6/27~30 有楽町朝日ホール、TOHOシネマズ 日劇で開催新世代監督からレトロスペクティブまでの12編『フランス映画祭2014』

(2014.06.02)

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*『2つの秋、3つの冬』上映の鑑賞券をプレゼントあり。くわしくはこちら。

6月27日(金)から30日(月)の4日間、有楽町朝日ホール、TOHOシネマズ 日劇で開催される『フランス映画祭 2014』。今年は短編集は5月30日(金)からの『ショートショートフィルムフェスティバル&アジア2014』にて上映され、長編12編の上映になります。

今年の映画祭団長はトニー・ガトリフ監督。自身の出自であるロマのテーマに、豊かな音楽、映像で叙情的に綴る作風で2004年カンヌ国際映画祭監督賞を受賞している名匠です。今年のカンヌ国際映画祭 特別招待作品としてプレミア上映された最新作『ジェロニモ―愛と灼熱のリズム』が上映されます。また今年、没後30周年のフランソワ・トリュフォー監督の傑作、カトリーヌ・ドヌーヴとジャン=ポール・ベルモンド競演の『暗くなるまでこの恋を』のレトロスペクティブ上映もあり。名匠の作品の上映のほか『2つの秋、3つの冬』のセバスチャン・べべデールら1970、80年代生まれの新世代監督の作品も目立ち、新旧充実のラインナップとなっています。

映画祭での上映に合わせてフランス映画の作り手である監督や、俳優陣がこぞって来日、上映後の登壇トークなどで彼らのライブな姿に触れられることも映画祭の大きな楽しみのひとつ。今年もサイン会の機会も多く設けられる予定です。

また関連イベントとして同時期に開催される『女優たちのフランス映画史』(6月27日~7月6日 アンスティチュ・フランセ東京 エスパス・イマージュ)にも注目。女優をメインにしたレトロスペクティブで、ダニエル・ダリューからレア・セドゥまで、往年の大女優から若い世代なでの女優たちの姿を通して辿るフランス映画史です。フランス映画祭の上映作品のセレクションに協力している映画評論家で人気カルチャー誌『レ・ザンロキュプティーブル LES INROCKUPTIBLES』編集長でもあるジャン=マルク・ラランヌによるティーチインあり。

オープニング作品
『グレートデイズ 夢に挑んだ父と子』
原題:De toutes nos forces

パリ・オペラ座のバレリーナたちを追った『エトワール』で知られるニルス・タヴェルニエ監督による作品。車椅子生活を送る17歳の少年 ジュリアンは失業中の父ポールに、かつてのポールが果たせなかったトライスロンの最高峰アイアンマンレースにともに出場することを持ちかけます。ふたりの心の交流を感動的に描くニューマンドラマです。主演のファビアン・エローは実際に車椅子で生活を送る高校生で、オーディションでこの役に抜擢されました。ニルス・タヴェルニエ監督と主演のファビアン・エローが来日。

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監督:ニルス・タヴェルニエ
出演:ジャック・ガンブラン、アレクサンドラ・ラミー、ファビアン・エロー
2014 / フランス / 90分 / ビスタ / 5.1ch /
2014年8月、TOHOシネマズ 日本橋他 全国順次ロードショー
© 2014 NORD-OUEST FILMS – PATHÉ PRODUCTION – RHÔNE-ALPES CINÉMA
団長トニー・ガトリフ監督最新作
『ジェロニモ―愛と灼熱のリズム』
原題:Geronimo

ジェロニモ役の主演セリーヌ・サレットの熱演が絶讃されている作品です。ジェロニモは南仏で問題を抱える少年たちを指導する仕事をしています。トルコ系の少年とロマの少女の駆け落ちが引き起こしたふたつのグループの争いを鎮めるために奔走します。数多くの若手ダンサーが出演しておりミュージカルシーンが圧巻。団長のガトリフ監督のほか、製作・音楽を手がけたデルフィーヌ・マントゥレが来日します。

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監督:トニー・ガトリフ
出演:セリーヌ・サレット、ラシッド・ユセフ、ダヴィッド・ミュルジア
音楽:デルフィーヌ・マントゥレ
2014 /フランス /104分 /シネマスコープ /5.1ch
2014年 カンヌ国際映画祭 特別招待作品
©Film du Losange
注目の”ボー・ギャルソン”、ピエール・ニネが演じるサンローラン。
『イヴ・サンローラン』
原題:Yves Saint Laurent

