ー「世界の北野」といわれる北野武監督の映画に出るということは世界中の方が清水さんを見るということだと思いますがプレッシャーなどはありましたか？

清水富美加さん：他の現場で「北野映画に出るの？　羨ましい。もし自分が出られるなら死んでもいいと思っている」と共演者さんに言われたことがあり、これはすごいことなんだなーとだんだん実感が湧いてきました。これまでの出演作の撮影現場は冗談か言って和気あいあいとしているところが多かったですが北野監督は……噂では現場ではドライ（リハーサル）がほとんどなく、あっても1回で本番も1回と聞いていたので緊張しながら現場へ。スタッフさんも眉間にシワが寄っててかなり切迫した状況を想像して行ったのですが、そんな感じはなくて程よい緊張感が漂っていました。楽しかったです。

ー共演の藤さん、近藤さん、中尾さんらの面々はほとんど清水さんのお祖父様の世代だと思うのですがまだまだ元気でコワモテの方が多いですよね？　

清水富美加さん：みなさん気さくな方でよく話しかけてくださいました。でもやっぱりおじいちゃんなので控室は健康診断、病気や怪我の話でもちきりだったり。（笑）

撮影ではみなさんセリフひとつとっても覇気というかオーラが違う。居酒屋で、モキチ役の中尾さんが「あの野郎俺がぶち殺してやる！」というシーンのドライの時のことです。中尾さんはセリフの言い回しもドスのきかせ方、顔のシワを細かく動かしてピキピキ音を立てるような感じでものすごい迫力でした。画面を飛び出して伝えるとは、こういうことなんだ、と勉強させていただきました。

ータレントスカウトコンテスト「レプロガールズオーディション2008」がきっかけでモデルに、そして女優。もともと女優さんになりたかったのでしょうか？

清水富美加さん：小さい頃からモー娘。になりたい、キラキラした世界に入りたいとは思ってました。でも小学校高学年や中学生になると目の前のことしか見えないので意識することはあまりなかった。たまたまそのオーディションを知ってなんとなく応募しました。

ーモー娘。になりたいっていうことは、歌手になりたかったのしょうか？　清水さんのTwitterを見ているとギター　ストラトキャスターの写真やSHISHAMOというバンドがよく登場します、音楽好きですね？

清水富美加さん：モー娘。の後は大塚愛さんが好きになって。今はSHISHAMOさんが大好きです。ギターでSHISHAMOさんの曲『バンドマン』『君と夏フェス』『量産型彼氏』を練習してます。SHISHAMOさんはじめライブにも行きまくってて、このあいだはYOUR SONG IS GOODさん、アナログフィッシュさん、長岡亮介さん、ZAZEN BOYSさんが出演の『シンクロニシティ』に行きました。その前はおとぎ話さん。ライブにはじゃんじゃん行きたくって行き足りないです。

ーご自身がミュージシャンになろうとは？

清水富美加さん：ミュージシャンの方たちを好き過ぎで尊敬しているのでこちらはただ見てるだけでいいです。女優をやって音楽も、というのは欲張り過ぎかなと個人的には思います。

ーTwitterでストラトキャスターの写真を部分見せしているのはなぜ？

清水富美加さん：あまりにかわい過ぎるので！　なんというか見せたら周りの人に惚れられちゃうっ！　だからいつもギリギリ、ネックの部分しか見せないですっ！

ーそれからTwitterの標語シリーズというか、ひとつの単語のひらがなを文頭にキャッチコピーのようにしたものも面白いですし……詩を書くのが好きですか？

清水富美加さん：これは幼稚園の頃から唯一続けていることです。いまだにすごい数を書いちゃいます。最初は遊びみたいな感じ。幼稚園でお絵かきしたものに言葉を添えるという遊びをやったりするじゃないですか、それがとっても好きで。自然にお家でもやってて歌も好きだから歌も作ってみよう。子供ながら「これはこういう曲」と曲調を決めて書いたりしてました。思っている感情をモノや、状況や天気に例えて書くということをずっとやってて習慣になってます。気持ちが「うわー！」となっちゃった時に文字で起こさないとスッキリできない。

ピアノや楽器を習ってたりしたワケでもないので何かに書くことしかできない。ひらがななら小さくても書けるし自分の中にあるものを表せるからだと思います。

ー詩を書いて、音楽も大好きなら曲を書いて歌ったりということも考えられませんか？

清水富美加さん：まだ勉強中ですが楽譜をもっと読めるようになって、もうちょっとギターがうまくなったら……作りますよ、きっと！

ー映画のほか現在は連続テレビ小説『まれ』で主役の希ちゃんの親友の一子さん役で登場されています。将来はどんな女優さんになりたいですか？

清水富美加さん：『まれ』の一子役は『龍三と……』の後に決まって元気な女の子の役。去年はこれから公開される映画『ズタボロ』もそうですがクールで、どちらかというとすれてるかなという感じ女の子が多かった。でもそればかりだと元気な役が難しくなってしまう。やはりバランスが大切だと思います、求められる役割にきっちり応えられる女優さんになりたいです。