ジョニー・デップ、ハットにサングラス姿で登場! 映画『ツーリスト』記者会見。

(2011.03.05)

いよいよ2011年3月5日(土)より全国ロードショーとなる映画『ツーリスト』。ジョニー・デップとアンジェリーナ・ジョリーという2大ハリウッドスターによる「世界が夢見た豪華競演」が話題となっている本作。公開に先立ち六本木アカデミーヒルズ49階タワーホールにて、主演のジョニー・デップ、フロリアン・ヘンケル・フォン・ドナースマルク監督による来日記者会見が3月3日(木)に開催され、会場には数多くの報道陣が詰め掛けました。

ジョニー・デップは、昨年の『アリス・イン・ワンダーランド』につづいて8度目、監督は『善き人のためのソナタ』の公開以来3年ぶり2度目の来日ですが、ハットにサングラス姿のジョニーと、彼と並んでもかなり大柄なドナースマルク監督が登壇すると、会場に一瞬どよめきが起こりました。

左からジョニー・デップ、ゲストの真矢みき、フロリアン・ヘンケル・フォン・ドナースマルク監督。

 
映画『ツーリスト』は水の都ヴェネチアを舞台に、数学教師に扮したジョニー・デップがアンジェリーナ・ジョリー演じる謎の女エリーズに翻弄される極上ミステリー。

マッド・ハッターにウィリー・ウォンカ、エド・ウッド……と、これまで特色ある極端な役柄を演じる機会の多かったジョニー・デップ。そんな彼が今回演じたのは、地味すぎるくらいいたって普通の男、という意外性からか、この映画の登場人物の役作りに関する質問が集中しました。

ジョニーと監督は、このフランクという人物について、事前にかなり入念に話し合ったそう。人間の普通さ、とはどういうものかを追及し、フランクを「ハイパーノーマルな、パッと見ただけではわからない非常に微妙な狂気を抱えた人物」とジョニーが分析した通り見事に演じたことに監督は深く感銘を受けている様子で「ジョニーの演技は本当に芸術。娯楽作品だと思って見に行った人も、微妙な演技に驚かされるはず」と大絶賛。

 

photos / reico watanabe

初共演となったアンジェリーナ・ジョリーについてジョニーは「彼女はいろんな側面を持ち、何でも演じられる人。非常に地に足のついたファニーなすばらしいお母さん。」と評したものの、話題がアンジーとのラブシーンに及ぶと「僕はこの映画を撮ってもいないし、ラブシーンなんて存在しない。アンジェリーナ?誰のこと⁇」ととぼける場面も。

撮影でヴェネチアの街にすっかり魅了されたジョニー・デップが豪邸を購入した、という情報は単なるウワサに過ぎないようでしたが、「日本にも良い物件があったら連絡ください」とユーモアを交えて返すあたりはさすが!

花束贈呈のゲストとして登場した女優の真矢みきさんも、生ジョニーとのご対面に感激を隠せない様子。監督直々に「『ツーリスト』の続編を日本で撮影することがあれば是非出演して」とのオファーを受けて喜んでいました。

最後の最後に、まるで狐につままれ、狸に化かされた気分が存分に味わえる映画『ツーリスト』。豪華な衣装に身を包んだアンジーと素に近いジョニー・デップが美しいヴェネチアを舞台に繰り広げるミステリアスなラブロマンスを、ぜひスクリーンで堪能してください。

 

ストーリー

パリのさわやかな朝。エレガントなドレスに身を包んだひとりのイギリス人女性がカフェで朝食をとるためにアパートメントを出る。彼女の名はエリーズ・クリフトン・ワード(アンジェリーナ・ジョリー)。なじみのギャルソンにいつものメニューをオーダーする彼女を、パリ警察の警官たちが監視車からひそかに見守っている。エリーズは、アレクサンダー・ピアースというスコットランド・ヤードが必死で追っている国際指名の金融犯罪者の恋人だった。エリーズを監視し続ければ、かならずアレクサンダーと接触できるとスコットランド・ヤードのアチソン警部(ポール・ベタニー)はにらんでパリ警察に彼女の監視を依頼していたのだ。

