ザガットより – 1 - 長野に「日本の原点」を見る。

(2008.11.03)

『ザガットサーベイ』といえば、世界的に知られる消費者投票による参加型レストラン評価ガイドブック。日本ではこれまで、私ども『CHINTAI』が東京版と大阪・神戸・京都をまとめた関西版を発刊してきましたが、ついに国内第3版目として長野版を発刊することになりました。
「なぜ長野?」 そんな声が聞こえてきそうですので、まずは着手に至る経緯についてご説明させて頂きます。

1,400年の歴史を持つ善光寺
(写真提供/善光寺)

豊かな温泉に野猿も癒される・・・

実は、このザガット長野版の発案者は、なんと長野県の村井知事。知事就任以前からザガット東京版のヘビーユーザーでいらっしゃる村井知事は、消費者視線で施設を評価するこのザガットをなんとか観光立県長野の再興に役立てられないかと考えたわけです。

その具体的なご相談を頂いたのは昨年のこと。県観光企画課の方からその趣旨をおうかがいし、『ザガット』としてこの提案をお受けすべきかどうか、あらゆる側面から調査を開始しました。もちろん長野県は、個人的にも必ず夏に冬に訪れる大好きなリゾートエリアの一つですので、それなりに状況は把握しているつもりでした。しかし調査を進めるにつれ、その認識は良い意味で裏切られることになりました。県内全域に素晴らしい観光地が点在し、各エリア毎に地方色豊かな食材や食文化が存在することを改めて気づかされたのです。

ずっと以前から地産地消に取り組んでいるこだわりのレストランに出会い、小さいながらも抜群のホスピタリティで多くのリピーターに愛されるプチホテルにも巡り合いました。皆さんは「長野」と聞いてどこを思い浮かべますか? 軽井沢、白馬、上高地、志賀高原、野沢温泉、諏訪、蓼科、八ヶ岳……。どこも超メジャー級のリゾートばかりですが、全て長野県です。

余談ですが、県内の某有名温泉宿を訪れた時のこと。それこそ自助努力で抜群の客室稼働率を誇る、その社長が興味深いことをおっしゃっていました。
「長野県の事業者の多くは、東京から来るお客様は皆さん高級な料理を食べに来ていると思っている。全く逆で、むしろほとんどの方は地の食材を使ったシンプルな料理を楽しみに来る。もっと長野は地元の食材や文化に自信を持つべき。多様な文化が入り混じる東京やパリは、ある意味で日本やフランスではない。その国の真の姿は、地方にこそある。日本のそれは長野にあたる」と。

 確かに香り豊かなキノコや水が命の蕎麦などは、余計な手を加えずに地元で頂くのが最も旨い。
ちょっと話は逸れましたが、要するに長野県側はこのような高いポテンシャルを有するにもかかわらず、それが情報として消費者に向け正しくアウトプットされていないことを懸念しているわけです。この「秘めたるポテンシャル」を消費者に正しく伝えることこそザガットの役割であると、その使命感に灯が点りました。我々は早速施設リストと市場の調査レポートをまとめ、ニューヨークのザガット社に飛びました。そして2度の渡米による交渉の結果、「世界のザガット」から長野版の発刊を認められたわけです。交渉の中で、日本では初の観光ガイドとして、飲食施設だけでなく宿泊施設についても評価対象とすることの承認を得ることができました。

さて、長野版を作ったら「誰が使うのか」ということですが、長野県の観光訪問者の約50%は東京を中心とした関東首都圏からの旅行者。つまり、東京に暮らすザガット東京版の読者にとっても、長野はとても親和性の高い観光地です。地元長野はもちろんのこと関東、中京、関西圏の方々に便利に活用いただけるのではないかと思います。
来年は7年に1回の善光寺の御開帳、その翌年は諏訪の御柱祭が控え、長野県が話題に上る機会も増えることでしょう。夏の避暑や冬のスキー行の帰りに、『ザガット 長野版』はいつもの旅行の楽しみを少しだけ増やしてくれることでしょう。

そのザガット『ザガット 長野版』をもれなく無料で入手する方法があります。東京版や関西版の投票に参加頂いている方はご存知のことと思いますが、ザガットの投票参加者には完成本が1冊無料で贈られるのです。是非皆様も長野版の投票に参加して、記念すべき初の地方版観光ガイドを手に入れてはいかが? ちなみに『ザガット 長野のレストラン&ホテル』は、2009年3月発売予定です。

 

『ザガット』投票はこちら↓ (投票期間は日本時間11月10日14:00まで)
http://www.zagat.com/japan/