コンセプトは人と食のつながり。
『東京ごはん映画祭』開催。

(2011.09.26)

『eatrip』の上映会から誕生した映画祭。

今年も『東京ごはん映画祭』が開催されます。『東京ごはん映画祭』は、映画『eatrip』の上映会、『おいしい上映会』の集大成イベントとして昨年2010年11月に、第1回イベントとして、恵比寿ガーデンシネマで1週間行いました。

映画『eatrip』は、フードディレクター野村友里さんが初監督し、『食べるということこそ、生きること 人生とは食べる旅』をテーマに、人と食のつながりを綴った作品です。2009年6月から、恵比寿ガーデンシネマでの先行プレミア上映を皮切りに上映。その後映画『eatrip』の『eat(食べる)+trip(旅)』というタイトルの名のように、日本と世界を巡る『eatrip おいしい上映会』の旅をはじめました。

『eatrip』は、観た後の後味が、おいしくて、やさしくて、しあわせを感じられる映画です。「生きること」「食べること」「私たちは命を頂いて生きていること」「家族の存在」「地球や命とのつながり」など、生きる上で基本的なことに、あらためて感謝をできる。また、それらを大切にしていこうという気持ちなど、そんな当たり前のことを、シンプルに感じられ、ちょっと立ち止まって考えるきっかけをそっと与えてくれるところが共感されていると思います。

映画『eatrip』より。



 

「人」と「食」のつながりを考える。

『東京ごはん映画祭』は『eatrip』のコンセプト(『人』と『食』のつながり)を継承した映画祭で、映画祭テーマ作品も『eatrip』です。昨年、第1回東京ごはん映画祭を開催しましたが、1週間で約3000名のお客様にご来場頂き、とても好評でしたので、おかげさまで今年も16日間に期間を拡大して開催する運びとなりました。

映画祭のタイトルにある、「ごはん」は、『人と食のつながり』を表したくて、使った単語です。日本人にとっての「ごはん」は、お米を炊いた白飯を単にさすだけでなく、家族のだんらんや家族のつながりだったり、『一緒にごはんを食べよう!』といって、知らない人同士も、やさしくつながることができる。そして、炊きたてのごはんのように、ほかほかして温かくて美味しい、人とつながり心と体の栄養にもなる、「ごはん」は、そんな素敵であたたかい日本語だと思います。

『ごはん映画祭』も、「ごはん」のように、あたたかく人と人がつながる映画祭に育てたいと思っております。また、映画祭で映画を観るだけでなく、訪れた方と一緒においしいごはんの時間を楽しんで頂きたい、そんな気持ちをこめて、映画祭のタイトルを決めました。

 

上映作品は8作品から17作品に。
ごはんつき上映会も。

昨年の『ごはん映画祭』との大きな違いは
まず、会場が変わりました。昨年は恵比寿ガーデンシネマだけで開催しましたが、今年は、メイン会場の東京都写真美術館に加え、サテライト会場として、恵比寿にあるカフェやレストランでもイベントを実施致します。サテライト会場では、ごはんを食べながら映画を観る「ごはんつき上映会」が開催されます。『eatripおいしい上映会』でごはんつき上映会を各地で実施してまいりましたが、お客様から大変好評なのと、昨年の映画祭のお客様の声でも、『ごはんつき上映会』のリクエストが多かったからです。

そして期間が、昨年1週間から、16日間に拡大。上映作品は8作品から17作品に。今年は、日本未公開の作品を1本特別上映作品として、上映致します。

また、先行イベントも各種企画していまして、10/1(土)の先行ライブイベントをはじめ、ごはん&ライブつき上映会も、先行イベントとして2回開催されます。

日本未公開作品
『Cooking Up Dreams』に注目!

今年の『ごはん映画祭』では、日本未公開作品の特別上映作品、ペルーの食映画『Cooking Up Dreams』が上映されます。

3.11東日本大震災後の私たち日本人に、『食で国を元気に!』というメッセージをもらえる作品だと思い、上映することにしました。食で国を元気にしていこうという、情熱溢れ、食を愛するペルーの人々の姿は、食文化を大切に豊かに育んできた日本に、大きな勇気と希望を与えてくれる映画です。

そして、日本同様、昔から大地震の多い国、ペルー。本編にも描かれている2007年のペルー・ピスコ地震後にシェフたちが一丸となって支援する姿には、共感の念を抱きます。

『Cooking Up Dreams』より。
「食」を視点に、
未知の国を知っていく面白さ。

また、別の観点で、ペルーの食文化がとても興味深くておもしろいです。

今や世界中で一般的な食材じゃがいも、トマト、とうもろこし、唐辛子などは、ペルーアンデス一帯が原産地だと言われています。山、海、川、ジャングル、様々な気候風土を持ち、移民も多いペルーは食材も食文化も多種多様です。

伝統的なスタイルのペルー料理が継承される一方、進化系のペルー料理も世界のトップシェフから注目を浴びており、コンテンポラリーなスタイルで、欧米の都市部で大人気です。特にペルー料理を代表する「セビーチェ」(魚介のマリネ)は、一番人気で、日本人にも好まれるテイストなので、これから、日本でもペルー料理や、セビーチェの人気が高まると思います!

