mic Cinema Diary – 3 - 映画『スイートリトルライズ』出演の小林十市さんとトークショー。

(2010.03.04)

2010年2月14日、大丸心斎橋店にて映画『スイートリトルライズ』公開記念「スイートバレンタイントークショー」で小林十市さんとトークしてまいりました。

このトークショーイベントについて某日、宣伝のTさんからの電話。
 バレンタインデーに『スイートリトルライズ』のイベントをするのですが、この作品はmicさんの雰囲気にぴったりだと思って、ぜひお願いしたいんです。 

な、なんと嬉しい…… (涙)。

『スイートリトルライズ』は私が個人的にも心から楽しみにしていた作品。
というのも、矢崎仁司監督の作品が昔から好きで、『三月のライオン』の公開の際にはオールナイトイベントにも出かけていたくらい(まだ学生でした)

喜んで、受けさせて頂きます! 有能かつ美人なTさんからのご依頼ならば、ホラーでも怪獣モノだってやります!…… って、ところでどんなイベントなのでしょう? 

Tさん 本作にご出演の小林十市さんを大丸心斎橋店にお迎えして、作品のエピソードやバレンタインデーにちなんだお話などを30分ほどして頂ければと。

小林十市さんといえば、元『ベジャール・バレエ・ローザンヌ』のバレエダンサーとして世界各国を巡り、退団後には、俳優として数々の舞台にもご出演。TVドラマ プリマダム のバレエ教師役など多方面で活躍中のお方。さらには、お祖父さまが落語界初の人間国宝・故五代目柳家小さん師匠、弟さんは、今最も注目の噺家、柳家花緑師匠! という、まるで一般ピープルが近づけないような肩書きの持ち主。

もっと詳しいプロフィールを知りたい方はコチラ 『小林十市オフィシャルウェブサイト』を見てくださいませ。

ええと…… 本番当日ってどんな格好していったらいいのかしら?
マリー・アントワネットみたいな?(セレブ×フランス×男=オスカル(ベルサイユの薔薇)…… 何か勘違いしている)

そんな私の気持ちを察してか

Tさん 小林さん、とっても気さくな方みたいですので! 楽しいお話になると思います! 

……気さく、、、ですか。

 

 

本番当日。

 
結局、グレーのワンピースに80年代風太めのベルト(薄ピンク色)、ショッキングピンクのパンプスという地味なのか派手なのかよくわからないスタイルに、ベレー帽をプラスして出かけることに。

ベジャールといえば、20世紀を代表する世界的フランス人振付師。
そして、なんといってもルルーシュ監督の映画『愛と哀しみのボレロ』。と来れば
私の頭の中は完全にトリコロール。やっぱりフランス=ベレー帽でしょ! って
そんな安直なイメージしか持てない私が、十市様のお相手をしてもいいのだろうかという密かな疑問を抱きつつ、まずは、トークショー前に小林さんと配給・宣伝の方々とで中華レストランで優雅にランチ。

黒を基調にした『コム・デ・ギャルソン』のクールなスタイルで現れた小林さん

マ・マドモゼル・ミック~♪ なんて挨拶されたらどうしましょう……

普通にご挨拶は終わり(当たり前だ)、開口一番

「僕、たこ焼きが食べたい。」 

「……はい!?  たこ焼きですか? TA・KO・YA・KI?」

「そうなんだよ。僕、今日一人でたこ焼き食べてから、ここに来ようかと思ってたんだよよね。」

……いえいえ、今からとびきり美味しいチャイニーズランチが登場しますから……。

気さくを通り越して、とっても庶民派…… 。あぁ、マリー・アントワネットになって来なくて良かった。

終始、和やかな雰囲気でお昼は過ぎ行き…… 

小林十市さんと。

 

 

トークショー、スタート!

 
会場は、ショコラプロムナード特設会場。
場内には、各国のチョコーレート店のブースが並び、バレンタインムード120%。
会場に集まったお客様が、いまかいまかと待っている中、小林十市さんが登場。
スレンダーな体つきに美しいお顔にお客様はウットリ……。

すると、小林さんは皆さんにご挨拶された後も
あ、ども! と、向こうの売り場のお姉さんと目が合い、ご挨拶。

……ホントに気さく……。

トークが始まってもそのスタンスは変わらないまま。

mic 本作では、中谷さんが夫とは違う男性、春夫に惹かれていきますよね。その春夫役のオファーを受けた時はいかがでしたか? 

小林さん 僕、まさか大女優の中谷美紀さんのお相手を僕なんかが演じるなんて、考えられませんでした。
でも、監督がそのまま喋ってくれたらいいからって言ってくださったのでお受けしたんです。 

と、世界の大舞台に立って来られた方なのにいたって謙虚。

mic 実際、撮影に入るとどんなお気持ちに? 

