ミニシアターへ
『中央線映画祭』を観に行こう!

(2013.01.12)

ミニシアターで中央線カルチャーに親しむ
『中央線映画祭』 

2013年2月3日(日)、東京・シネマート六本木で行われる『中央線映画祭』。映画祭を運営するのはバンタンデザイン研究所 映画配給宣伝コースのメンバー約10名です。このコースは週1回の授業で、生徒のほとんどが他の仕事や大学とかけ持ちをしながら、映画にかかわる仕事を夢みて通っています。

どのようにすれば、お客様が映画を見に来てくれるのか、その宣伝方法を主に学んでいます。その映画が何をテーマにしているのかを考えることから、チラシや新聞記事についての具体的な知識までを学ぶことで、映画業界の即戦力になれるようにと頑張っています。他にも、映画業界のビジネス一般についてや、批評・紹介文のための文章力向上にも努めています。

『中央線映画祭』は今年初めての開催になります。毎年行われる、バンタンデザイン研究所 映画配給宣伝コースの生徒による上映会の一環なのですが、私たちは何をテーマにしよう、と考えたときに一番に浮かんだのが、若い世代(私たちと同年代)の映画館離れでした。映画好きでも、通うのはシネコン。ミニシアターにはあまり行かない、という周囲の状況を、自分たちで映画について学ぶようになって、強烈に実感したのがきっかけです。

そこで、若者が一度は憧れるサブカルチャーの聖地、中央線沿線の街を物語にした映画たちを集めよう! そしてそんな憧れを、映画館で体感してもらおう! と思い至り、今回の開催が実現しました。

中央線カルチャーの歴史は昭和初期に始まります。文学青年の間で都心から離れた暮らしが流行し、反体制的なロック音楽に衝撃を受けた若者たちは、主流文化の中心地であった新宿を去りました。そして大勢がこの地に移り住んだのです。周りにはライブハウスや中古レコード店が集まり、貧しい若者たちは古着からファッションを編み出していきました。好きなことに全力で向かっていく若者たちの、熱意で出来上がったのが、今日に続く“中央線カルチャー”なのです。

それでは、『中央線映画祭』で上映される4作品とそのみどころをご案内しましょう、

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『吉祥寺の朝日奈くん』(’11)

主人公である朝日奈ヒナタ(桐山蓮)は、役者になる夢に破れ、バイト暮らしの日々を過ごしています。彼が出逢うのが、1人娘のいる人妻、山田真野(星野真里)。二人は吉祥寺の街をあちこち歩きながらいろいろな話をしていくのです。そこで登場するのは、『ミートショップサトウ』や焼き鳥の『いせや』などの美味しい食べ物屋さんや、人気のミニシアター『吉祥寺バウスシアター』。他にも街並みと共にたくさんのお店が出てきます。また、彼が演劇の世界へ進むかどうか悩んでいることも、中央線カルチャーを反映させたキャラクターである象徴です。


『吉祥寺の朝日奈くん』
監督:加藤章一  
出演:桐山漣、星野真理、要潤、柄本佑、徳井優ほか
上映時間:91分 
配給:アステア、スローラーナー

『美代子阿佐ヶ谷気分』(’09)

漫画家・安倍愼一が『月刊漫画ガロ』にて発表した半自伝的な同名青春劇画を映画化したものです。70年代初頭の阿佐ヶ谷を舞台にしたレトロな風景が懐かしくもどこか斬新な作品で、『名曲喫茶ヴィオロン』が登場します。『ガロ』は、当時のサブカルチャーのバイブルでもあり、漫画界の異才をあまた輩出した雑誌です。小さなアパートの一室で繰り広げられる漫画家・安倍(水橋研二)と恋人の美代子(町田マリー)のつつましい生活は、多くの夢見る若者が今でも続けている暮らし・日常と通じるのではないでしょうか。


『美代子阿佐ヶ谷気分』
監督:坪田義史
出演:水橋研二、町田マリー、佐野史郎ほか
上映時間:86分 
配給:ワイズ出版

『ライブテープ』(’09)

吉祥寺を舞台にミュージシャン・前野健太がギターをかき鳴らす音楽ドキュメンタリーです。初詣で賑わう『武蔵野八幡宮』からバンドメンバーの待つ『井の頭公園』まで、たくさんのロケーションが登場します。全編通して流れる彼の楽曲の数々は、吉祥寺や高円寺で音楽活動をする人たち必見です! 監督は『フラッシュバックメモリーズ3D』で2012年度東京国際映画祭観客賞を受賞した松江哲明さん。過去にも、中央線カルチャー好きな人々に愛される作品を、多くつくっていらっしゃいます。


『ライブテープ』
監督:松江哲明  
出演:前野健太、吉田悠樹、大久保日向、POP鈴木
上映時間:74分 

『ジュリエット・ゲーム』(’89)

演劇の夢破れた小学校の教師・山崎正彦(村上弘明)が、通勤途中に向かいのホームで目があった若い女性・沢木真智子(国生さゆり)に一目ぼれしたところから始まる、ぶっ飛びラブコメディです。80年代の陽気な空気感が楽しく、またRCサクセション、ブルーハーツなどの楽曲に彩られた作品です。音楽一つ一つにも注目してみてください。彼らが恋に落ちるのは< 荻窪駅>。そこから始まるスピード感溢れる物語に、度肝を抜かれること間違いなしです! 


『ジュリエット・ゲーム』
監督:鴻上尚史  
出演:村上弘明、国生さゆり、手塚理美、高橋ひとみ、伊武雅刀、橋爪功ほか  
上映時間:101分 
配給:アスミック・エース

 
 
 
 
 

『中央線映画祭』

日時:2013年2月3日(日) 11:20~12:35 『ライブテープ』、12:55~14:25 『吉祥寺の朝日奈くん』、15:05~16:45 『ジュリエット・ゲーム』、17:25~18:55 『美代子阿佐ヶ谷気分』(各回入れ替え制)
会場:シネマート六本木(東京都港区六本木3-8-15)
料金:前売り券 1,000円、当日券 1,200円
 
問い合わせメールアドレス:vantan_chuuousen@yahoo.co.jp
(上記メールアドレスは前売り券販売用連絡先でもあります。)
Twitter :https://twitter.com/vantanhq
facebook :http://www.facebook.com/home.php#!/chuousen2013
会場URL :http://www.cinemart.co.jp/theater/roppongi/