ウクリストtamamixが綴る
『マイティ・ウクレレ』の魅力。

(2011.12.02)

ほほえみを繋ぐウクレレ。

「それ、バイオリンですか?」ウクレレを背中に抱えて歩いていて何度間違えられただろう。「いえ、ウクレレです」と答えると決まって相手の顔がほころぶ。「歌を唄っているんです、ウクレレを弾きながら」と説明すれば、「え? 漫談ですか?」なんて冗談交じりの相槌が返ってくる。ウクレレという楽器には人の心を軽くしてくれる何かがあるらしい。そしてその分、軽く見られてしまうところもある。

かくいう私も、ギターは大きいし難しそうだけれど、ウクレレなら場所もとらないし、安いし、私にもできるかもしれないと思って始めたのだった。実際に少しの練習で単純なコードはすぐにマスターできたし、私のコシのない声にはぴったりと寄り添ってくれた。ただ、始めたばかりの頃はこんなにずっと続けられるものとは思っていなかった。ウクレレの魅力にそこまで気がついていなかったし、期待をしていなかった。

私がウクレレを始めて手にした10年ほど前に比べると、ウクレレの人口は近年急激に増えたように感じる。それが日本だけではないのだ。世界中。老若男女が気軽にウクレレを楽しんでいる。私の祖父母の時代にも一度ウクレレのブームがあったらしい。ただその頃と違うのは、「コミュニティ」のあり方だと思う。今は昔と違ってインターネットがある。ネットというツールを使って世界中が音と笑顔でつながっている。私のような新参者でも気軽に入っていける場所がそこにあった。


tamamix


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ウクレレが弾きたくなる映画。

『マイティ・ウクレレ』は、映画が始まると共に、ジェイク・シマブクロの演奏が流れてくる。彼のウクレレは圧倒的で、彼の音がする。


『マイティ・ウクレレ』より、ジェイク・シマブクロ

ウクレレのプレイスタイルはさまざまだ。私のような弾き語りもあれば、インストゥルメンタルで速弾きをする人もいる。大人顔負けの子供もいる。まだまだこれから新しい世界が広がっていく楽器だと思う。ギターよりも、個性を出しやすい「穴場の楽器」。それがウクレレだ。映画を見ると、自分の好きなスタイルで楽しんでいいんだということにきっと気づくと思う。

『マイティ・ウクレレ』を観たあとに、私はすぐに家に帰ってウクレレが弾きたくなってしまった。ウクレレをすでに楽しんでいる方ならきっと誰しもそうなるはずだ。ウクレレをまだ始めていない方は、見たらきっと習いたくなってしまうと思う。そのつもりでご覧ください。ふわりと心が軽くなり、笑顔になってしまう。そんな映画です。


 

【Story】
1880年代にポルトガル移民によってハワイへ持ち込まれた小さな楽器「ウクレレ」。ハワイの王様もその音色に魅せられ、宮廷でもそれまでの打楽器中心の民族音楽に、ウクレレを取り入れた。いま聞かれるハワイアン・ミュージックの始まりである。1900年前半になると、ラジオ放送時代の幕開けと同時にウクレレは音楽シーンの主人公となる。ブロードウェイではウクレレ・ミュージカルが生まれ、ハリウッドでも劇中にスターがウクレレを演奏する。誰でも安価で購入でき、アメリカの家庭で最もポピュラーな楽器となっていった。 だが、1950年代エレキギターに主役の座を奪われ、その美しくやさしい音色を奏でるウクレレは次第に時代から忘れさられていく―。

時は21世紀。忘れ去られていたウクレレに突如、光が射しはじめる。次々と新世代のウクレレ奏者が現れ、現代音楽と融合し、オリジナリティあふれる音楽を産み出していく―。地味で単調と思われてきた従来のウクレレのイメージを一新したのだ。

本作は、この小さな楽器の歴史を振り返りながら、ジェイク・シマブクロやカナダ出身の次世代ウクレレマスター、ジェームズ・ヒルや 新星女性プレイヤー、タイマネ・ガードナーら、いま注目のミュージシャンが顔を見せる。さらに1908年生まれの伝説の現役プレイヤー、ビル・タピアら往年のウクレレ奏者らのインタビューを交えながら、その魅力について語られる。 ウクレレ・ファンのみならず音楽を愛する者、必見の最高に楽しいドキュメンタリー!


ジェームズ・ヒル


1908年生まれの伝説の現役プレイヤー、ビル・タピア

監督:トニー・コールマン
出演:ジェイク・シマブクロ、ビル・タピア、ジェームズ・ヒル、タイマネ・ガードナーほか
2010年/カナダ/76分/HD ©2009 Tiny Goat Ltd.
12月10日(土)より、シネマライズ他にて全国順次公開

  

tamamix ライブインフォメーション
・12月4日(日)『マイティ・ウクレレ』公開記念ウクレレX’mas LIVE!
時間:13:00~16:30
場所:PARCO(渋谷Part1)1F エントランス特設ステージ
料金:無料

・12月18日(日)ナツメグカフェ
演歌からラップまで全部ウクレレなのにハワイアンは1曲も無しのウクレレ・バトルロワイヤル! 笑いと感動のライブ、ぜひご覧下さい!
時間:開場 18:00 開演 PM 18:30
場所:三浦海岸 ナツメグカフェ  神奈川県三浦市南下浦町上宮田3418-4
TEL:046-807-0277
料金:1800円(1ドリンク付)
出演:とんちピクルス/tamamix/遊倶団NON-MAT 

・12月23日(祝)名古屋PoePoe
時間:開演 1部13:00~/2部15:00~
場所:PoePoe名古屋スタジオ
料金:無料 (定員:各40名)

  

tamamix

2011年11月30日 2,100円(税込み)
SONG X 007
レーベル:ソングエクス・ジャズ
参加ミュージシャン :
tamamix : Vocal, Ukulele、
沢田 穣治 : Guitars,Electric Bass, Contrabass, Keyboards, Toy Piano etc
秋岡 欧 : Bandolim
吉見征樹 : Tabla
岡部 洋一 : Percussion
尾形 ミツル : Flute

【Track List】
01. 珈琲不演唱~コーヒーブルース(作詞・曲:高田渡)
02. ハリケーンドロシー(作詞・曲:細野晴臣)
03. なんとなくなんとなく(作詞・曲:釜萢弘)
04. いつもの珈琲(作詞・曲:おおはた雄一)
05. くらげの女(作詞:阿部珠美/作曲:沢田穣治)
06. こっそりねこ(作詞 :阿部珠美/作曲 : 阿部 珠美・沢田穣治)
07. 蛸の女(作詞 : 青木里枝/作曲:沢田穣治)
08. プカプカ(作詞・曲:象 狂象)
09. そして僕は途方に暮れる(作詞:銀色夏生/作曲:大沢誉志幸)
10. スーダラ節(作詞:青島幸男/作曲:萩原哲晶)
11. むりしない(作詞:阿部珠美/作曲:阿部珠美・沢田穣治)
12. 上を向いて歩こう(作詞:永六輔/作曲中村八大)