俳優としても豊かなキャリアを持つジャリル・レスペールが監督。イヴ・サンローランの華々しいデビューから世界的な成功を手に入れるも創作、愛に苦悩しながらファッション界の頂点に君臨した姿を描きます。コメディ・フランセーズ所属のピエール・ニネがイヴ・サンローランを、同じくコメディ・フランセーズのギョーム・ガリエンヌがイヴを支え続けたパートナー ピエール・ベルジュを熱演。ピエール・ベルジュが全面協力、イヴ・サンローラン財団がアーカイヴ衣装を貸出したファッションショーのシーンは圧巻です。さらにイヴ役のピエール・ニネに熱い視線が集まっています。センシブルではにかみ屋の天才をエレガントに演じ、フランスでは”ボー・ギャルソン Beau Garcon=美男子”として人気沸騰中。

Tournage YSL

監督:ジャリル・レスペール
出演:ピエール・ニネ、ギョーム・ガリエンヌ、シャルロット・ルボン、ローラ・スメット
2014 / フランス / 106分 / シネマスコープ / 5.1ch
© WY productions – SND – Cinéfrance 1888 – Herodiade – Umedia
2014年9月6日(土)より、角川シネマ有楽町、新宿武蔵野館、シネマライズ他全国ロードショー
2014年 ベルリン国際映画祭 パノラマ部門オープニング作品

新世代監督 フレンチ・ニューウェイブの台頭に注目
『2つの秋、3つの冬』
原題:2 automnes 3 hivers

今、フランスでは新世代の映画監督たちが多く台頭してきていますがその中のひとりセバスチャン・べべデール監督の作品。2組のカップルが過ごす2つの秋と3つの冬のせつないラブストーリー。フランスで「次世代のドパルデュ」と目される話題の俳優ヴァンサン・マケーニュ主演。昨年のフランス映画祭で主演作『女っ気なし』が上映されてから、日本でもじわじわと人気が出てきています。ぽっちゃり体型にちょっと薄くなった髪、でもなんともいえないチャーミングな魅力に溢れたヴァンサン・マケーニュは自分でも映画を監督する才人でもあります。セバスチャン・べべデール監督が来日します。
*こちらの上映の鑑賞券をプレゼントします。くわしくはこちら。

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監督:セバスチャン・ベベデール
出演:ヴァンサン・マケーニュ、モード・ウィラー、バスティアン・ブイヨン、オドレイ・バスティアン
2013年 / フランス / 90分 / スタンダード / 5.1ch
2013年 トリノ国際映画祭 審査員特別賞  
2013年Cinessonne(エソンヌ県ヨーロッパ映画祭)観客賞
© DR
コメディで評価を受ける新世代監督作品
『間奏曲はパリで』
原題:La Ritournelle

イザベル・ユペール主演作。イザベルが演じるのは牛の畜産農家の主婦ブリジット。子供たちが独立し夫とふたりきりの生活に慣れないところに、パリからやってきた若い美青年に惹かれ、夫に嘘をついてパリに行ってしまうブリジット。ブリジットを惑わす美青年役は、今フランスで大人気のピオ・マルマイ。夫役には『ル・アーブルの靴みがき』ジャン=ピエール・ダルッサン。監督のマルク・フィトゥシは前作『コパカバーナ』でもイザベル・ユペールを起用、前作『探偵ポーリーヌ』ではサンドリーヌ・キベルランを主演に。いずれもよく練られたコメディでした。マルク・フィトゥシ監督が来日します。

"La Ritournelle" de Marc Fitoussi
監督:マルク・フィトゥシ
出演:イザベル・ユペール、ジャン=ピエール・ダルッサン、ピオ・マルマイ
2013 / フランス / 99分 / ビスタ / 5.1ch /
© DR
ジャン・ヴィゴ賞受賞の新世代監督、
カテル・キレヴェレによる女性の成長物語『スザンヌ』
原題:Suzanne

ひとりの女性スザンヌの成長を通して描かれる愛の物語。強い絆で結ばれた妹と不器用だけど愛情溢れる父ニコラとともに暮しているスザンヌ。思春期を迎え、不良少年と恋をし出産。数年後、また違う恋に落ちて家族を振り回してしまいますが……。新世代監督のうちのひとりカテル・キレヴェレが監督。初の長編『聖少女アンナ』がカンヌ国際映画祭監督週間部門に出品、ジャン・ヴィゴ賞(若手監督に贈られる)を受賞している気鋭です。主演のサラ・フォレスティエは、昨年のカンヌのパルムドール『アデル ブルーは熱い色』のアブドラティフ・ケシシュ監督の長編2作目『身をかわして』に主演、現在は映画監督としても活躍しています。妹役のアデル・エネルが本年のセザール賞助演女優賞受賞。