そして、アレクサンダーが消えて2 年後の今、ようやくアチソンの読みは当たった。カフェにいたエリーズに手紙が届き、彼女は一読するとすぐに手紙を燃やしカフェをあとにする。その様子をつぶさに送られてきた映像で見ていたロンドンのアチソンは、パリ警察に手紙の燃えカスに化学処理を施させ解読する。そこにはかろうじて「8 時22 分」「リヨン駅」という文字が浮かび上がる。これがアレクサンダーからの手紙だと確信したアチソンは、上司ジョーンズ(ティモシー・ダルトン)が「整形手術で顔をすげ替えたピアースを逮捕できる可能性も予算もない」という捜査打ち切り通告を無視して、エリーズ追跡を開始する。 実際、手紙はアレクサンダーからのもので「会ってすべてを話したい。8 時22 分リヨンからヴェネチア行きの列車に乗り、僕の体格に似た男を選んでそいつを僕だと思わせるんだ。愛している」とあったのだ。 指示通り列車に乗ったエリーズは、車中でひとりの男に目をつけいきなり彼の前に座り、機知に富みかつ謎めいた会話で男を魅了する。男はアメリカから来た旅行者フランク・トゥーペロ(ジョニー・デップ)、3 年前に妻を亡くした数学教師だ。

ヴェネチアに到着したフランクは、エリーズに誘われるままに高級ホテル“ダニエリ”に同行し、クリフトン・ワード夫妻としてチェックインするエリーズとともに最上級のスィートルームに案内される。部屋にはアレクサンダーの手配でゴージャスなドレスや宝石が彼女のために用意されていた。エリーズに男の影を認めたフランクは、ディナーをともにしながら恋人のことを聞くと、今でも彼のことを想っているエリーズの心情が読み取れた。

ホテルの部屋に戻るとアレクサンダーから花束と2 日後の舞踏会への招待状が届いていたが、エリーズはそこでの再会を期待する風でもなく、窓辺にフランクを誘い突然キスをする。それが、彼らを見張っている警察に見せつけるためとは知らず、唖然とするフランクをおいてさっさとベッドルームへ消えてしまうエリーズ。リビングのソファでエリーズとの甘い出来事を夢想しながら眠りについたフランクは、翌朝ルームサービスで目を覚ます。「奥様が出て行かれる前にオーダーなさいました」というウェイター。ひとり部屋に残されたフランクは見知らぬ男たちに襲われる。実はピアースを追っているのは警察だけではなかった。2 年前にピアースに23 億ドルを盗まれたギャングの親玉レジナルド・ショー(スティーブン・バーコフ)も、金を取り戻そうと彼を探していたのだ。パジャマ姿のままで屋根伝いに必死に逃げる途中、警官を運河に突き落としてしまい地元警察に拘留されてしまうフランクだったが、今度はショーがピアースにかけた懸賞金目当ての警官によってギャングたちに引き渡されそうになる。そこへボートでエリーズが助けに入り、銃弾をかわしながらなんとか助かったフランクはこうなったわけを問いただし、エリーズは彼をピアースに仕立てるために近づいたことを告白する。

それでも「君とキスしたことは後悔していない」というフランクに、エリーズは「来世で会いましょう。あなたは帰国して」と空港まで送り届ける。その夜、ピアースとの約束の舞踏会に華麗なドレスで出席するエリーズの前に、帰国したはずのフランクが正装して現れる。既にエリーズを愛してしまったフランクは、身の危険を感じていても自ら罠に身を投じる覚悟でこの舞踏会にやってきたのだ。
 果たして、ピアースはこの舞踏会に現れるのか。フランクをピアースと信じて狙うショーン一味は?そして、エリーズの愛の行方は、ピアースかフランクか? すべての鍵はひとりのツーリスト、フランクの手にゆだねられていた……。
 

『ツーリスト』


2011年3月5日(土)2011年3月5日(土)、日劇ほか全国公開。
出演:アンジェリーナ・ジョリー、ジョニー・デップ、ポール・ベタニー、ティモシー・ダルトン、スティーヴン・バーコフ

監督:フロリアン・ヘンケル・フォン・ドナースマルク