小林さん 何だか、自分を俯瞰で見ているもう一人の自分がいるんですよ。
初日に、海辺の砂浜で中谷さんが座っている所へ近づいていくというシーンがあったんですけど、近づきながら「おいおい、俺、中谷さんの所に歩いていってるよ。」みたいな(笑)。でも、途中からは状況にもなれてきて、映画も舞台と同じ、皆で作っていくものだって事がわかり始めると、どんどんシーンに集中することが出来ました。 

mic 中谷さんとのシーンといえば、予告編にも登場する印象的な場面がありますよね。別荘で、瑠璃子と春夫が抱き合って、まるで踊っているみたいに回りながら愛し合うっていう…… もう釘付けでした。 

小林さん あのシーンはね、中谷さん、足ついてないんですよ。 

mic へ?地に足つかず? (←それは、ワタシ)

小林さん かなり早いスピードで2人が回転しているので、僕が中谷さんの腰を持って、それでいて社交ダンスのようにクルクル回っているんです。 

mic そ~だったんですか!?  さすが、バレエダンサー! 小林さんしか出来ないシーンですよね…… 皆さん(お客様に向かって)、ほんっとに素敵なシーンですので、楽しみになさっていてくださいね。 
(お客様、ウンウンと大きく頷いてくださる)

 

 

小林さんの恋愛体験談は「押してダメなら引いてみな」!?

 
他にも、様々なエピソードを披露してくださり(ギターは通販で購入、ユーキャンで勉強等々、)、いよいよテーマは「恋愛」へ。

mic 今回の春夫という役はとても一途ですね。好きな女性に対しても積極的ですが、実際の小林さんは?? 

小林さん 好きになったら、きちんと伝えますね。僕、結婚してもう20年になるんですけど、 

そう、小林さんには、ベジャール在籍中に知り合った同カンパニーのフランス人の奥様と可愛い娘さんがいらっしゃるのです!

小林さん 1年間ずっとアプローチしてました。 

mic え~!?  そんなに長い間!? (私だったら0.1秒で婚姻届にハンコ押してると思いますけど)奥様がOKしてくれた決め手は? 

小林さん 8ヶ月目くらいで諦めかけて一度引いたら、彼女から来てくれて。 

「押してダメなら引いてみな」…… この格言(?)は世界共通なのね。

mic …… そうですか。それでは、結婚生活も長いと、本作のような一見変わった夫婦のあり方も理解できたりするんでしょうねぇ。 

本作に登場する夫婦は、同じ家に住みながらケータイで呼び合ったり、夫が部屋に篭ってずっとゲームをしていたりするのです。とはいえ、仲が悪いのではないのです。

小林さん いえ、全然わからないです! (きっぱり)

mic あ、全然…… ですかっ? (焦)

小林さん はい、変な夫婦だなあって思いますしね。 (アッケラカン)

小林さん でも、夫婦でもわからない事って沢山ありますし、本作も決して答えがある映画ではないです。でも、きっと皆さんの心に何かが残る、そんな作品だと思いますので、ぜひ映画館で楽しんで頂けると嬉しいです。 

…… なるほど、小林さんのおっしゃる通り。
どんなに愛し合っていても、どれだけ一緒にいたとしても、夫婦とはいえ違う人間。全てがわかるなんてありえない。夫婦の愛のカタチだって千差万別。

だから本作も“わかる・わからない”じゃなくて、自分が何を感じたかを大事にしたらいいんだわ。恋人や夫と一緒に見に行って、感じたことを話し合うのだって、面白いのかも知れない。

きっと、結婚する前と後、今と数年後では観た後の気持ちも違うような気がする…… 。

こうして、小林さんの撮影エピソードや恋愛のお話で盛り上がっているうちに、あっという間に終了時刻。最後に小林さんに“決めのジャンプポーズ”をお願いすると、なんと快諾してくださいました。その写真がコレ!

バレンタインデーなので、手がハートに(笑)。
小林さんのブログ『茶飲み話し』には、様々な場所でジャンプされている写真が掲載されていて、とっても楽しいのです!

 

mic  本日は、小林十市さんにお越し頂きました!ありがとうございました! 

会場は温かな拍手に包まれ、小林さんは笑顔で去っていかれました。…… と思いきや、戻ってこられて、ステージブースに貼られた本イベントの告知ポスターをご自身のカメラでパチリ。こっちを向いてニコッ。

どこまでもお茶目な小林さん…… そのギャップが女子のハートを掴んでしまうのね。

(もちろんブログには、ちゃーんと告知ポスターの写真も(笑!)

 

『スイートリトルライズ』

2010年3月13日(土)シネマライズほか全国ロードショー
監督:矢崎仁司『ストロベリーショートケイクス』
出演:中谷美紀、大森南朋、池脇千鶴、小林十市、大島優子、黒川芽以

原作は、江國香織の同名小説。結婚3年目になるテディベア作家の瑠璃子は、夫との距離に違和感を感じながら、他の男性に惹かれ始める。一方、夫の聡もまた瑠璃子とは全くタイプの違う大学時代の後輩と頻繁に会うようになり…… 。江國の持つ繊細な空気感を、そのままスクリーンに閉じ込めながら描かれた、夫婦のすれ違いをめぐる大人のラブストーリー。

映画『スイートリトルライズ』公式サイト