知らない国を「食」を視点に知っていくのも、おもしろいと思います。
マチュピチュ、アルパカ、フジモリ元大統領は知っているけれども、それ以上は、あまりよく知らない人が多く、日本から遠い国だけれども、実は共通点もあるペルー。過去を遡ると、日本からの移民も多いペルーの料理は、日本の食文化の影響もあり、日本人にも親しみやすいテイストです。一方で、見たこともない食材や、驚きの調理法も出てきて、興味深いです。映像に映る多彩な料理には、ノーマークで未知の国というギャップから一気に興味が湧くはずです。(笑)

 

第2回東京ごはん映画祭

日時:2011 年10月8日(土)~10月23日(日)
場所:東京都写真美術館(恵比寿ガーデンプレイス内)ほか、
東京各地サテライト会場
問い合わせ:東京ごはん映画祭実行委員会
info@tokyogohan.com
Tel: 03-5771-3566
http://tokyogohan.com/

 


■上映作品

『Cooking Up Dreams』(クッキング・アップ・ドリームス)
監督・脚本:エルネスト・ダミアン
出演:ペルーで様々な暮らしをする人々、ペルーで活躍するシェフたち、ペルーで料理に情熱をかける若者たち etc.
2009年/ペルー・ブラジル/76分/原題:De Ollas y Suenos
©2009 Asociacion Guarango Cine y Video

『eatrip』(イートリップ)
監督:野村友里
出演:浅野忠信 UA 内田也哉子 千宗屋 森岡尚子
2009年/日本/78分
©2009スタイルジャム

『ディナー・ラッシュ』
(デジタル・リマスター上映)
監督:ボブ・ジラルディ
脚本:リック・ショーネシー、ブライアン・カラタ
出演:ダニー・アイエロ、エドアルド・バレリーニ、ヴィヴィアン・ウー
2001年/アメリカ/99分/英題:Dinner Rush
©2001 Entertainment Capital Group,plc and Access Motion Picture Group,Inc.

『バグダッド・カフェ ニュー・ディレクターズ・カット版』
監督:パーシー・アドロン 
出演:マリアンネ・ゼーゲブレヒト、CCH・パウンダー、ジャック・パランス
2008年/ドイツ/108分

『秋刀魚の味』
監督:小津安二郎  
出演:笠智衆、岩下志麻、三上真一郎
1962年/日本/113分

『ソウル・キッチン』
監督:ファティ・アキン  
出演:アダム・ボウスドウコス、モーリッツ・ブライプトロイ、ビロル・ユーネル
2009年/ドイツ・フランス・イタリア/99分

『歩いても 歩いても』
監督:是枝裕和  
出演:阿部寛 夏川結衣 YOU 樹木希林 原田芳雄
2007年/日本/114分

『かもめ食堂』
監督:荻上直子  
出演:小林聡美 片桐はいり もたいまさこ
2005年/日本/102分

『南極料理人』
監督:沖田修一  
出演:堺雅人 生瀬勝久 きたろう 高良健吾 豊原功補
2009年/日本/125分

『クレイマー、クレイマー』
監督:ロバート・ベントン  
出演:ダスティン・ホフマン、メリル・ストリープ、ジャスティン・ヘンリー
1979年/アメリカ/105分

『初恋のきた道』
監督:チャン・イーモウ  
出演:チャン・ツィイー、スン・ホンレイ、チョン・ハオ
2000年/アメリカ・中国 /89分

『トイレット』
監督:荻上直子  
出演:アレックス・ハウス、タチアナ・マスラニー、もたいまさこ
2010年/日本・カナダ/109分

『マイ・ブルーベリー・ナイツ』
監督:ウォン・カーウァイ  
出演:ノラ・ジョーンズ、 ジュード・ロウ、ナタリー・ポートマン
2007年/フランス・香港/95分

『息もできない』
監督:ヤン・イクチュン  
出演:ヤン・イクチュン、キム・コッピ、イ・ファン
2008年/韓国/130分

『イントゥ・ザ・ワイルド』
監督:ショーン・ペン  
出演:エミール・ハーシュ、マーシャ・ゲイ・ハーデン、ウィリアム・ハート
2007年/アメリカ/148分

『転々』
監督:三木聡  
出演:オダギリジョー、三浦友和、小泉今日子、吉高由里子
2007年/日本/101分

『ディナー・ラッシュ』
『バグダッド・カフェ ニュー・ディレクターズ・カット版』
『かもめ食堂』
『息もできない』
『転々』