撃を受けたり、負ける試合の場面では、辛くて泣きながら執筆していたそう。著者の木村政彦に対する熱烈な愛を感じる作品だね。

B 『週刊現代』の伊藤さんは「不世出の武道家のすさまじい人生のみならず、柔道界、興行界、政財界、マスコミ界、やくざ界の怪物的な面々が織りなす奇々怪々な昭和の裏面史に一気に引き込まれる。ノンフィクションを読んで涙が出たのは久しぶりだった。圧倒的な大著」とベタ褒め。男の心を熱くする一冊なんですね。

C この本によると木村政彦という人は、東条英機暗殺計画の実行犯になっていたかもしれない……。など、戦争史の側面も描いていて、昭和史の暗部の勉強にもなります。

A ではここでガラっと趣向が違う本の紹介です。第10位にランクイン。川島小鳥さんの写真集『未来ちゃん』です。もう可愛くてしょうがないです。

B 一年間一人の女の子を撮り続けた写真集。撮影場所は佐渡島。装丁はデザイナーの祖父江慎。本からモデルの女の子が飛び出してくるような躍動感を感じます。

C 『週刊SPA!』の藤田さんからは「心を摑まれずにはいられない写真集」、『婦人公論』の三浦さんからは「笑う、怒る、青っぱなを垂らす――なぜか昭和の香りがする佐渡島の少女は、あの子にもこの子にも似ている。きっとかつての私にも……。和ませられ、時にひやりとさせられる写真集を、すべての人に」とのコメントをいただきました。

B 「子ども」とか「動物」が主役のものに人って弱いですよね。あと「グルメ」にも(笑)。「子ども」「動物」「グルメ」のどれかが魅力的なものに、ついつい心が惹かれます。

『木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか』増田俊也/新潮社/2,730円
『未来ちゃん』川島小鳥/ナナロク社/2,100円
話題満載だった’11年。’12年はアノ人も作家デビュー!?

C ここから番外へ。2011年に『売れた本』を見ていきましょう。’11年の総売上ランキング(トーハン調べ、12月2日現在)では、『謎解きはディナーのあとで』が1位ですね。本屋大賞も受賞したミステリー短編集。軽快なタッチが話題を呼び、桜井翔さんと北川景子さんの主演のドラマ化で話題になりました。2位は『体脂肪計タニタの社員食堂 500kcalのまんぷく定食』、3位は『続・体脂肪計タニタの社員食堂 500kcalのまんぷく定食』となってます。

B 『謎解きはディナーのあとで』は続編の『謎解きはディナーのあとで2』が11月に発売され、こちらの売れ行きも好調みたいですね。2位と3位は同じシリーズの「健康と食」がテーマ。体重計メーカーの食堂とそのレシピにスポットを当てた、大変ユニークな健康本ですね。

C  あと’12年に向けて注目のニュースを一つ。男性アイドルグループ・NEWSの加藤シゲアキさんの小説家デビューが決まったという発表が11月末にありました。タイトルは『ピンクとグレー』。発売は来年の1月末とのことです。10年に話題を集めた齋藤智裕(水嶋ヒロ)の『KAGEROU』を超えられるのか!?

A  東日本大震災と福島第一原発事故があり、時代の転換期となる2011年。辛い現実の一方で、嬉しい出来事もありました。「なでしこJAPAN」の優勝です。他にも「タイガーマスク運動」など心温まるニュースも。2012年は、明るく温かい出来事とそれをテーマにした名著の誕生を切に願います。

総合週刊誌の書評担当者が選ぶ、最高の本ランキング

AERA

  1. 『下町ロケット』池井戸潤/小学館/1,785円
  2. 『終わりなき危機 君はグローバリゼーションの真実を見たか』水野和夫/日本経済新聞出版社/2,940円
  3. 『福島の原発事故をめぐって いくつか学び考えたこと』山本義隆/みすず書房/1,050円
  4. 『悪党 小沢一郎に仕えて』石川知裕/朝日新聞出版/1,680円
  5. 『報道写真全記録2011.3.11-4.11 東日本大震災』朝日新聞社/朝日新聞出版/1,575円

サンデー毎日

  1. 『日の丸を視る目 石川真生写真集』石川真生/未来社/5,040円
  2. 『消失グラデーション』長沢樹/角川書店/1,575円
  3. 『ホームレス歌人のいた冬』三山喬/東海教育研究所 東海大学出版会/1,890円
  4. 『コンニャク屋漂流記』星野博美/文藝春秋/2,100円
  5. 『ソーシャルメディア進化論』武田隆/ダイヤモンド社/1,890円

週刊朝日

  1. 『転迷 隠蔽捜査〈4〉』今野敏/新潮社/1,680円
  2. 『春から夏、やがて冬』歌野晶午/文藝春秋/1,575円
  3. 『カラスの親指 by rule of CROW’s thumb』道尾秀介/講談社文庫/1,780円
  4. 『灰色の嵐』ロバート・B・パーカー、加賀山卓朗(訳)/ハヤカワ・ミステリ文庫/924円
  5. 『日本のコピー ベスト500』安藤隆、岡本欣也、仲畑貴志、 前田知巳ほか/宣伝会議/2,100円