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監督:カテル・キレヴェレ
出演:サラ・フォレスティエ、フランソワ・ダミアン、アデル・エネル
2013 / フランス / 94分 / ビスタ / 5.1ch
© DR
2013年 カンヌ国際映画祭 批評家週間オープニング・ナイト作品
2013年 テッサロニキ国際映画祭 審査員特別賞
2014年 セザール賞 助演女優賞(アデル・エネル)

ハートフルな視点が温かい
ジュリー・ベルトゥチェリ監督のドキュメンタリー
『バベルの学校』
原題:La Cour de Babel

昨年日本でも公開されたシャルロット・ゲンズブール主演『パパの木』の監督 ジュリー・ベルトゥチェリのドキュメンタリー作品。世界中からフランスにやって来た11~15歳までのフランス語適応クラスの子供たちを追います。国籍も宗教も違う子供たちの間には、時に口論も起きて自暴自棄になってしまう子供も。彼らを見守り、導いていくのがブリジット・セルヴォー二先生。セルヴォー二先生がキャリア最後に受け持ったのが、作品に登場するクラスで、現在は教育省顧問として活躍しています。セルヴォー二先生とベルトゥチェリ監督が来日。

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監督:ジュリー・ベルトゥチェリ
出演:ブリジット・セルヴォー二
2014年晩秋公開
2013/フランス/89分/ビスタ/5.1ch
© Pyramide Films
女性監督による強く愛らしい女性の物語
『素顔のルル』 
原題:Lulu, femme nue

フランスでは実力派女優として知られるカリン・ヴィアール主演。昨年の『東京国際映画祭』で上映された『ラブ・イズ・パーフェクト・クライム』でマチュー・アマルリック演じた大学教授の怪しい姉役でも強い印象を残しました。本作では打って変わってちょっとイケてない主婦の役。就職の面接に失敗した後、電車に乗ったルルは、夫と3人の子供の待つ家には帰らず放浪を決めこみます。その中で様々な人に出会い、大切なことに気づいていく。原作は2009年アングレーム国際漫画祭で優秀作品賞を受賞したエチエンヌ・ダヴォドーの同名のバンド・デシネ(フランス・ベルギーを中心としたヨーロッパの漫画)。

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監督:ソルヴェイグ・アンスパック
出演:カリン・ヴィアール、ブリ・ラネール、クロード・ジャンサック
2013年 サルラ映画祭(フランス)女優賞(カリン・ヴィアール)
2013 / フランス / 87分 / シネマスコープ / 5.1
© Isabelle Razavet – Arturo Mio
軽妙な掛け合いとサスペンス・コメディ
『俳優探偵ジャン』
原題:Je fais le mort

主演は注目のベルギー人俳優フランソワ・ダミアン、コメディに定評のあるジェラルディン・ナカシュ。主人公のジャン・ルノは売れない俳優。かつてはセザール賞(フランスのアカデミー賞にあたる映画賞)を受賞したこともあったのに、性格が災いして今は就職センターに通うような日々を送っています。ある日就職センターの相談員から予審判事が事件現場を再現するために死体役を探しているとをもちかけられ死体役を引き受けます。死体をよく演じたいと願うあまりに細かい再現を要求するジャンと若い判事ノエミは衝突しながらも事件の矛盾に気が付き真相に迫っていく、という高級スキーリゾート地ムジェーブで展開するサスペンス・コメディ。監督はユニフランスの会長でもあるジャン=ポール・サロメ。来日します。

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監督:ジャン=ポール・サロメ
出演:フランソワ・ダミアン、ジェラルディン・ナカシュ、リュシアン・ジャン=バティスト
2013 / フランス、ベルギー / 105分 / ビスタ / 5.1ch /
© Diaphana Films
『ハートブレイカー』のパスカル・ショメイユ監督のラブコメ。
『Fly Me to the Moon(英題)』
原題:Un plan parfait

『フランス映画祭2011』で大好評を博したロマン・デュリス&バネッサ・パラディ主演『ハートブレイカー』のパスカル・ショメイユ監督のロマンチック・コメディ。ダイアン・クルーガー演じるイザベルは家のジンクス「初婚は離婚することになる」を恐れるあまり、長年付き合っているボーイフレンドとの結婚を前に、いちど他の男性と結婚して離婚 してバツイチになる、という決意をします。そこでダニー・ブーン演じるジャン=イヴと出会い珍道中がはじまる……。ダニー・ブーンが来日。

