アートニュース Fromミュージアムカフェ – 12 - あらゆる方向から感覚を刺激する! カレイドスコープのような空間が広がる『万華鏡の視覚:ティッセン・ボルネミッサ現代美術財団コレクションより』森美術館で開催中。

(2009.04.16)

フランチェスカ・フォン・ハプスブルクによって2002年に創設されたティッセン・ボルネミッサ現代美術財団。その斬新で創造性豊かな現代美術の収集品の数々を展示している今回の展覧会のテーマは「万華鏡(カレイドスコープ)」。
万華鏡のように思いもしない発見が次々と出てくるような作品が会場には溢れています。人間のもつ様々な五感を刺激する、ダイナミックでインパクトのある作品ばかり。

ケリス・ウィン・エヴァンス
『ジークフリード・マルクス著『天体写真術―写真現像の過程』(1987年)』 2006年
シャンデリア(Luce Italia製)、フラット・スクリーン・モニター、モールス信号機、コンピュータ
Installation view: Once a Noun, Now a Verb… Galerie Neu, Berlin, 2005
Courtesy: The artist / Galerie Neu, Berlin

作品の展示手法も様々です。実際に作品の上を歩いて、作品と共鳴して「どう感じるか」を問う作品が多いのが特徴。遠目で見ている印象と、実際に作品に加わってみて感じる「感覚」を両方体験できるのです。

960個の電球の間を通り向けて、双方にある鏡で自分自身を見ることのできるカールステン・フラー『Y』や、ひとつの部屋がひとつの作品となっているマシュー・リッチー『家庭農園』。美術館の中にいるのに、作品ごとにちがった異空間へ連れて行ってくれる時間がそこにはあります。

また出品作家も国際的に活躍するアーティストたち。原美術館(東京)でも個展が好評開催中のジム・ランビーの作品も観ることができますよ! 今年後半はオラファー・エリアソンの個展も日本で開催予定。この機会に予習してみるのもいいかもしれません。

ただアートを鑑賞するだけではなく、アトラクションのように体感しながら楽しむことのできる展覧会です。

また森美術館のある六本木ヒルズ内のカフェやレストランが今展とコラボレーションした商品も会期中楽しむことができます。『ザ キッチン サルヴァトーレ クオモ』『ル ショコラ ドゥ アッシュ』『エスプレッサメンテ イリー』の3店では、期間限定オリジナル創作メニューが登場。なかでも「ル ショコラ ドゥ アッシュ」の限定オリジナルスイーツ『kaléidoscope カレイドスコープ』(750円 税込)は万華鏡をイメージしたキラキラな宝石箱風シュクレ。展示を楽しんだ帰りに、ぜひ手みやげもどうぞ!

 

『万華鏡の視覚:ティッセン・ボルネミッサ現代美術財団コレクションより』
期日:2009年4月4日(土)~7月5日(日)
会場:東京・森美術館
料金:1500円(一般)ほか
問い合わせ:ハローダイヤル Tel. 03-5777-8600

カールステン・フラー
『Y』
2003年
960個の電球、アルミニウム、木、鏡
Installation view: Thyssen-Bornemisza Art Contemporary. Collection as Aleph, Kunsthaus Graz, 2008
Photo: Jen Fong Photography / T-B A21, 2008
オラファー・エリアソン
『投影される君の歓迎』
2003年
赤と青のガラス、ワイヤーロープ、モーター、スポットライト、三脚
Installation view: futuresystems: rare momente, Lentos Kunstmuseum, Linz, 2007
Photo: machekS / Lentos Kunstmuseum, Linz, 2007
マシュー・リッチー
『家庭農園』
2001年
ミクスト・メディア・インスタレーション
Courtesy: Stephan White / Andrea Rosen Gallery, New York / White Cube, London