いよいよ2月26日（土）よりロードショーとなる映画『英国王のスピーチ』。公開に先駆け、去る2月18日（金）駐日英国大使館において、ディビッド・ウォレン駐日英国大使同席のもとプレミア試写会が開催され、海江田万里経済産業大臣、三遊亭好楽師匠、デーブ・スペクター夫妻を始め、石田三示、おはら舞、若泉征三、浜本宏衆議院議員ら、多数の著名人が、話題の映画をひと足早く鑑賞しました。

東京・九段にある英国大使館、その外観。 photos / reico watanabe

　

『英国王のスピーチ』は、現エリザベス女王の父であり、連日婚約のニュースで世界中を賑わすウィリアム王子の曽祖父にあたるジョージ6世が、幼い頃からのコンプレックスであった吃音を克服し、戦時下の混乱のさなか国民へ向けて感動的なスピーチを行うまでを描いた実話に基づく感動の物語。まもなく発表となるアカデミー賞で最多12部門にノミネートされ注目を集めています。

普段なかなか撮影できない英国大使公邸内の写真とともに、プレミア試写会の模様をご紹介します。

　

正面入口の厳重なセキュリティを通り広い大使館の敷地内へ入ると、右手奥にあるのが試写会場となる大使公邸。白く大きな扉の向こうには豪華絢爛な別世界が。エリザベス女王のお写真に迎えられ中へと進むと、右手にはスクリーンが特設された試写会場、左側にはゲストを迎える応接間があり、日英のロイヤルファミリーのお写真も飾られていました。豪奢なシャンデリアと調度品の数々にうっとりしているうち、続々と会場に到着する著名人の姿が見えてきました。

　

まずはデーブ・スペクターさんが奥様と一緒に登場。さすが情報ツウのデーブさんだけあって、本作はかなり早い段階からアカデミー賞候補として注目していたそう。

「ラジオしかないあの当時の計り知れないプレッシャーを受けて、ジョージ6世が抱える吃音の苛立ちとあきらめ、そしてそれを支える妻の献身。役者の自然な演技もさることながら時代背景もきちんと描いていて、押しつけがましくないところが素晴らしい」とコメント。「今日は字幕付きだからやっとちゃんと僕も理解できる」とお得意のジョークを飛ばしながらも「何年ぶりかに安心して人に勧められる今年一番の作品。必見！」と大絶賛していました。

　

続いては落語家の三遊亭好楽師匠です。映画好きのご長男（三遊亭王楽さん）からこの映画の噂は聞いていたとのことですが、こんな意外なエピソードを披露。「実は落語家の中にも人前に出ることにコンプレックスを持った方も結構いらして、みなさんそれを克服して名人になっている。困難を乗り越えて大成する。しかもこの映画では国王がそういうことをした、というのがすごい」と語りました。

最後に登場したのは、管内閣で経済産業大臣を務める海江田万里議員。この映画を観るのを心待ちにしていた様子で「政治家の言葉が軽くなったとか、上手いスピーチができる政治家が少なくなったと言われる昨今、この映画を観て私もスピーチが上手になるよう心がけたい」とコメントしました。

ディビッド・ウォレン駐日大使。

満席となった試写会場では、映画の上映に先立ち、ディビッド・ウォレン駐日大使からご挨拶。「英国王室は現在、ウィリアム王子の婚約で沸いています。英国アカデミー賞では見事、作品賞・主演男優賞・主演女優賞・助演男優賞・助演女優賞など７部門を受賞しました。女王陛下ご自身が「感動的な作品」と評されたとの報道もあり、まさに英国の新しい国民的映画」と太鼓判を押しました。

国王ジョージ6世を演じたコリン・ファースの見事な演技ばかりでなく、彼を支える妻エリザベス役のヘレナ・ボナム＝カーターとの夫婦愛。そして『シャイン』のオスカー俳優ジェフリー・ラッシュ演じるオーストラリア人のスピーチ矯正専門家ライオネルの型破りな治療法。さらにジョージ6世とライオネルの真の友情など、見どころ満載。

名優たちが腕を競い合うように細やかな表情ひとつひとつで感情の機微を伝えます。決して派手ではないけれど、人間味溢れる人物像を丁寧に描いた作品が、こんなにも世界中の人々の心を動かすという事実に、映画本来が持つ力を改めて感じ、胸が熱くなりました。

アカデミー賞の発表を直前に控えた公開とあって、今後ますます盛り上がりを見せそうです。

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『英国王のスピーチ』


2011年2月26日（土）TOHOシネマズシャンテ、Bunkamuraル・シネマ他全国ロードショー
出演：コリン・ファース『シングルマン』、ヘレナ・ボナム＝カーター『アリス・イン・ワンダーランド』、ジェフリー・ラッシュ『シャイン』　ほか

監督：トム・フーパー

配給：ギャガ