【うしにまつわるMooコラム Vol. 6】うしもバルセロナで考えた。座っているだけという説も。

(2009.01.01)

スペイン人はうし好きです。乾いたスペインの大地を走る街道沿いには大きな黒い牡牛の看板が忽然と姿を現します。それはスペインのシェリーメーカー、オズボーン社のもの。サングレ・デ・トロ社のワインのボトルには小さな牡牛フィギュアがおまけについてきます。天才ピカソに至っては闘牛、獣神ミノタウロス(上半身は牛で、下半身は人間の姿の怪物)をモチーフに数多くの作品を残したのは有名。さらにはスペイン3大祭りのひとつ、北部パンプローナで毎年開催される「サン・フェルミン祭り」は、街に解き放たれたうしくんを男たちが勇猛を競って追い回す(というか実際はうしくんの前を走るのが勇敢とされます)おもしろ祭り。うしくんたち、日本よりも日常生活に密着しているようです。

そしてこちらスペインの港町、バルセロナ。その目抜き通り、ランブラス通り。こちらにお控えしているうしくんをご紹介いたしましょう。彼こそ”El toro sentado” 、通称「考える牛」。右腕を組んだ右足に乗せて前傾のこのポーズはそうです、まさに近代彫刻の父、あのロダンの名作「考える人」そのもの。

ランブラス通りは遊歩道を真ん中に据えたお散歩にもってこいの道なのですが、その端っこにこのうしくんのほか、「コケティッシュなキリン」も。どちらも動物をモチーフにシニカルな作風で知られたジョゼフ・グラニエールの1972年の作品。(世界文化観察/バーバラ・ウンフーフー)

 

 

うしもバルゼロナで考えた。でもなんで? そんなムリなポーズ。
「シデー世ですこと……」なんて考えてるんでしょうか?
うっしっしー!(協力:スペイン観光協会)