週刊現代

  1. 『おまえさん』(上下)宮部みゆき/講談社文庫/各880円
  2. 『警官の条件』佐々木譲/新潮社/1,995円
  3. 『木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか』増田俊也/新潮社/2,730円
  4. 『これはペンです』円城塔/新潮社/1,470円
  5. 『荒木飛呂彦の奇妙なホラー映画論』荒木飛呂彦/集英社新書/798円

週刊文春

  1. 『オバマの戦争』ボブ・ウッドワード、伏見威蕃(訳)/日本経済新聞出版社/2,520円
  2. 『「フクシマ」論 原子力ムラはなぜ生まれたのか』開沼博/青土社/2,310円
  3. 『遺体ー震災、津波の果てに』石井光太/新潮社/1,575円
  4. 『金米糖の降るところ』江國 香織/小学館/1,680円
  5. 『蛙鳴(あめい) 』莫言 、吉田富夫(訳)/中央公論新社/2,940円

週刊ポスト ※順不同

  • 『空也上人がいた』山田太一/朝日新聞出版/1,260円
  • 『舟を編む』三浦しをん/光文社/1,575円
  • 『オーダーメイド殺人クラブ』辻村深月/集英社/1,680円
  • 『笑い三年、泣き三月。』木内昇/文藝春秋/1,680円
  • 『漁港の肉子ちゃん』西加奈子/幻冬舎/1,470円

SPA!

  1. 『ジェノサイド』高野和明/角川書店/1,890円
  2. 『困ってるひと』大野更紗/ポプラ社/1,470円
  3. 『地雷を踏む勇気 人生のとるにたらない警句』小田嶋隆/生きる技術!叢書 技術評論社/1,554円
  4. 『グッバイ艶』南川泰三/幻冬舎/1,575円
  5. 『未来ちゃん』川島小鳥(写真集)/ナナロク社/2,100円


総合月刊誌の書評担当者が選ぶ、最高の本ランキング

WiLL ※順不同

  • 『ご先祖様はどちら様』高橋秀実/新潮社/1,470円
  • 『飢餓浄土』石井光太/河出書房新社/1,680円
  • 『木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか』増田俊也/新潮社/2,730円
  • 『国民皆保険が危ない』山岡淳一郎/平凡社新書/756円
  • 『1985年のクラッシュ・ギャルズ』柳澤健/文藝春秋/1,600円

クーリエ・ジャポン

  1. 『スティーブ・ジョブズ』(I・II)ウォルター・アイザックソン、 井口耕二(訳)/講談社/各1,995円
  2. 『疾走中国 ─ 変わりゆく都市と農村』ピーター・ ヘスラー、 栗原泉 (訳)/白水社/2,730円 
  3. 『中国共産党 支配者たちの秘密の世界』リチャード・マグレガー、 小谷まさ代(訳)/ 草思社/2,415円
  4. 『ダニエル・カーネマン 心理と経済を語る』ダニエル・ カーネマン、友野典男・山内あゆ子(訳)/楽工社/1,995円
  5. 『米国製エリートは本当にすごいのか?』佐々木紀彦/東洋経済新報社/1,575円

月刊宝島 

  1. 『地雷を踏む勇気 人生のとるにたらない警句』小田嶋隆/生きる技術!叢書 技術評論社/1,554円
  2. 『権力 VS. 調査報道』高田昌幸、 小黒純/旬報社/2,100円
  3. 『東京ポッド許可局〜文系芸人が行間を、裏を、未来を読む〜』マキタスポーツ、プチ鹿島、サンキュータツオ、 みち/新書館/1,890円
  4. 『文化系のためのヒップホップ入門』長谷川町蔵、 大和田俊之/アルテスパブリッシング/1,890円
  5. 『代々木忠 虚実皮膜  AVドキュメンタリーの映像世界』東良美季/キネマ旬報社/1,680円

ソトコト

  1. 『コミュニティデザインー人がつながるしくみをつくる』山崎亮/学芸出版社/1,890円
  2. 『フェルメール 光の王国』福岡伸一、 小林廉宜/翼の王国books 木楽舎/2,310円
  3. 『文明の災禍』内山節/新潮新書/714円
  4. 『もしもノンフィクション作家がお化けに出会ったら』 工藤美代子/メディアファクトリー/1,365円
  5. 『日本ボロ宿紀行』上明戸聡 /鉄人社/1,470円

  1. 『思想地図β vol.2』東浩紀、津田大介、和合亮一、 藤村龍至/合同会社コンテクチュアズ/2000円
  2. 『津波と原発』佐野眞一/講談社/1,575円
  3. 『原発社会からの離脱 自然エネルギーと共同体自治に向けて』宮台真司、 飯田哲也/講談社現代新書/798円
  4. 『トラウマ映画館』町山智浩/ 集英社/1,260円
  5. 『A3』森達也/集英社インターナショナル/1,995円