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監督:パスカル・ショメイユ
出演:ダイアン・クルーガー、ダニー・ブーン、アリス・ポル、ロベール・プラニョル
2012 / フランス / 104分 / シネマスコープ / 5.1ch
©2012 SPLENDIDO QUAD CINEMA / TF1 FILMS PRODUCTION / SCOPE PICTURES / LES PRODUCTIONS DU CH’TIMI / CHAOCRP DISTRIBUTION / YEARDAWN
2014年9月20日(土)より、ヒューマントラストシネマ有楽町他にて公開
疾走するTGV上のアクションがエキサイティング
『友よ、さらばと言おう』
原題:Mea Culpa

『すべて彼女のために』のフレッド・カヴァイエ最新作。南仏のトゥーロン警察でかつての優秀な刑事コンビシモンとフランクが不幸な事件をきっかけに、シモンは刑事をやめ距離を置くようになる。ある日シモンの息子が偶然殺人事件を目撃したことからマフィアに命を狙われていることを知り、息子を守りぬくことを決意したシモン。フランクの協力を得て、マフィア組織に立ち向かっていく。南仏を舞台にしたアクションシーンがみもの、特にクライマックス 疾走するTGV上でのマフィアとの攻防戦はエキサイティング。監督のフレッド・カヴァイエが来日します。

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監督:フレッド・カヴァイエ
出演:ヴァンサン・ランドン、ジル・ルルーシュ
2014 / フランス / 90分 / シネマスコープ / ドルビーデジタル /
2014年8月、新宿武蔵野館他 全国順次ロードショー
Thomas Brémond © copyright Gaumont – LGM Cinéma
没後30周年フランソワ・トリュフォー監督
『暗くなるまでこの恋を』
原題:La Sirène du Mississipi

『フランス映画祭』では昨年より、クラシック部門としてクラシック作品が1作上映していますが、今年は没後30周年にあたるフランソワ・トリュフォー監督作品からカルト的人気を誇る『暗くなるまでこの恋を』上映。カトリーヌ・ドヌーヴ、ジャン=ポール・ベルモンドが行き場のない大人の男女を熱演。ドヌーヴがまとう華麗な衣装はイヴ・サンローランによるもの。デジタル・リマスター版での上映で、この秋に開催される『没後30年 フランソワ・トリュフォー映画祭』では、本作ともどもレトロスペククティブ上映の予定があります。

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監督:フランソワ・トリュフォー
出演:カトリーヌ・ドヌーヴ、ジャン=ポール・ベルモンド
『没後30年 フランソワ・トリュフォー映画祭』2014年10月11日(土)より、角川シネマ有楽町にて3週間限定ロードショー
©1969 Les films du Carrosse / Les Productions Artistes Associés / Produzione Associate Delphos

●上映スケジュール    ★は登壇イベントあり。
6/27(金)

17:40~オープニングセレモニー&『グレートデイズ!夢に挑んだ父と子』★
21:00 『2つの秋、3つの冬』(TOHOシネマズ 日劇)★

6/28(土)
10:30~『バベルの学校』★
14:00~『イヴ・サンローラン』★
17:30~『素顔のルル』
21:00~『友よ、さらばと言おう』(TOHOシネマズ 日劇)★

6/29(日)
10:30~『間奏曲はパリで』★
14:00~『ジェロニモ-愛と灼熱のリズム』★
17:30~『俳優探偵ジャン』★

6/30(月)
10:30~『暗くなるまでこの恋を』
14:00~ 『スザンヌ』
17:20~ 『Fly Me to the Moon(英題)』★

『フランス映画祭2014』

会期:2014年6月27日(金)~6月30日(月)
会場:有楽町朝日ホール(メイン会場・有楽町マリオン11F)
TOHOシネマズ 日劇(レイトショー会場・有楽町マリオン9F)
料金:前売り1,500円、当日1,700円
主催:ユニフランス・フィルムズ
共催:朝日新聞社
後援:フランス文化・コミュニケーション省-CNC / 在日フランス大使館 / アンスティチュ・フランセ日本
協賛:ラコステ / バリラックス / ELLE JAPON / LVT
特別協力:TOHOシネマズ / パレスホテル東京 / J-WAVE 81.3FM
協力:三菱地所 / ルミネ有楽町店 / 阪急メンズ東京
運営:ユニフランス・フィルムズ / 東京フィルメックス
宣伝:Playtime

*チケットの発売は6月7日(土)10:00~6月25日(水)
電話予約は6月24日(火)、直接購入、インターネットは6月25日(水)まで。

福岡 6月27日(金)~6月30日(月)
関西 7月2日(水)~11日(金)
札幌でも開催予定。