婦人公論 ※順不同

  • 『たったこれだけの家族ー河野裕子エッセイ・コレクション』河野裕子/中央公論新社/1,470円
  • 『マザーズ』金原ひとみ/新潮社/1,995円
  • 『未来ちゃん』川島小鳥/ナナロク社/2,100円
  • 『セクハラの誕生 日本上陸から現在まで』原山擁平/東京書籍/1,680円
  • 『困ってるひと』大野更紗/ポプラ社/1,470円

文藝春秋

  1. 『低開発の記憶』エドムンド・デスノエス、 野谷文昭 (訳)/白水社/2,100円
  2. 『キュレーションの時代ー「つながり」の情報革命が始まる』佐々木 俊尚/ちくま新書 定価945円
  3. 『秋葉原事件ー加藤智大の軌跡』中島岳志/朝日新聞出版 定価1,470円
  4. 『裁かれた命 死刑囚から届いた手紙』堀川惠子/講談社/1,995円
  5. 『健康半分』赤瀬川原平/デコ/1,260円


新聞の書評担当者が選ぶ、最高の本ランキング

朝日新聞 ※順不同

  • 『想像するちから チンパンジーが教えてくれた人間の心』松沢哲郎/岩波書店/1,995円
  • 『超巨大地震に迫る 日本列島で何が起きているのか 』大木聖子、 纐纈一起/NHK出版新書/777円
  • 『アイドル進化論 南沙織から初音ミク・AKB48まで』/太田省一/筑摩書房/1,785円
  • 『本を生みだす力』佐藤郁哉、芳賀学、 山田真茂留/新曜社/5,040円
  • 『ハイパーアングルポーズ集SP 怪人』創美社編集部/創美社/2,415円

産経新聞

  1. 『王国』中村文則/河出書房新社/1,365円
  2. 『宇宙は本当にひとつなのか 最新宇宙論入門』村山 斉/講談社ブルーバックス新書/定価861円
  3. 『甦る相米慎二』木村建哉、藤井仁子、 中村秀之/インスクリプト/3,360円
  4. 『ビジネスパーソンのための契約の教科書』福井健策/文春新書/788円
  5. 『村上春樹の短編を英語で読む 1979〜2011』加藤典洋/講談社/3,780円

日本経済新聞

  1. 『スティーブ・ジョブズ 』(I・II)ウォルター・アイザックソン、 井口耕二(訳)/講談社/各1,995円
  2. 『紅梅』津村節子/文藝春秋/1,200円
  3. 『「フクシマ」論 原子力ムラはなぜ生まれたのか』開沼博/青土社/2,310円
  4. 『ぼくは上陸している: 進化をめぐる旅の始まりの終わり』(上・下)スティーヴン・ジェイ・グールド、 渡辺政隆(訳)/早川書房/各2,625円
  5. 『アライバル』ショーン・タン、 小林美幸(訳)/河出書房新社/2,625円

読売新聞

  1. 『ピエタ』大島真寿美/ポプラ社/1,575円
  2. 『笑い三年、泣き三月。』木内昇/文藝春秋/1,680円
  3. 『下町ロケット』池井戸潤/小学館/1,785円
  4. 『ラブレス』桜木紫乃/新潮社/1,680円
  5. 『困ってるひと』大野更紗/ポプラ社/1,470円

東京新聞 ※順不同

  • 『日本の大転換』中沢新一/集英社新書/735円
  • 『筑豊炭坑絵巻 新装改訂版』山本作兵衛/海鳥社/6,825円
  • 『季刊東北学 第28号』東北文化研究センター/東北芸術工科大学東北文化研究センター/2,000円
  • 『東北を歩くー小さな村の希望を旅する』結城登美雄/新宿書房/2,100円
  • 『何処やらに、井上井月 伊那の放浪乞食俳人』瓜生卓造/河出書房新社/2,520円

西日本新聞

  1. 『川あかり』葉室麟/双葉社/1,575円
  2. 『謝罪代行社』ゾラン・ドヴェンカー、 小津薫 (訳)/ハヤカワ・ミステリ新書/1,680円
  3. 『ペリー』佐藤賢一/角川書店/1,785円
  4. 『仏教漢語50話』興膳宏/岩波新書/756円
  5. 『新版 原子力の社会史 その日本的展開』吉岡斉/朝日新聞出版/1,995円

北海道新聞 ※順不同

  • 『マザーズ』金原ひとみ/新潮社/1,995円
  • 『語りえぬものを語る』野矢茂樹/講談社/2,625円
  • 『困ってるひと』大野更紗/ポプラ社/1,470円
  • 『法とは何か 法思想史入門』長谷部恭男/河出書房新社/1,260円
  • 『笑い三年、泣き三月。』木内昇/文藝春秋/1,680円

日刊ゲンダイ

  1. 『ラブレス』桜木紫乃/新潮社/1,680円
  2. 『さいごの色街 飛田』井上理津子/筑摩書房/2,100円
  3. 『七色の笑み』小玉二三/光文社文庫/560円
  4. 『天の花 地の花 五木玲子画集』五木玲子、尾崎正志、 五木寛之/柘植書房新社/3,083円
  5. 『大原麗子 炎のように』前田忠明(著)、 大原政光(監修)/青志社/1,575円